「梨泰院クラス」4話。パク・セロイとオ・スアとチョ・イソの恋のトライアングルバトル勃発
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- 前回はこちら:「梨泰院クラス」3話。忖度社会に抗うための第3の方法
「梨泰院クラス」全話レビュー、第4回、第4話。パク・セロイとオ・スアとチョ・イソの恋の三角関係バトル勃発の回だ。
「梨泰院クラス」読み方はイテオンクラス。「梨泰院」は韓国の街の名だ。
パク・セロイの居酒屋「タンバム」は、未成年のチョ・イソが店で呑んでいたせいで2カ月の営業停止になった。
3人が梨泰院を疾走する名シーン
パク・セロイは、オ・スアと一緒に呑んでいる。
チョ・イソは、合コンから抜け出そうとして、クソ男につきまとわれる。
しつこい男を背負い投げして蹴り飛ばし「このクズめ」なんて言うから、追いかけられちゃう。
男子トイレに逃げ込むと、そこにパク・セロイがいる。
パク・セロイとチョ・イソ、またも偶然の(運命の!?)出会いである。
パク・セロイが助けて、チョ・イソの手をつかんで逃走する。
手をつかまれたときのチョ・イソのニンマリする顔が恋する乙女の表情。
店の前で待ってたオ・スアに「走れ!」と叫ぶ。
パク・セロイと、オ・スアと、チョ・イソの3人が梨泰院を疾走する名シーン。
音楽は、もちろんGahoの「START」だ。
ラウンド1は、チョ・イソの勝利と思いきや
「思い切りぶたれて痛いんです」とチョ・イソが甘えて、オ・スアが見え透いた手をつかいやがってと苦笑いするも、パク・セロイは素で何も気づかず「病院へ行け、気をつけて」とそっけない。
パク・セロイは、恋愛に関しては完全にぼんくらキャラで、気がきかないどころではない。まったく何も気づかない。
「お礼がしたいんです」とチョ・イソが言っても「気にするな家に帰れ」と返事する。
結局、パク・セロイ、オ・スア、チョ・イソで呑みに行くことになる(チョ・イソも20歳になっているのだ)。
「もしかしてセロイが好き?」
「興味はありますね」
「でも、あなたみたいな子が手に負える人ではないわ」
パク・セロイがトイレに行ったすきに女子2人の恋のマウンティング合戦がはじまってしまう。
しかも、オ・スアの失言で、チョ・イソがピンと来て、「まさか もしかしてあなたがチクったの?」と営業停止になった件に切り込む。「10年も思ってくれてる人を裏切るなんて……」
恋のマウティング合戦のラウンド1は、チョ・イソの勝利かと思いきや、戻ってきたパク・セロイに、オ・スアが尋ねるのだ。
「セロイ。あんたの店を警察にチクったの私よ。まだ私が好き?」
ええええー。この時のオ・スアの気持ちはどうだったんだろう? 罪の意識に耐えかねて、もう「嫌いだ」と言われたほうがスッキリすると思っていたのだろうか。それとも、それでも私のことを好きだと言うと確信していたのか。
パク・セロイとオ・スアのふたりはとても不思議な関係だ。
幼なじみで、お互いがお互いを好きであることは、ふたりとも分かっているはず。にもかかわらず距離を置く。
素直に考えれば、オ・スアは長家で働くのを辞めて、パク・セロイの店を手伝えばいいのではないか、と思うのだが、そうする気配もない。
オ・スアは、長家に恩義がある。そこには逆らえない。権力に巻き取られている。それどころか、ライバルになるだろうパク・セロイの店を営業停止にするチクリを企てたのだ。
パク・セロイは、これに対して「うん」と答える。まだ好きだ、と。
「理由があるんだろ。もちろん俺には分からない。ただなんとなく残念なだけだ」
理由を問いただすこともしない。
しかも、オ・スアが帰った後に、こう語る。
「裏切りか。そこまで大げさなものでもない。聞かなくてもだいたい状況は分かる。自分の仕事や人生に忠実なだけさ」
この<聞かなくてもだいたい状況は分かる>は、どういうことだろうか?
