編集部コラム

年齢と結婚のもやもや

日替わりでお送りしている「telling,編集部コラム」。金曜日担当の中釜です。ぺこ&りゅうちぇるさんが表紙を飾った雑誌「S Cawaii!」の特集「20代のうちに結婚する方法」で盛り上がった編集部。ちょうど、先週末に結婚式に参加したばかりだったので、永遠の女性のテーマかもしれない”年齢と結婚”について考えました。

「今すぐ彼をつかまえて、20代のうちに結婚する方法」
「第一印象で同じ顔レベルの女を出し抜く10のテク」
「どんな人と結婚すればいい!?私に教えてください」
「オトコは”Lipと髪”しか見えない生き物」

「S Cawaii!」の11月号表紙は、ぺこ&りゅうちぇるさんの弾ける笑顔とともに、こんな見出しが並んでいた。

私たちtelling,編集部員は大いに盛り上がった。

「同じ顔レベル……同じ顔レベル……!(以下リピート)」
「結婚相手は教えてもらうものなんだろうか」
「Lipと髪しか見てない??」

telling,編集部員は、結婚歴も多種多様だ。結婚していたり、再婚していたり、離婚したり、未婚だったり。驚くほど違う。ただ、みんな共通して”世間的な幸せ”にこだわってはいない。

ちなみに私は授かり婚で26歳で結婚して早くに子どもを産んだので、世間から見るともしかしたら「うまくやったね」と見えるのかもしれないがその後離婚し、30代になると独身に戻っている。「20代で結婚する=正解」とは全然思わない。

断っておくと、このS Cawaii!の特集を否定したいのではない。「彼氏が欲しい」「結婚したい」と女性は思うんだろうなあと思うし、「自分らしく」という言葉はよく聞くけれど、とはいえ見えない世間の「結婚したほうがいい」みたいなプレッシャーも、世間に踏み出すと、まだまだ感じる。

どうして30歳で結婚したの?を新婚さんに聞いてみた

今のアラサー女性はこの特集をどう見るのかな、と思って新婚女性に聞いてみた。
彼女は30歳で鹿児島に住んでいる。5年付き合った2歳年上の彼と、
29歳で入籍、30歳で結婚式を挙げたばかりだ。
直球で聞いてみる。「30歳前だから、ちょっと焦りもあったの?」

彼女は、管理栄養士の資格を取るために2年間ほど働きながら勉強していた。晴れて今年の春に合格したのだが、なかなか彼は踏ん切りがつかなかったらしい。

なるほど、「子どもが欲しい」という明確な目的があって、早めに結婚したかったということなのだ。彼女は鹿児島に住んでいる。周りの友達、美容師さん、会社の人、歯医者さん……ありとあらゆる知人から、「まだ結婚しないの?」と言われたそうだ。

みんな、他人の結婚話が大好きだ。21歳で結婚したりゅうちぇるさんも、「まだ結婚は早いのでは」と周りから散々言われたそう。それに対して彼は

この人と一生一緒にいるってわかってるのに、結婚しない理由がわからないって。むしろ今行動に移さないと25歳になっても30歳になっても行動できない男になるんじゃないかと思った

と答えていた。

りゅうちぇるさんの「個人的に…20代で結婚する必要はないと思うけど」という発言の意味

りゅうちぇるさんは、その後自身のSNSで、「個人的に…20代で結婚する必要はないと思うけど」と発信している。

新婚の彼女と、りゅうちぇるさんは、結婚した年代も環境も違うけれど、言っていることがほぼ一緒。
「出会ったから、結婚した」。
シンプルで、とても強い。

ふんわりして頼りないと思っていた彼女は、私の妹だ。
入籍直後に命にかかわる病気を患い、大きな手術を乗り越え、結婚式に臨んでいた。結婚相手の彼も義両親も、会社の人も、皆彼女を優しく静かに見守っていた。そうしてお世話になった人をおそらくすべて呼び、盛大な派手婚をした彼女は、「いつ何があるかわからないから、やりたいことはやっておかないと!」と笑って話していた。

「そもそも、何歳でも結婚できたらいいじゃん」と思う人もいるかもしれないし、「結婚に興味ない」人もいると思う。
今この瞬間も、誰かが結婚し、誰かが離婚している。それぞれに、自分なりの答えがあって、生きている。年齢や世間がそれをとやかく言うものではないし、気にする必要もないのだ。

続きの記事<Negicco・Nao☆さん「結婚、出産してもアイドルを続けられたら」>はこちら

telling,創刊編集長。鹿児島県出身、2005年朝日新聞社入社。週刊朝日記者/編集者を経て、デジタル本部、新規事業部門「メディアラボ」など。外部Webメディアでの執筆多数。
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