夫婦の取扱説明書 01

ずっと仲良し夫婦でいるために。私たちが実践している5つのヒミツ

「時間が経てば夫婦仲は冷めていく」という呪いを、私たちはかけられています。結婚6年目の私も、これまで何百回言われたことか! こんな刷り込み、結婚に対してネガティブイメージが増すばかりでは? もう、こんな呪いを真に受けるのはやめましょう。ずっと仲良く幸せな夫婦は確かにいます。果たして、その秘訣は? telling,では夫婦円満のコツ、夫婦間のコミュニケーションについて考えます。

●夫婦の取扱説明書 01

付き合って12年、結婚6年。ずっと仲良くいられるのは…

「結婚しなくても幸せになれるこの時代に、私は、あなたと結婚したいのです」という、ゼクシィのコピーがありました。

そうなんです。この時代にあえて“結婚”という選択をしたからには、パートナーとずっと仲良くありたい。そのためには、きっと適切な努力が必要です。

夫婦円満のコツを探るこの特集。そのプロローグとして今回は、手前味噌ながら私の話をさせてください。

円満な我が家の“スタンダード”

私は、大学2年のときから付き合っていた彼と、交際6年で結婚しました。2歳の子どもがいるいまも仲良しです。気づけば12年、いっしょにいます。

そんな夫との暮らしについてツイートすると、いつもなかなかウケがいい。

https://twitter.com/sakura011626/status/1049293168984776705

https://twitter.com/sakura011626/status/1022813791153618946

知人友人から「2人みたいになりたい!」と言ってもらうことも、恥ずかしながらときどきあります。そこで、私たちが夫婦間で大事にしていること――わが家の“スタンダード”をまとめてみました。

その1:「察してよ」は禁止

まずはずばり、コミュニケーションについて。いくら夫婦といっても、他人なんだから相手の考えていることなんて全部はわかりません。推測しようとするだけ、無駄にカロリーを消費します。

だから、いやなこともうれしいことも、ぜんぶ素直に言う。相手が言わないことは、なかったこと。聞いたことがすべてです。

そうすれば、相手の言葉の裏を一切考えなくていいから、探り合いの負担がなくなります。結果、コミュニケーションが速くなって気軽におしゃべりできるし、わかりあえる気がする。

相手からの忖度を期待しないわけだから、考えていることを正確に伝える努力は必要です。でも、それって仕事などでも一緒ですよね。むしろ親しき仲にも礼儀あり。よい関係を保つために、その努力をさぼりたくない。もしもぶつかる原因が見つかったら、ひとつずつ潰していくようにしています。その辺りを考えながらずっと付き合ってきたので、いまはずいぶんコミュニケーションの精度が上がりました。

その2:お互いの仕事をリスペクトする

相手が仕事を楽しんでいることや「仕事がしたい」という気持ちを尊重しています。

そうすると、育児を相手に任せよう、なんて考えにはなりません。だって、自分が働きたいのと同じように、相手も働きたいんだもん。

リスペクトが基本にあると、相手のお手柄を心から喜べるし、負けずに頑張りたいと思えるし、お互いの仕事話も興味深く楽しめます。

その3:なんでもフェアに分担する

支出は、家のローンが夫、食費と生活費は私などとざっくり分けて、だいたい半々になるようにしています。食事をつくるのは私で、水回りの掃除はほぼ夫だけど、あとの家事は手の空いたほう。育児は日によってまちまち。

妊娠中に「子どもを生んで生活が180度変わるというなら、お互いに90度ずつ変えよう」と話し合ったことがあります。当時はまだ私のほうが著しく収入が低かったけれど、だからといって「子育てよろしく」とは言われませんでした。

その共通認識があるから、こまかい分担の取り決めはないけれど、すべての家事や育児は“自分ごと”というか“ふたりごと”。いつも「共通タスクを相手がやってくれている」と思えるから、なにかにつけて感謝が絶えません。負担を減らすために家電を買ったり、外注したり、工夫もします。

その4:相手の家族と友だちも大切にする

相手が大切にしてきたものは、結婚しても同じように大切。だから、お互いの交友関係を制限したり、どちらかの親戚とばかり付き合うことはありません。

片方が遊びに行くのはもちろんOKだし、ときには夫同伴で私の友だちと遊んだり、彼のお友だちを家に招いておもてなしすることもあります。近くにある夫の実家にはよく遊びに行かせてもらっているし、お盆やお正月は、関西の私の実家に帰ります。

結婚することで、大切な家族や友達が倍になる。お互いの人生がより豊かになってるな、と感じます。

その5:スキンシップで幸せを感じる

恋愛中だったら、好きな人がそこにいたらふつうに抱きしめるし、挨拶代わりにキスしますよね。わが家では12年間、それが続いています。ハグをするとストレスの3分の1が解消されるって、アメリカで論文が出ていました*1。

スキンシップがあるから恋人感が保てるのか、恋人感があるからスキンシップをするのか。どちらが先かは謎だけど、メンタルケアに役立っているのは確かです。

*1)カーネギーメロン大学の心理学者、バージニア大学健康科学センターの小児科、ピッツバーグ大学の耳鼻咽喉科専門家らによるチームによる論文。Does Hugging Provide Stress-Buffering Social Support? A Study of Susceptibility to Upper Respiratory Infection and Illness, Sheldon Cohen(Psychological Science) 2014.12.19

「ルール」というほど厳格でも、意識的でもないけれど、日々こんな感じで暮らしています。もちろん、自分たちなりのスタンダードをつくるのが大切。わが家も状況に応じてフレキシブルに変化しながら、ずっとうまくやっていけたらいいなと思います。

次回以降はさまざまな方々に、夫婦のコミュニケーションについてインタビュー。

「いい夫婦の日」も意識して、これから結婚を控えている人や、結婚に興味はあるけど希望が持てない人に、前向きなヒントをお届けしたいです。

ライター・編集者 1987年の早生まれ。雑誌『走るひと』副編集長など。パーソナルなインタビューが得意。紙やWeb、媒体やクライアントワークを問わず、取材記事やコピーを執筆しています。趣味はバカンス。好きなバンドはBUMP OF CHICKENです。
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