Negicco・Nao☆さん「結婚、出産してもアイドルを続けられたら」
Negiccoは2003年7月結成で、「西(広島)のPerfume、東(新潟)のNegicco」とも称されたご当地アイドル第1世代。メンバーは、Nao☆さん、Meguさん(29)、Kaedeさん(27)の3人。オリコン週間シングルランキングでは今年2月リリースの最新作「カリプソ娘に花束を」(6位)を含め過去4作がトップテン入りを果たすなど、ローカルアイドルの枠を超えた全国的な知名度と人気を誇っています。なぜ、長年人気を維持できているのか。30代のアイドルとして、どこへ向かうのか。Nao☆さんにお話をうかがいました。
――アイドルのライブ会場と言えば一般的に若い男性ファンが多い傾向がありますが、Negiccoの場合は老若男女入り乱れ、最近では同世代の女性が増えている印象があります。
Nao☆(以下、Nao☆)さん: 現場に来てくれる方を見ていても女性が増えたな、と思うんですけれど、ツイッターやインスタグラムにこの口紅を買った、とか載っけると、女の子がすごい反応してきてくれるようになりました。あと、化粧水、何を使っていますか、と質問する書き込みがあったり。
「アラサー」と呼ばれる年齢になって思うこと
Nao☆さん: 私も「アラサー」と呼ばれる年齢になりましたが、何か悩んでいることを投稿すると、私よりもいろんな経験をされてきている女性が「Nao☆ちゃん、大丈夫だよ」というフォローを入れてくださったり、「同じ年代として気持ちが分かる」という共感の書き込みをしてくださったりすることも多くなってきていて。
自分はアイドルの中では上の年代だけれど、自分たちを応援してくれている方の中には、もっと自分たちよりもいろんな経験をしてきている魅力的な女性たちがいるから、あまり自分を上の立場だと思ってしゃべらないようにしています。
――ライブでは2~3時間歌いっぱなし。東京でイベントがある際は新潟からスタッフ運転の車で遠征する、というハードスケジュールです。体調管理はどうしていますか。
Nao☆さん: 28歳くらいの時に体調を崩して入院したことがありました。それからは自分は寝ないとダメだ、ということで、休日は多い日で15、16時間寝たりとかしてます(笑)。
あと、夜11時以降のお菓子はやめましたね(笑)。
中堅アイドルグループは解散ラッシュでも
Nao☆さん: ライブの際も、例えば音響さんだったら、今日はちょっとお腹から声が出ない、と伝えてサポートしてもらいます。体調が悪いのを隠して「何かこの子、変だな」ってなるよりは、自分から言っておくことで、なぜ調子が悪いのか把握できるし、他の2人のメンバーにも「今日、ちょっと調子が悪いけど、ごめんね」と言います。相手に理解してもらいながら自分の仕事と付き合う、自分と向き合う、という感じです。
――今年は「PASSPO☆」「ベイビーレイズJAPAN」「バニラビーンズ」など、中堅アイドルグループが相次いで解散。「再び『アイドル冬の時代』の到来か」と危惧する声もあります。
Nao☆さん: 今のアイドルブームが来てからアイドルを始めた人たちからしたら、アイドルが次々と解散したり辞めたりするのは初めての状況だと思うのですが、Negiccoは地方アイドルたちがいなくなっていくのも見てきているので、「2回目のラッシュ」みたいに感じています。その中でも、自分たちはペースを崩さずにやってきました。だから、普通のアイドルでは無理だったかもしれないけれど、Negiccoだからこそ歩める道もあるのでは、と思っています。
結婚したらアイドルは辞めないといけない、ではない道を証明したい
――「Negiccoだからこそ歩める道」として、ファンからは「結婚、出産を経てもアイドルを続けてほしい」という声が上がっています。異性との交際が発覚しただけでバッシングを受けることもある業界の中では、異例なことです。
Nao☆さん: 私たちもまだ結婚していませんが、違うアイドルさんのグループにいたらたぶん、結婚したいっていう時点で、辞めなきゃいけなくなるかもしれません。アイドルならそんなのダメでしょう、許されないでしょう、という意見も、もちろんあるとは思います。でも、そういう道があるということも、ここまで15年頑張ってきたNegiccoが証明していけたらいいなと思います。
続きの記事<自称「27歳が最高値」の女性、「女のピークは20代は事実」>はこちら
- 【取材後記】
Negiccoが道を切り開けば、同じように願っている後進のアイドルたちも同じ道を歩ける可能性があります。自然体の中で時折見せる強い意志。それこそがNegiccoが長く活動を続けられている理由なのかもしれません。
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第1回年齢と結婚のもやもや
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第2回Negicco・Nao☆さん「結婚、出産してもアイドルを続けられたら」
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第3回自称「27歳が最高値」の女性、「女のピークは20代は事実」
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第4回話題の雑誌「S Cawaii!」編集長に聞いた「なぜ、”20代で結婚”を
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第5回「男に選ばれなくても幸せになれる時代に、男に選ばれたい」思想