銀行員(20歳)

芸能界に興味があったけど、今の生活を大切にしようと思いました。

銀行員(20歳) 山梨県で銀行員として働きつつ、タレントを目指しているという彼女。表参道駅の近くで声をかけると、「これからタレントのオーディションなんです」。その場で少し話を聞いて別れ、後日、電話で話を聞かせてもらった。

あとで後悔したくなくて、オーディションを受けました

 先日のオーディションは、ダメでした。面接ですごく緊張しちゃって、事前に考えてた自己PRがうまく話せなくて。落ちてしまったのは残念ですが、今は自分の気持ちにも区切りがついたかな、と思っています。

 私、小さい頃に1年くらい子役をやってたんです。それは両親がやらせてくれてたので、特に自分では何も考えてなくて。なんだかよく分からないままやっていました。

 辞めてからずいぶん経って、もう一回やってみたいなぁと思うようになりました。高校生の頃には何度かスカウトもされたんです。でも、当時は勉強をすごく頑張っていたので、芸能界に入るっていう決断には至りませんでした。やっぱり芸能人って不安定な仕事だし、なったところで売れるかも分からないじゃないですか。芸能界に興味はありましたが、ちゃんと就職もしたかったから、勉強はおろそかにしたくなかったんです。

 高校卒業後は、地元の銀行に就職しました。今、社会人3年目です。為替庶務を担当していて、資格の勉強もしています。このまま銀行員としてキャリアを積みたいとも思っていたんですが、やっぱり心のどこかで芸能界への思いがあって…。

 20歳になったとき、「後悔したくない」と思って、オーディションを受け始めました。タレントになるならそんなに若くないので、早いほうがいいと思って。それと、毎日の生活に変化がほしい気持ちもありました。

 いろいろと応募を始めたものの、なかなかうまくいきませんでした。今回は初めてちゃんとした面接まで行けたんです。なので、落ちてはしまったけれど、面接までいって結果が来たので良かったと思っています。

急いで結婚はしたくないけど、早く自立したいです

 芸能界に対する自分の気持ちの変化は、彼氏の存在も大きいです。オーディションを受け始めた時には、彼氏がいなくて。それもあって毎日に変化が欲しいと思ったのかもしれません。

 今は、彼氏もできて、毎日の生活がすごく楽しいです。もし芸能人になれたとしたら、今の生活がすごく変わっちゃうじゃないですか。それはいやだなぁと思って。だから芸能界に興味はあるけど、今の生活を大切にしたいと思うようになりました。

 結婚は、いつまで、というよりは、自分に余裕ができたらしたいと思います。急いでするものじゃないと思うので。

 ただ、もう社会人になって3年経ったし、今も実家で暮らしてるので、早く自分で生計を立てられるようになって自立したいんです。結婚って家を出ていくことだから、一番の自立のかたちだなって思っていて。そういう意味では、早く結婚してもいいのかな、とも思います。彼自身は結婚は急ぐ必要はないっていう考えみたいです。なので、まだ具体的な話は出てないですね。

 まわりには、結婚してる友達も、子どもがいる友達もいます。友達との話題は結婚に関することが多いです。職場にも結婚してる人が多くて、話を聞いてると楽しそうでいいなぁと思います。「早く結婚しなよ」ってアドバイスされることもあります。

 まだ現実的には考えてないけど……いつ結婚してもいいように、貯金したり料理を練習したり、準備はしていますね。

表参道にて

1990年生まれ。早稲田大学文化構想学部卒。新聞記者として勤務したのち、中古車メディアの編集として特集制作などの経験を積む。結婚を機に名古屋に移住し、現在はフリーランスとして活動中。趣味は旅行。
フォトグラファー。岡山県出身。東京工芸大学工学部写真工学科卒業後スタジオエビス入社、稲越功一氏に師事。2003年フリーランスに。 ライフワークとして毎日写真を撮り続ける。
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