編集部コラム

本田健×アラン&バーバラ・ピーズ夫妻「男女の脳の違いを知って夫婦円満に」

結婚当初はラブラブなカップルも、時とともに険悪な雰囲気に……。幸せなパートナーシップを築くためにはどうしたらいいのでしょう? ベストセラー作家の本田健さん、世界で累計2700万部突破の『話を聞かない男、地図が読めない女』の著者、アラン&バーバラ・ピーズ夫妻の3名に、パートナーシップについてのスペシャルセミナーにてお話を伺いました。

●夫婦の取扱説明書 06

結婚後、幸せな時間は時とともに去り行く

男女のパートナーシップ、特に夫婦関係についてはtelling,でも取り上げていますが、これがなかなか奥深い……。最初はうまくいっていても、年数が経つにつれ会話が少なくなり、お互いの行動にイライラすることが増えたり。とくに、妊娠して子どもが生まれてからは、「パパ」と「ママ」になってしまう現実も否めません。

著書累計800万部に迫るベストセラー作家であり、パートナーシップについてのセミナーも多数開催している本田健さんも、
「パートナーシップがうまくいっているなと思う人たちは5%以下ではないでしょうか。特に日本のカップルは子どもができると、お父さんお母さんになってしまう。2人の間のロマンスは、もはや線香花火状態」と話します。もうすぐ消えてしまう感じ?

夫を応援する妻、の本心は?

そもそも私たちは、親からも先生からもパートナーシップについて何も学んできていません。好きな人との付き合い方やアプローチの仕方なんて、学校では教えてくれない。かといって家で学べるかといったら、まったくそんなことはなく、むしろその逆。“しゃべらない夫婦”を見てきた人の方が多いのでは?

しかも、夫婦関係で難しいのは、夫婦間で競争があるということ。

「旦那さんが『オレ、がんばるよ』といっているときに、奥さんが『全力で応援するわ!』と心からいってくれるのはドラマの世界だけ。現実は、奥さんは『がんばって』といいながら、旦那さんが大空高く登って行こうとする気球めがけて、特大の吹き矢で下から撃ち落としたりするんですよ。それで旦那さんが落ちたら、『あら、どうして落ちたのかしら?』なんていうんです」(本田さん)

この話を会場で聞いていた人たちは爆笑。……思い当たる節があるんですね(笑)。表向きは「がんばって」と応援しつつ、実は相手が自分より上に行くのは許せない! そんな気持ちが、誰しもあるのかもしれません。

うまくいくコツは、男女の違いを理解すること

その一方で、うまくいっている夫婦もいるわけです。一体、なにが違うのか。パートナーシップの専門家であるアラン・ピーズさんは、
「そもそも男性と女性では脳の使い方が違う。それを理解したうえで、じゃあいったいどうしたら相手といい関係を築けるのかということを考えることが大切です」

左:『自動的に夢がかなっていく ブレイン・プログラミング』(サンマーク出版)右:『話を聞かない男、地図が読めない女』(主婦の友社)ともにアラン・ピーズ&バーバラ・ピーズ・著

実は、アランさんとバーバラさんにも、夫婦の危機はあったといいます。
「うまくいっているカップルは、お互いの違いを認識していて、上手に対応しているのです。そして、女性はホルモンの関係で生まれ変わるということを知っておくことが大切です。女性は初潮、妊娠、出産、閉経と、ホルモンの関係で生まれ変わります。男性はそのことを認識し、心の準備をしておくことです」(アランさん)

日本の夫婦に「金曜日の夜はデート」はハードル高め…

さらに、アランさんと妻のバーバラさんが幸せなパートナーシップのためにやっているのは、「金曜日の夜は夫婦でデートすること」「年1回は2人だけで旅行すること」だそう。アランさん、「日本のみなさんもやってください」とのことですが、実行できる人はどれくらいいるでしょう?

なぜなら奥さんが「金曜日の夜にデートしましょう」といっても、旦那さんは「仕事もあるのにそんな余裕あるか」というかもしれない。または、「子どもがいるから、夫婦二人で出かけるなんて無理」と思うかもしれない。欧米のようにカップルで外出する文化があるならいいけれど、そんな文化がない日本だと、ちょっと難しいと感じてしまいます。

しかし、ここでアランさんは
「お互いに努力しなかったら、冷え切った夫婦になるよ」と一喝。
たしかにそうかもしれません。何もしないうちから「できない」「ムリ」と決めつけてしまうのはよくないかも。とはいえ「デートにでかけるのはハードルが高い」という場合は、夫婦で“家飲み”するなど、2人の時間を作る工夫はしたいところです。

「察してよ」は、何も伝えていないのと同じ

もう1つ、幸せなパートナーシップを築くうえで大切なことについて、妻のバーバラさんがこんなことを話してくれました。
「女性は、男性に対して“察してよ”と思うけど、ムリな要求よ。男性は読心術なんてできないし、助けが必要なときはちゃんと言葉で伝えることが大切」

女性のみなさん、耳が痛い話だと思いませんか? つい「いわなくてもわかるでしょ!」となりがちですが、男性には言わないと伝わらない。たとえば、「最近、全然話をしてないよね」といったとき、本当に伝えたいのは「あなたと話したい」ということだったりしますよね。

それに対して男性は「話していない」という事実にフォーカスするのだそう。だから「うん。そうだね」と話がそこで終わってしまう。
こんなときは「あなたとゆっくり話をしたい」と言わないと、男性には伝わらないのだとか……。こういう些細なところから、男女のすれ違いは大きくなってしまうのかもしれませんね。

この、本田健さんとアラン&バーバラ夫妻のパートナーシップの話は、まだまだ興味深いトピックがたくさんありました。別の記事でもう少しお伝えしたいと思います。どうぞお楽しみに。

本田健さんとアラン&バーバラ・ピーズ夫妻とともに
明治大学サービス創新研究所客員研究員。ミリオネアとの偶然の出会いをキッカケに、お金と時間、行動について真剣に考え直すことに。オンライン学習講座Schooにて『文章アレルギーのあなたに贈るライティングテクニック』講座を開講中。
夫婦の取扱説明書