「梨泰院クラス」6話。最大の疑問。パク・セロイはなぜオ・スアをタンバムに呼ばなかったのか
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- 前回はこちら:「梨泰院クラス」5話。パク・セロイとオ・スアのキスにチョ・イソディフェンス発動
「梨泰院クラス」全話レビュー、第6話。「梨泰院クラス」、読み方はイテウォンクラス。「梨泰院」は韓国の街の名。
チョ・イソが、オ・スアに恋の宣戦布告、パク・セロイが長家に外食業界覇権争いの宣戦布告をする回だ。
つらいだろうけど少しだけ辛抱してくれ
パク・セロイとオ・スアがいい雰囲気になって目を閉じ大接近。キスか!ってタイミングで、ディフェンス! とチョ・イソが割り込んでくる。
という名シーンから、タンバム呑み会にオ・スアがずーずーしく割り込んでくる。
パク・セロイは、タンバムをフランチャイズ化していくと宣言し、飲み会は盛り上がる。
そして女子トイレで、オ・スアとチョ・イソはふたりきりになり、
オ・スア「セロイを好きでもないならほっといて」
チョ・イソ「ものすごく好きです」
と、チョ・イソが自分の気持ちを明確に伝える。
さらに、
オ・スア「かわいそうに。前にも言ったけどセロイは私が好きなの」
チョ・イソ「じゃあしかたない。あなたを潰させてもらう」
オ・スア「頑張って かわい子ちゃん」
と、恋の宣戦布告をして、バチバチのバトルが勃発するのだった。
帰り道、ハンデはいらないと、チョ・イソは、パク・セロイに「チクったのはオ・スアじゃない」と伝える。
パク・セロイは、「先に帰ってくれ」と来た道をもどる。オ・スアを追いかけることは明白だが、今度はチョ・イソは止められない。
パク・セロイ、終バスを待つオ・スアのところに駆けつける。
パク・セロイ「ごめん。ごめんな。身勝手だった。自分のことだけ考えてた」
オ・スア「忠告したわ。私を好きになるな」
パク・セロイ「長家と俺の板挟みだろ。苦しめてごめん。少しだけ……つらいだろうけど少しだけ辛抱してくれ」
バスが来る。
オ・スア「行くわ」
パク・セロイ「俺に何をしてもいい。言ったはずだ。お前は何をしようが俺は揺るがないと。もう苦しめたくない。長家は、俺が始末する。あの会社から解き放ってやる」
ここで、パク・セロイは、ひとつだけ間違ったのだと思う。
少しだけ辛抱させる必要があったのだろうか。
オ・スアを、タンバムに迎え入れるべきだったのだ。いや、そもそも、タンバムを作ったときに、どうしてオ・スアを自分のメンバーに入れなかったのか。
そうしていれば、オ・スアは板挟みで苦しまずにすんでいたはずだし、少なくとも経営能力のあるオ・スアがいれば、タンバムは、あそこまでひどい最初の赤字もなかったはずだ。
なぜ、パク・セロイは、オ・スアを板挟みの状態のまま放っておいたのか。しかも、もう少し辛抱してくれと言うのか。
オ・スアが、長家に入っているからだ。
「長家は、俺が始末する。あの会社から解き放ってやる」というセリフは、長家がある限り、長家に入ってしまったオ・スアを、自分たちの味方だと認められないと言っているのも同然だろう。
パク・セロイは、誠実でまっすぐだが、権力志向という意味では長家の会長チャン・デヒと変わらないのだ。
そのことは、ずっとドラマの中でも示されていた。会長の自伝を読み、自分の居酒屋もその方法論に従った。一軒の店からフランチャイズ化という市場を独占する巨大化を目指した。パク・セロイは会長を憎みながら尊敬していた。
チャン・デヒがタンバムにやって来る
このシーンの後、パク・セロイはある人物に電話をする。
第1話で登場し、パク・セロイが助けたいじめられっこイ・ホジンだ(牛乳を掛けられた人)。
イ・ホジンはネットトレードで、パク・セロイの資産を増やしていたのだ。
資金19憶ウォンを、全部、長家に投資することを命ずるパク・セロイ。
長家に宣戦布告である!
ドラマ的には盛り上がる展開だ。だが、パク・セロイは、自分を支えてくれたことのある幼馴染みのオ・スアと、小さな美味しい店としてタンバムをやっていくという方法もあったのではないだろうかと思う。
長家のことは歯牙にもかけず、幸せに暮らす。それが最高の復讐になるという選択肢もあったのではないか。
第6話ラスト。長家の会長チャン・デヒがタンバムにやって来る。
ふたりが対峙する。
「君に会いたかった」
「僕も同じです」
旧友の再会のようなセリフを交わすふたり。
いよいよ、決戦である。
■梨泰院クラス全話レビュー
1:「梨泰院クラス」会長は本当に悪でパク・セロイは本当に正義なのか? 全話徹底レビュースタート
2:「梨泰院クラス」2話。忖度で生み出される格差に抗うパク・セロイ
3:「梨泰院クラス」3話。忖度社会に抗うための第3の方法
4:「梨泰院クラス」4話。パク・セロイとオ・スアとチョ・イソの恋のトライアングルバトル勃発
5:「梨泰院クラス」5話。パク・セロイとオ・スアのキスにチョ・イソディフェンス発動
6:「梨泰院クラス」6話。最大の疑問。パク・セロイはなぜオ・スアをタンバムに呼ばなかったのか
7:「梨泰院クラス」7話。パク・セロイ、会長に宣戦布告、土下座して罪を償え
8:「梨泰院クラス」8話。大金を得たセロイは、なぜ会長のようにならないのか
9:「梨泰院クラス」9話。パク・セロイ、オ・スア、チョ・イソの恋と権力のトライアングル
10:「梨泰院クラス」10話。権力か家族か。決断を迫られる会長、迫るセロイ
11:「梨泰院クラス」11話。チョ・イソ告白シーンでわかるパク・セロイが恋愛に鈍感な理由
12:神回「梨泰院クラス」12話。恋愛から逃げるパク・セロイ、「最強の居酒屋」から逃げないマ・ヒョニ
13:「梨泰院クラス」13話。パク・セロイが愛したのはスアでもイソでもない。会長だ
14:「梨泰院クラス」14話。パク・セロイがオ・スアを捨て、チョ・イソを選んだ愛の理由
15:「梨泰院クラス」15話。結局、会長もパク・セロイもマッチョなのだ。次回最終回
16:「梨泰院クラス」最終話。パク・セロイ「夢みていた光景なのに心の底から喜べない」
「梨泰院クラス」
演出:キム・ソンユン
原作脚本:クァンジン
キャスト:パク・ソジュン パク・セロイ役、キム・ダミ チョ・イソ役、ユ・ジェミョン チャン・デヒ役、アン・ボヒョン チャン・グンウォン役、クォン・ナラ オ・スア役、キム・ヘウン カン・ミョンジョン役、イ・デビッド イ・ホジン役、ソン・ヒョンジュ パク・ソンヨル役、ユン・ギョンホ オ・ビョンホン役
オープニング曲:ハ・ヒョヌ「Stone」
エンディング曲:Gaho「Start」
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