身も蓋もない。誰も言ってくれなかった“リアル”な夢の叶え方
●本という贅沢37『夢の叶え方を知っていますか?』(森博嗣/朝日新書)
一年前、この本を読んでいる最中に、すごくいいことが起こりました。
その時のわたしは41歳だったんだけど、お風呂に入りながらこの本を読んでいたら、突然「自分の夢」に明確に思いあたったんです。夢を「見つけた」というよりは、はっと、「気づいた」という方が近いかも。お前か!お前だったのか!という感じ。
で、その瞬間、視力0.4くらいで見えていた世の中が、突然視力2.0になったくらい、クリアになったんです。
いやー、死ぬ前でよかった。死ぬ前でよかったし、まあまあ体力残っているうちに気づいてよかったって、お風呂の中で思いました。41歳で、奥手すぎる。奥手すぎるけれど、まだ、ギリ間に合うかもしれないし。
当たり前なのだけれど、夢を叶えるためには、まず「自分の夢は何なのか」を知っていなくてはならないと、この本には書かれているんですが……
それって、そりゃそうだろって感じだけれど、よくよく考えたらこの言葉って本気で奥が深くて、実は、私、この歳になるまで「自分の夢」ってよくわからないなあって思ってたんですよね。
やりたいことって思いつかないし、欲しいものもほとんどないし、あと好き嫌いもあんまりなくて、何をやっていてもだいたい幸せだし、なんなら「やりがい」とか見つけるのがうまい。なので、人に「これやったら?」とか「これやってほしい」と言われることを、順番にやりながら、今の生活にたどり着いた、って感じだったんです。
そんな私だから、「夢」って、あまりピンときてなかった。この本を読むまでは。
昔、ある人に、「人が死ぬとき、一番多くの人が思うことが『こんなはずじゃなかった……』なんですって」と言われたことがあって、それ以来、頻繁に自分が死ぬときに何を思うのかなあと考えます。
自分が死ぬとき、自分の夢が何かを知っていて、かつ、その夢に向かっている最中であれば、いいなって思います。
自分の夢に気づけたということは、
「これから何を優先して生きていけばいいかわかる」ということだし
「この先は何をしないで生きていけばいいかわかる」ということだから、
私は、それに気づけて、本当によかったと思いました。
自分の夢に、自覚的になってからの一年は、楽しかったです。
毎日が、ちょっとずつ、前に進んでいる感覚があった。
みなさま、あけましておめでとうございます。
今年も楽しい時間をご一緒しましょうね。
- この本が肌にあった人は、同じ編集さんが手がけた『「やりがいのある仕事」という幻想』という、さらに身も蓋もないタイトルの素晴らしい本がありますので、そちらもぜひどうぞ。より、思考が整理されると思います。これが2013年に書かれた本だと知っていて読むと、「預言の書?」と思うかも。
それではまた来週水曜日に。