「梨泰院クラス」15話。結局、会長もパク・セロイもマッチョなのだ。次回最終回
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- 前回はこちら:「梨泰院クラス」14話。パク・セロイがオ・スアを捨て、チョ・イソを選んだ愛の理由
憎みながらリスペクトする
「梨泰院クラス」15回、ついに、最終回直前回だ。
そう、結局、長家のデヒ会長もパク・セロイもマッチョなのだ。
信念を貫くためには強くなければならない。屈してはいけない。
会長の長男グンウォンがセロイの最愛の人となったチョ・イソを誘拐し、セロイと会長の次男(愛人の息子)グンスが助けに向かう。
グンスを車でひき殺そうとし、彼を助けようとして、セロイは車に激突、血まみれで倒れる。
長家の企画部長オ・スアは、デヒ会長にそのことを伝える。会長は笑う。
「いくらグンウォンが愚かでも拉致に殺人? ありえないな。そんな度胸はない」
「15年前のひき逃げ事件。そして4年前。会長の記者会見によってありえる話になりました。会長がそうさせたのです」
デヒ会長の信念の貫き方が、周囲をゆがめ、忖度させ、自分の息子を拉致および殺人に追いやったと言うのだ。
重篤だったセロイが奇跡的に復活。亡くなった父との再会シーンもあって、泣かせる展開の連続だ。
すぐに立ち上がり、病院を出る。このあたりのいくら重症でも、信念のためならすぐに行動するという思想も、マッチョそのものだろう。
強くなければ生きていけない世界の住人たちであり、その価値観を貫いて生きていく。
だから、パク・セロイは、デヒ会長を憎みながら、一方でリスペクトする。マッチョな世界の住人として目指すべきロールモデルとして、自伝を繰り返し読み、長家を超える外食産業の長を目指した。
力には力を。
自分の価値を自分で下げて安売りするバカめ
イソも、ソシオパスという設定で登場したにも関わらず、パク・セロイに感化されて信念の人になってしまった。
だから、グンスが「僕はセロイさんになれない」と言ったときイソは「なれるわ」と言う。以前のイソなら「セロイさんになる必要はない。あんたはあんならしくあればいいのよ」と言ったのではないか。
それに重ねるように「退職願」を出すイソを映す。
「主体性のない人を軽蔑すると。これが人生初の私の望んだ道です」
会長を裏切り、会長の庇護から抜け出す決意を示す。
アニキを助けるためにひとり組織に乗り込むスングォン。そして、むかし刑務所時代にセロイに言われた言葉を、自らの口で語るのだ。
「自分の価値を自分で下げて安売りするバカめ」
そして、「この俺は、株式会社梨泰院クラスの本部長だ」と肩書を自分の価値として示してしまうのだ。
こうして、だれもがパク・セロイ化することをヒロイックに映し出す。
とてもたやすいことだ
パク・セロイは、デヒ会長にグンウォンの居場所を聞く。
「俺に土下座できるか?」
念願の土下座を、ここで要求するデヒ会長。
「イカれたジジイめ。息子が人を拉致したんだぞ」
もはやデヒ会長も自分を見失ってしまった。デヒ会長が望んだのは、自分に逆らわない人々だ。周りが自分の支配下にあることだったはずだ。その象徴としての土下座なのだが、ここでは、関係なく土下座そのものを要求してしまった。
だから、「何万回でもできる。とてもたやすいことだ」とセロイは土下座をしようとする。
正気を失って暴走する長男グンウォン。
拉致されて脱走を試みるイソとグンス。
死を目の前にして信念を取り違えてしまったデヒ会長。
愛と信念の人として立ち上がったパク・セロイ。
このままマッチョで突き通すと、デヒ会長のようになってしまうのではないかと心配してしまうが、次回、最終回、どう決着をつけるのか。
■梨泰院クラス全話レビュー
1:「梨泰院クラス」会長は本当に悪でパク・セロイは本当に正義なのか? 全話徹底レビュースタート
2:「梨泰院クラス」2話。忖度で生み出される格差に抗うパク・セロイ
3:「梨泰院クラス」3話。忖度社会に抗うための第3の方法
4:「梨泰院クラス」4話。パク・セロイとオ・スアとチョ・イソの恋のトライアングルバトル勃発
5:「梨泰院クラス」5話。パク・セロイとオ・スアのキスにチョ・イソディフェンス発動
6:「梨泰院クラス」6話。最大の疑問。パク・セロイはなぜオ・スアをタンバムに呼ばなかったのか
7:「梨泰院クラス」7話。パク・セロイ、会長に宣戦布告、土下座して罪を償え
8:「梨泰院クラス」8話。大金を得たセロイは、なぜ会長のようにならないのか
9:「梨泰院クラス」9話。パク・セロイ、オ・スア、チョ・イソの恋と権力のトライアングル
10:「梨泰院クラス」10話。権力か家族か。決断を迫られる会長、迫るセロイ
11:「梨泰院クラス」11話。チョ・イソ告白シーンでわかるパク・セロイが恋愛に鈍感な理由
12:神回「梨泰院クラス」12話。恋愛から逃げるパク・セロイ、「最強の居酒屋」から逃げないマ・ヒョニ
13:「梨泰院クラス」13話。パク・セロイが愛したのはスアでもイソでもない。会長だ
14:「梨泰院クラス」14話。パク・セロイがオ・スアを捨て、チョ・イソを選んだ愛の理由
15:「梨泰院クラス」15話。結局、会長もパク・セロイもマッチョなのだ。次回最終回
16:「梨泰院クラス」最終話。パク・セロイ「夢みていた光景なのに心の底から喜べない」
「梨泰院クラス」
演出:キム・ソンユン
原作脚本:クァンジン
キャスト:パク・ソジュン パク・セロイ役、キム・ダミ チョ・イソ役、ユ・ジェミョン チャン・デヒ役、アン・ボヒョン チャン・グンウォン役、クォン・ナラ オ・スア役、キム・ヘウン カン・ミョンジョン役、イ・デビッド イ・ホジン役、ソン・ヒョンジュ パク・ソンヨル役、ユン・ギョンホ オ・ビョンホン役
オープニング曲:ハ・ヒョヌ「Stone」
エンディング曲:Gaho「Start」
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