そう。パク・セロイが何度も体験した忖度型の格差だ。権力者である長家に忖度して、学校の先生は長家の息子の暴力を見逃し、警察はパク・セロイが無実である証拠をもみ消した。
オ・スアは、長家から奨学金をもらい、長家に就職した。だから、長家の社員として行動するだろう。ライバル店で未成年が飲酒していたら警察に通報する。悪事ではない。パク・セロイは、だからオ・スアは<自分の仕事や人生に忠実なだけ>だったと言うのだ。だが、ふたりの関係を思えば、警察にチクるのではなく直接注意するということもできたのではないか。それができなかったのは、ふたりの関係性よりも長家の社員であることを選んだのだ。だから、パク・セロイは<なんとなく残念なだけだ>と思うのだ。
俺の人生を 甘くしたかった
第1話、第2話、第3話で描かれた忖度サイドに、オ・スアが墜ちてしまったのか。という衝撃の展開なのである。
これだけでも、第4話は盛り上がり過ぎるほど盛り上がってるのに、さらにパク・セロイとチョ・イソのキスシーンが!
「俺の人生は少し苦い。とても苦いんだ。夜はよく眠れない。恋しいし、寂しいし、腹が立って、だからこの仕事が合ってる。特に理由はない。ただ…少しでいいから苦い夜を 俺の人生を 甘くしたかった」
「タンバム(甘い酒)」という店の名の由来をパク・セロイが語るめちゃカッコいいシーンがあって、チョ・イソじゃなくても誰だって惚れるわーと痺れたあとに、酔い潰れたパク・セロイにチョ・イソがキスをする。
古典的なラブ・ストーリーであれば、パク・セロイとオ・スアが、長家という権力の大きな邪魔を乗り越えてどう結ばれるかまでを描くのだろう。ところが、チョ・イソというイレギュラーなキャラクターの登場で、オーソドックスな恋愛物語になるとは限らないぞって観てる者をゾクゾクさせる。
しかも、チョ・イソは、「平凡な男ではなく上等の男に仕立てるわ私」と決意し、パク・セロイの店で働くことになるのだ。
「パク・セロイ+チョ・イソの居酒屋タンバム」VS「会長チャン・デヒ+オ・スアの長家」というビジネスバトルの様相もあって、どう展開するのかまったく予想のつかない転がり方をはじめるのだった。
■梨泰院クラス全話レビュー
1:「梨泰院クラス」会長は本当に悪でパク・セロイは本当に正義なのか? 全話徹底レビュースタート
2:「梨泰院クラス」2話。忖度で生み出される格差に抗うパク・セロイ
3:「梨泰院クラス」3話。忖度社会に抗うための第3の方法
4:「梨泰院クラス」4話。パク・セロイとオ・スアとチョ・イソの恋のトライアングルバトル勃発
5:「梨泰院クラス」5話。パク・セロイとオ・スアのキスにチョ・イソディフェンス発動
6:「梨泰院クラス」6話。最大の疑問。パク・セロイはなぜオ・スアをタンバムに呼ばなかったのか
7:「梨泰院クラス」7話。パク・セロイ、会長に宣戦布告、土下座して罪を償え
8:「梨泰院クラス」8話。大金を得たセロイは、なぜ会長のようにならないのか
9:「梨泰院クラス」9話。パク・セロイ、オ・スア、チョ・イソの恋と権力のトライアングル
10:「梨泰院クラス」10話。権力か家族か。決断を迫られる会長、迫るセロイ
11:「梨泰院クラス」11話。チョ・イソ告白シーンでわかるパク・セロイが恋愛に鈍感な理由
12:神回「梨泰院クラス」12話。恋愛から逃げるパク・セロイ、「最強の居酒屋」から逃げないマ・ヒョニ
13:「梨泰院クラス」13話。パク・セロイが愛したのはスアでもイソでもない。会長だ
14:「梨泰院クラス」14話。パク・セロイがオ・スアを捨て、チョ・イソを選んだ愛の理由
15:「梨泰院クラス」15話。結局、会長もパク・セロイもマッチョなのだ。次回最終回
16:「梨泰院クラス」最終話。パク・セロイ「夢みていた光景なのに心の底から喜べない」
「梨泰院クラス」
演出:キム・ソンユン
原作脚本:クァンジン
キャスト:パク・ソジュン パク・セロイ役、キム・ダミ チョ・イソ役、ユ・ジェミョン チャン・デヒ役、アン・ボヒョン チャン・グンウォン役、クォン・ナラ オ・スア役、キム・ヘウン カン・ミョンジョン役、イ・デビッド イ・ホジン役、ソン・ヒョンジュ パク・ソンヨル役、ユン・ギョンホ オ・ビョンホン役
オープニング曲:ハ・ヒョヌ「Stone」
エンディング曲:Gaho「Start」
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