【真船佳奈】#5 ぼっちでもSATCの女の友情を体現したい【ぼっち旅】
●#5 一人でもセックス・アンド・ザ・シティの世界観を完全に再現したい
ズッ友写真が撮りたいよう
多くの有名ドラマのロケ地になっているNYでは、数々の「聖地めぐりツアー」が毎日のように開催されている。
憧れのドラマのロケ地に行ったらやりたいこと。それは、写真を撮りまくること。
特に有名なのは、「セックスアンドザシティ」のロケ地巡り。
ツアーでは、メイン登場人物と同じく女友達4人で参加をして「私はキャリー役★」「えーじゃあ私サマンサ役><」等と役割分担をしながら写真を撮る人たちもいるんだとか、いないんだとか(全部妄想だけど)。
しかし…ぼっち旅で一番困るのが「写真」だ、とは前の記事にも書いたとおり。
グループ旅行では夕陽を背に全員で手をつないで飛び跳ねる「ザ・青春」な写真が撮れるが、一人だと画角が完全にブレアウィッチプロジェクトになってしまう、という悲しいお話である。
私だって一人でも、SATCの世界観を完全再現したい……。
ブレアウィッチプロジェクトではなく、ハッシュタグ#ズッ友が似合うような、そんな素敵な写真を撮りたいんだよ!!!
いきなりのルール違反「カメラマンを雇う」
まず、私がしたことは、カメラマンを探すことである。
「ぼっち旅は楽しいのか」というテーマにも関わらず、いきなりのドーピングである。
(ただ、これから私のする「ぼっちなのにキャッキャウフフな写真をとる」という目的は、三脚さえあればある程度は達成できる)
SNSの発達した社会により、素敵な日本人女性カメラマンが見つかった。断られるといけないので、詳細は隠したから引き受けてもらえた可能性が高い。
さて、撮影者は見つかったが、問題は一緒に写真に写ってくれる友達である。
社交性のある人なら「友達の現地調達」などという超高等テクを駆使することができる可能性があるが、こちとら29年住んだ母国でも友達ができない筋金入りの人見知りである。
考えあぐねた結果、私は自らの手によって友達を作り出すという発想に至った。
どんな人見知りにもできるお友達の作り方
まず、私は親友にしたい人物をプリントアウトした。
落ち着いて聞いてほしい、私は正気だ。
ずっと欲しいと思っていた、なんでも話せる親友。
恋バナをして、男の品評をしあって、どんな時でも一緒にいる、親友。それを出力する勇気さえあれば、もうこの計画は9割型成功しているといえよう。
そして親友を、ちょうどいい感じの硬さを持ったダンボールにしっかりと貼り付け、
周りを切り取る。
これで親友の頭部が出来上がった。
さらに、後ろにハンガーを取り付ける。
ドンキホーテで肌馴染みのいい質感の色と素材を兼ね備えたハンガーをチョイスした。
これが友人への心遣いってもんである。
あっという間にかけがえのない友達が3人できた。
私の29年間なんだったんだよ。
さて、これだけではまだ不十分なため、
・ストッキング ・茶紙 を用意する。
もちろんこれらは日本の誇る国宝・ドンキホーテで調達したものである。
適度な長さに切った紙にストッキングを履かせ……
ハンガーに結びつけて
服を着せたら完成である。
友達はお金で買えないというが、こちらのお友達であれば
3人3千円ほどで手に入る。
同じくドンキホーテで買った突っ張り棒で彼女たちを固定し、背負うという算段だ。
カバンに夢と友達を詰め込み、いざ撮影に出発だ!
いざ、SATCの世界へ!
当日はあいにくの雨。加えて当日詳細を知らされたカメラマンさんは一刻も早くこの場を去りたい気持ちがあったのかもしれない。
撮影は一瞬の晴れ間を狙って行われた。
まずは、おなじみのセントラルパーク。
4人で仲良くピクニックをするシーンもありましたね!
しかし、見てください、私もキャリーになって
セントラルパークでみんなと語らいのひと時を頼んできましたよ!
嘘ー!遜色ないー!
#この瞬間は永遠
のハッシュタグ似合うーーーーー!!!!
今日は色々語ろう、最近別れた彼氏の話聞いてくれる?ウフフ……29歳だってのに何やってんだろうね!楽しい〜!
私は正気だ。
そしてSATCといえば、4人で街を闊歩するシーンが印象的。
私もいい女たちと高級ブティックの立ち並ぶNYの街を堂々と肩を組んで歩きたいよーう!
ということで
はい、いかがでしょうか。(いかがでしょうか、じゃない)
私の脇からはみ出る肉にも、誰ももう何も言わない。
多分、他に気になる部分が多すぎる。
おしゃれなショッピングもしたいね!あの店、見てみる?
あんたったらまたマノロの靴?!もうショップが開けちゃうわよ!
友達とのショッピング・たのちいいいい!
あー私今、女の友情の素晴らしさ実感しているー!!!
(※ちなみに服をDVDパッケージと揃えるために、私はスカートを着ている。スカートを、着ている)
というわけで、無事ぼっちでもSATCさながらリア充な写真撮影をすることができた。
カメラマンはいたけれど、精神的には多分ぼっちだったので許してほしい。
この後、キャリーの家や
カップケーキでおなじみのマグノリアベーカリーに行った。
SATCファンの女の子たちがキャイキャイ写真撮影しており、なんだか非常に申し訳ない気分になったことだけ報告しておく。
- なるほどそうきたか。SATCのあとは、GOSSIP GIRLにも挑戦します。真船さん、日本から「お友達」何人連れて行ったんだろう。
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