最高にマイペースな結婚をしよう!

真船佳奈#16 2回の延期の末に……ついに結婚式します!

telling,の人気企画「ぼっち旅」シリーズの作者で現役テレビ局員の真船佳奈さんの結婚式までの道のりを、ご本人によるリアルタイムドキュメンタリー形式で追っていく連載「最高にマイペースな結婚をしよう!」。新型コロナウイルス感染拡大の影響で結婚式を2回も延期せざるを得なかった真船さん。いよいよ2021年4月に結婚式を挙げることが決まっています。最初に予定していた日から1年、3度目の正直となるか……?
真船佳奈#15 恋人から家族になるまでの“賞味期限”っていつまでなんだろう 真船佳奈#17 1年越しに結婚式しましたよレポート(前編)

2020年9月からこの連載を放置して早半年。
たった6か月なのに世の中はずいぶん変わった。

東京では2回目の緊急事態宣言が出され、世の中から「飲み会」という文字が消え、
私の住んでいる酔いどれの町からは酔っ払いが消え、
我が家の酒乱(私のことだ)もすっかりお酒を飲まなくなってしまった。

酒のことばっかり書いてしまったが、我々夫婦の間でいうと、
27日に計画していた結婚式も緊急事態宣言期間とドンかぶりしてしまい、
2回目の延期を余儀なくされた。

3度目の正直の挙式予定日は4月某日、奇しくも一番最初に計画していた挙式予定だった日から大体1年後。

 

1回目の延期の際は戸惑い、落ち込みもした我々だったが
2回目の延期となると、淡々とホウレンソウ(報告連絡相談)をこなした。
もう延期のプロである。

時描いた漫画 結婚式前夜が3回もやってくるもんだから 「のび太の結婚前夜」のしずかちゃんみたいなセンチな雰囲気にはならない

1年もの準備期間があり、世の中の「結婚」のとらえ方も変わっていく中で、
3回目の挙式準備はだいぶシンプルになっていった

 

「すべて手作り!愛のこもったお式を☆」と気合を入れていた我々はどこへやら、
合言葉は「外注しよう」「業者に頼もう」になっていった。

 

「パチンコ『花の慶次』風のオープニングムービーを一から手作りするんだ!」と鼻息を荒げ10年前のmac10秒あたり2時間という、ピクサー級の製作時間をかけて雲の動きのCGを作っていた夫。

珍しく夫がこだわりを見せた時ってロクなことないよね

さすがに「このペースだと1年あっても間に合わない」と気づいたのか、
「花の慶次」風のムービーが作れる映像制作会社を探しだし、4時間かけて写真を選出して外注していたが外注した会社が潰れてトンズラされていた

 

内心(花の慶次風ムービーはサムイだろ…)と思っていた私はここぞとばかりに
ココナラで無難なムービーを発注した。

 

一生に一度のことですから」の殺し文句も、もうすでに3回目の準備を迎えている我々には「その手は桑名の焼き蛤」である(古い
「無難」「シンプル」「安い」がキーワードになっていっているのを実感する。

 

結婚式の招待状も、一回目二回目は凝りに凝って
お手製デザイン・お手製印刷でせっせとこしらえたのだが、
もう「届くたびに緊急事態宣言が発令される不幸の手紙」と化していたし
招待客に返礼のはがきを何度も書かせてはボツにする鬼の編集者みたいに
なるのも嫌だったので3回目はWEB招待状にした。

 

招待客が入れてくれたコメントが非常にポップで楽しい。
「キャリーオーバー式に3倍楽しみにしてます」
1回目のスピーチで言おうとしていた内容はすっかり忘れました」
見るたびにふふふと笑えてくる。

いい意味で肩の力が抜けた、私たちらしい式になりそうな気がしている。

頑張って作ったのに完全に「不幸の手紙」と化してしまった招待状

ただ、延期にどれだけ慣れようと
招待状の出欠状況を見ていると「コロナの影響がまだまだ続いているんだな」と
思わざるを得なくなる。

 

海外駐在中の姉一家は渡航ができないので欠席。
この半年で妊娠や出産をして環境が大きく変わった友人も欠席。
地方で保育士をやっている親友は東京に来るためには、PCR検査を含め4日間自宅待機をしなくてはならない為、欠席。

 

幼い頃は自分の挙式にまさか家族が来られないという事態になろうとは思ってもみなかったが、本当に人生何があるかわからない。

 

残念な気持ちもあるが、そんな時思い出すのは、緊急事態宣言中の、灯が消えた静寂の商店街。
どこにも逃げ場がないような閉塞感の中で、結婚式どころか、これから日本がどうなってしまうんだろうという気持ちでいっぱいだった。

招待客も式に来るか、私たちと同じくらいすごくすごく悩んだろう。
そんな時期を何度も繰り返して、こうして結婚式が(次こそ)挙げられそうなことだけで
本当に感謝しなくてはならないんだろうなと思う。

当たり前のように一堂に会して、当たり前のような結婚を祝ってもらうというスタイルが、急激に変化した1年だった。

私もこの1年で、ものすごく悩んで、考えを改め、変化したなあと思っている。
結婚式では皆に感謝を伝えたいし、結婚式で会えなかった友達や家族にも、どこかで感謝を伝えられたらいいなあと思う今日この頃である。

 

1年延期していいこともあった>

さて、1年間延期をしてあきらめなければいけないこともたくさんあったが、
いいこともあった。

それは、「ダイエットのやめ時がわかんなかった」ことである。

 

結婚式に向けて、多くの女性がダイエットに燃え、エステなどに通い、自分の最高の美を追求するもんだと思う。私もその一人だったわけだが、エステもジムも辞め時がわからず結局1年継続したことにより、

 

なんとピーク時の体重から11キロ減量することに成功した。
三つ子出産したのと同じくらいの減量である。

 

今までウエディングドレスを試着すると背中のあたりに肉の風呂敷を背負った
「肉泥棒」状態になっていた。

全然自覚ないけどなんか肉のショール背負ってた

しかし、1年間以上の準備期間で背肉を撃退することに成功
憧れのマーメイドドレスを着ることができそう。
やったね!!!!

 

そんなわけで、いいことも悪いこともありそうだが
次回は無事結婚式を挙げたレポートがお届けできるのではないかと思う。

入学式に結婚式、少しずつ、「おめでたい」が憚られない束の間の時期がやってきているように思う。

 

テルテル坊主をつるすかの如く、コロコロ坊主を吊り下げて(なんだよそれ)
3度目の挙式がなんとか開催されるように祈る毎日である。

 

真船佳奈#15 恋人から家族になるまでの“賞味期限”っていつまでなんだろう 真船佳奈#17 1年越しに結婚式しましたよレポート(前編)
テレビ東京社員(現在BSテレ東 編成部出向中)。AD時代の経験談を『オンエアできない! 女ADまふねこ(23)、テレビ番組作ってます』(朝日新聞出版)にまとめ、2017年に漫画家デビュー。ツイッターアカウントは@mafune_kana
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