最高にマイペースな結婚をしよう!

真船佳奈 #9 「#コロナ結婚式」を延期した話

telling,の人気企画「ぼっち旅」シリーズの作者で現役テレビ局員の真船佳奈さんの結婚式までの道のりを、ご本人によるリアルタイムドキュメンタリー形式で追っていく連載「最高にマイペースな結婚をしよう!」。 式場も選び、準備中だった結婚式。しかし時節柄、「そもそも結婚式あげるのどうなの論」が浮上してきます。目まぐるしく状況が変わる中、真剣な話し合いを重ねた真船夫妻は――。そして選択をした今、どのように感じているのでしょうか。

みなさんこんにちは…(小声)
本当に久しぶりのこの企画の更新。皆さん元気でしたか?

私は今でこそクッソ暇でずーっと家にるから夫との会話もなくなり、新婚なのに連れ添って40年くらいの雰囲気になってきた。
このままじゃヤバイっと思い、「まんが日本むかしばなし」の耳なし芳一のDVD見ながら、やっとこさっとこ会話をつないでいる日々ですよ。でも、1か月前はこんな日々が来ると想像つかないくらい、忙しく走り回っていた。

何をやっていたかというと、単行本発売や1カ月後に差し迫った結婚式の準備。
「結婚式の準備」って一口に言っても、会場の打ち合わせからダイエットやペーパーアイテム作り、出席者への連絡・2次会のセッティングまで、自己満足から自己満足への綱渡りで目を回していた。こういう準備の様子、リアルタイムに書き綴れたら、いつか誰かの参考になるかもな〜などとぼんやり思っていた。

ネットで飛び交う#コロナ結婚式 決断直後に会見は開かれた

しかし2月後半くらいから「そもそも結婚式あげるのどうなの論」がじわじわと浮上してきた。
ネット上では #コロナ結婚式 というタグで開催か延期かを悩む花嫁の声や、「開催すべきでない」という外野の声まで、様々な意見が語られていた。
我々も真剣に開催するか話し合い、

  • 4月の中旬なら、少しは事態も収束しているかもしれない
  • 延期した場合、親族や出席者(主に私の職場)の繁忙期と重なり、出席できなくなる人が増える
  • オリンピックの時期と被ると、ホテルも飛行機も取れないので遠方の人が来られなくなる(後に延期が発表された)
  • 秋以降に延期しても、今度は台風の可能性などが捨てきれない
  • 祖母に来てもらいたから日本で結婚式を執り行うことにした。高齢だし、式の開催は少しでも早い方がいい。

などの理由から「万全の体制をとって来られる人だけで決行しよう」と決め、あらためて出欠を確認している最中、小池都知事が会見を行った。

事態は急変して、もう延期せざるを得ない状況になってしまった。

いやもう、どんだけ漫画描くんだよ。暇かよ。(暇だよ)

一週間後に式場と最終打ち合わせをしたら、もうあとは本番を待つのみ!という状況まで来ていたので、本当に突然の変更だった。
私たちはなんとか中止せずに済んだが、たまたま運がよかっただけで
結婚式を諦めざるを得なかった夫婦も大勢いるだろう。
式場側もどこも今は阿鼻叫喚の図だと思うし、4月の挙式はほぼ全キャンセルになったんじゃなかろうか。

花嫁みんなにハグしたい!

いざ自分が「延期」「中止」の選択肢の前に立たされた時 妙に冷静になって動けたのは、主観的にこの事実を捉えるのが怖かったからだ。
本当はすごくすごく楽しみにしていた。
それは全国どこの花嫁も一緒だと思う。

ジムのトレーナーが「4月挙式に合わせて頑張っていた花嫁さんがみんな延期になってしまって、モチベーションを保てなくなってしまっています」と言っていたのが印象的だった。
みんな頑張って準備していた。でも突然の変更で、気持ちがついていかない。
私だって「これどんなSM器具ですか?」みたいなトレーニング器具に体を縛り付けられて
泣きながらダンベルを持ち上げていたというのに…
(そしてこの話の後、30回追加トレーニング契約をさせれてしまったんだけど、どんだけ商才あんの?)

#コロナ結婚式 のタグのついた花嫁の悲痛な投稿を見るたび、悩んでいる花嫁みんなにハグして回りたい気持ちになる(「あ、結構です」とか言われそうだけど)。

中止した人、延期した人、そしてなんとか決行する人…世界中のどんなカップルも、本当に本当に悩んで苦しんで結論を出したと思う。
どんな決断を下したカップルにも、「不謹慎だ!」という攻撃や「そうして当然だ」という意見の押し付けではなくて、「がんばったね」って声かけてあげたい。

もちろん、もっと辛い状況の人は世界中たくさんいる。
コロナで闘病中の人、家族を亡くした人、事業を失った人、悲しい別れも見てきた。
そんな人たちに比べて「結婚式をあげられなかった」なんて、きっとそれに比べたら ものすごく小さい悩みだ。
生きてるだけでありがたいだろって言われたらそれまでだ。
でもきっと、ただ手放しで「おめでとう」と言われるはずだった日が
一転して「不謹慎」で「自粛すべき」となってしまったことを、きっとみんな一生忘れられないと思う。

自粛が行き届くに連れ、だんだんと幸せな出来事やおめでたいことも憚らなくてはいけない雰囲気が、感じられるようになった。入学式も卒業式も、入社式も中止。本当は聞こえてきたはずの「おめでとう」も、今年はあまり聞こえない気がする。

「おめでとう」を伝えたい

コロナが収束したら、晴れの場を迎えられなかった全ての人たちになんらかのお祝いの場を設けられたらいいなあと思うし、
今周りにおめでたいことが起きたら、それは臆さず言葉にしていきたい、と思う。
(ちなみにこれは「おい、てめえらアタイを祝福しな!おめでとう、よこしな!」という新手のカツアゲではありません。)

普段はこの連載、めちゃくちゃくだらないことをくっちゃべっているだけなのにどうしちゃったの…と思う方、次回からはまたどうでもいいの極みを書き連ねていきますのでどうぞ今後もお付き合いください。

追伸:
この原稿を書いている間に、緊急事態宣言が出されて、もう完全に自粛モードっつうか、ひたすら自粛の毎日である。
冒頭にも書いたけど、夫婦二人の時間が増えすぎて、もう耳なし芳一以外の話題もない。
結婚式までにコロナ離婚なんてことにならないように、トークサイコロでも買おうかな。

みんな、がんばって生きようね。

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テレビ東京社員(現在BSテレ東 編成部出向中)。AD時代の経験談を『オンエアできない! 女ADまふねこ(23)、テレビ番組作ってます』(朝日新聞出版)にまとめ、2017年に漫画家デビュー。ツイッターアカウントは@mafune_kana
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