ユーチューバー(23)

もっと有名になりたい。でも、自分の強みってなんだろう。

ユーチューバー(23) 表参道で出会った、全身黒のボーイッシュな服装に、毛先を赤く染めたショートヘアの女性。彼女は「眠りの森のKANA」という名前で、ユーチューバーとして活動している。会社員とは少し違う働き方をしている彼女に、仕事や将来のことについて話を聞いた。

元々は映画監督になりたかった

 一応、YouTubeでお金を稼いでいます。いわゆる、「ユーチューバー」ってやつです。

 でも、最初からユーチューバーになりたかったわけじゃなくて、元々は映画監督になりたかったんです。それで、地元の北海道釧路市から上京して、映像系の専門学校を出て。卒業後は、YouTubeを使ったサービスを展開するベンチャー企業に入りました。

 半年くらい働いたんですけど、仕事が大変で体調崩しちゃって……。それがきっかけで辞めました。辞めたあともしばらく体調は悪かったけど、でも生活費は稼がなきゃいけない。それで、元々YouTubeを扱う会社で働いていたのもあって、動画をアップし始めました。

 今は「眠りの森のKANA」という名前で動画を配信しています。ファッションやヘアスタイル、セルフカットなどの動画が多いですね。今日、表参道に来たのも、動画で紹介する服を買うためです。「Y-3」とか人気高いんですよね。

見てもらうためには、自分の強みを見つけないと

 YouTubeを始めてしばらくは全然だめでした。収入が得られるようになったのは、半年くらい経ってからですかね。企業案件が入るようになってからです。ファッションアイテムや、スキンケア用品のPRが多いです。

 でも今もそんなに収入があるわけじゃないし、ギリギリで生活してます。収入が安定してないのは不安です。だから、もっとたくさんの人に見てもらえるようになりたい。そのためには、セルフブランディングが大切だと思っています。特に、私は事務所に所属しているわけじゃないので。ユーチューバーの友達との話題も、「どうやって動画を見せていくか」っていうのが多いですね。

 最近は、自分の強みってなんだろうっていつも考えています。動画を見てくれている人たちには、「声とか喋っているところが癒される」って言われます。それが強みなんですかね……。まだ分からないです。

 動画へのこだわりはあります。映像のクオリティです。海外の動画は、ドローンやいいカメラを使ったりして映像にこだわるんですけど、日本の動画は映像よりもテレビっぽさにこだわるんですよね。私は映像にこだわった作品を作りたいな、とは思っています。

ユーチューバーを続けていきたい。でも、OLにも憧れる

 私は「好き」を仕事にできていると思います。でも、ユーチューバーって、顔を出して喋っているからリスクが大きいんですよね。収入も安定しないし。撮影も、家で撮ったり外で撮ったりと場所を変えることもあるし、編集も含めると1日かかることもあります。結構手間がかかるんです。

 最近はユーチューバーになりたいっていう子どもたちも多いですけど、私はなりたかったわけじゃないから、OLにも憧れる。辞めちゃいましたけど、ベンチャー企業で働くのはすごく楽しかったんです。でも、ユーチューバーとしてもっと稼いで有名にもなりたい。矛盾してますね(笑)。

30歳くらいには結婚してるといいな

 この前、地元の友達2人から「結婚した」って連絡が来たんです。もうそんな歳なのかってちょっと焦りました。その友達の結婚式で流すプロフィール動画を作ったんですけど、作りながら結婚式っていいなぁって思いました。東京にいると、あまり結婚って身近に感じないんですけどね。

 結婚は、30歳くらいにはしてたいです。今、彼氏はいます。もちろん、その彼氏と結婚できたらいいですけど、「誰と」っていうよりは「結婚がしたい」んですよね。結婚って一つの区切りだと思うんです。30歳って、だいたい人生の3分の1くらいだと思うから、そこで第一章を終わらせたいというか。結婚はゴールじゃなくてスタートだと思ってるので、そこからまた新しい人生を始めたいと思っています。

 30歳って男性は仕事を頑張っていて、女性は仕事を続けつつも落ち着いていくってイメージ。結婚相手は、自分のやりたいことをやってる人がいいです。もちろん、私もユーチューバーを続けていきたいと思っています。

フォトグラファー。岡山県出身。東京工芸大学工学部写真工学科卒業後スタジオエビス入社、稲越功一氏に師事。2003年フリーランスに。 ライフワークとして毎日写真を撮り続ける。
1990年生まれ。早稲田大学文化構想学部卒。新聞記者として勤務したのち、中古車メディアの編集として特集制作などの経験を積む。結婚を機に名古屋に移住し、現在はフリーランスとして活動中。趣味は旅行。
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