最高に楽しいぼっち旅をしよう!

【真船佳奈】#0前編 29歳の女がぼっち旅をする理由【ぼっち旅】

telling,の人気連載「“親指レディ”OLサム子」の作者、真船佳奈さん。「29歳になって仕事や結婚やら色々死ぬほど自由が利かなくなってきたので、NYで自由の女神目指します」という宣言とともに送られてきたこの企画。エピソード0〈前編〉では「そもそもなんでぼっち旅をするのか」について綴っていただきました。

●#0 ぼっち旅って、結局楽しいのかどうなのか〈前編〉

生後29年たっても「人見知り」

29歳、一人に完全に慣れてきた。
慣れてきた、というより、人と何かをすることがどんどん苦手になり、人見知りが年々悪化してきている。初対面の人とは未だに天気の話でさえラリーを続けられないし、それどころか、せっかく回してもらった会話のパスを地面に叩きつけて強制終了してしまうことすらある。
「人見知り いつまで」でググってみたら「個人差はありますが、大体生後2才前後で落ち着きます」と書いてあった。
生後29年人見知りを引きずって生きている私はどうしたらいいのかわからないけれど、それでもなんとか一人で食いっぱぐれなく生きているのでOKとしよう。

不思議なもので、一人には「飽き」が来ない。
どうしたって他者といたほうが刺激がありそうなもんなのに、なぜか「マンネリ」が来たりする。
その点、一人は最高だ。ネットフリックスで一生くだらない映画を見続けていても、出前館で毎週同じ店のから揚げ弁当を頼んでも、12時間寝続けても、刺激はないが飽きはこない。
男性とどこかへデートに行くという出来事に憧れたりもするが、そこに至るために(素敵な相手を見つける→頑張って会話のラリーを続ける→素敵な女子を演出する)みたいな数々の修行のステップを踏まなきゃいけないかと思うと、一人でから揚げ弁当をかきこんでいたほうがずっと楽しいと思ってしまう。終わっているといえば終わっているし、終わるほど何も始まっていないともいえる。

ここではないどこかへ

そんなわけで、29回目の夏がやってきた。
休みにどこかへ行こうと思うけれどやっぱり誰かと一緒に行く選択肢はなく、楽ちん一人旅を選んだ。
ツアーの催行人数はいつも一人。
別に今時ぼっち旅行は珍しくもなんともないが、たまに「いいなあ、海外旅行、誰と行くの?」と気遣って投げてもらったボールを「え、一人ですフヒヒ」と地面に叩きつけ会話を強制終了に導いてしまうことがある。
口頭だとうまく説明できないので、この記事ではぼっち旅行のメリット・デメリットを拳げていきたいと思う。今度「一人で旅行って楽しいの?」というボールをいただいたら、この記事のリンクを送ってお返事をするためにも。

続きの記事<ぼっち旅デメリット4選>はこちら

テレビ東京社員(現在BSテレ東 編成部出向中)。AD時代の経験談を『オンエアできない! 女ADまふねこ(23)、テレビ番組作ってます』(朝日新聞出版)にまとめ、2017年に漫画家デビュー。ツイッターアカウントは@mafune_kana
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