夫婦の取扱説明書07

ツイッタラーshin5「結婚10年でも妻にドキドキ!愛妻家やイクメンって何?」

Twitterフォロワー数・約21万人、家族への愛情溢れるツイートが人気のshin5さん。結婚10周年を迎え、さらに妻への愛情が深まっているという。両親の猛反対を押し切ってまでした、当時シングルマザーだった妻との結婚、愛妻家やイクメンと呼ばれることへの本音とは?お話をうかがいました。

●夫婦の取扱説明書07

愛妻家でもイクメンでもない

―――shin5さんは妻や家族愛の呟きが魅力ですが、愛妻家とかイクメンと呼ばれることについてどう思いますか?

shin5さん(以下shin5): 実はすごく違和感があるんです。妻が好きで結婚したし、妻と僕の子どもだから育児をするのも当たり前。なぜそれを愛妻家とかイクメンとわざわざ呼ばれるのだろうと……。家事も得意な方がやれば良いと思います。我が家は、僕が朝ごはんと長男のお弁当を作る。僕は朝起きるのが早いので、出勤前に子どもたちと朝食を食べます。妻が起きるころには台所も綺麗に片付き、妻も子どもも笑顔になれるならそれでハッピーですよ。反対に洗濯物を畳むのは妻が得意なので任せています。お互いできることをすればいいんじゃないかな。

先日「妻が夫に子どもを預けて仕事や遊びに行っている」というツイートをたまたま見ましたが、“預ける”という言葉が僕にはどうもしっくりこなかった。二人で育児をしているので、僕が外出するときは妻が子どもたちをみているし、逆もそう。それに何も予定がなくてもただゆっくりしたいときだってありますよね。そんなときは僕が家事や子どもたちの世話をしていても、妻は横で手伝うでもなくくつろいでほしいですね。

―――確かに二人のお子さんですものね。結婚当初からそう思われていたのですか?

Shin5: いえ、結婚当初は妻に家事を任せっきりでした。妻が一生懸命家のことをしている傍で、僕は好きな音楽を聞いたり携帯をいじったり…ようするにダラダラしていたんです。すると、だんだん妻が不機嫌になってきて「なんで機嫌が悪いの?」と聞くと、その質問の無神経さがさらに火に油を注ぐ結果に(笑)

妻から、一緒の時間を過ごしたいから二人で家事をするんじゃないの?と言われてハッとしました。そうそう、結婚前も妻が毎日お弁当を作ってくれていましたが、たまたま用意がない日があって軽く文句を言ったら怒られて。つい、始めは感謝していても次第に当たり前と思ってしまうのは良くないですね。僕がTwitterで呟くのも、そんな感謝の思いを忘れずにしたいからでもあります。

結婚するよりしない不安の方が大きかった

―――shin5さんが23歳、奥様が28歳でのご結婚。shin5さんは結婚と同時に5歳の男の子の父親になりました。

shin5: シンプルですが妻と子どもの3人で一緒に人生を歩みたい、離れたくないと思いました。妻と出会ったときは既にシングルマザーでしたが、それがネックになることはなく、むしろ自分が好きになった人の子どもに会ってみたい気持ちの方が強かったです。実際初めて会った日も、肩車をしたり電車の玩具で遊んだりしてすぐに意気投合。次第に、彼女と子どもと3人でいることが自然だと思えるようになったんです。

一方で、今までのようにせっかく出会っても最後は別れてしまうような恋愛はもう避けたかった。もし彼女と別れたら、子どもとの思い出がある分悲しみも2倍になるだろう。街で成長した子供にバッタリ会って、それが誰だか分からないなんて悲しすぎる……。それなら何となく付き合うよりもちゃんとした家族になりたいと思ったんです。

当時は自分に十分な財力がないのも自覚していましたし、もし自分以上に財力がある人が現れたらそれはそれで幸せなことかもしれないが、やっぱり避けたい……。また、彼女はシングルマザーとして頑張りつつも、孤独や不安で心が折れそうになる様子も見ていて、僕が傍にいて少しでも支えになれたら、とも思ったんです。

―――結婚を機に名前を奥さんの苗字に変えられたんですよね。

shin5: はい。妻は一度離婚していて苗字を元に戻しています。万が一、再婚後に離婚となれば、また名前が変わって子どもが混乱しないか気にしていたんです。僕は彼女と結婚したかったし、もし彼女の不安が少しでも軽くなるなら自分の名前を残さなくてもいいと思いました。

ただ、お互いの両親が結婚に反対でした。特に僕の父親は、名前を捨てることはもちろん、初婚の相手を希望したし、22歳でそこまで人生を背負う必要はないと猛反対。さらにまさかとはいえ、内縁の夫が幼い子どもを虐待するニュースを見て気にしていましたね。妻の両親からも、一度離婚しているし当時22歳の若造の僕と一緒で大丈夫なのか?と。

結局、妻の両親には結婚前に許しを得ましたが、僕の両親から反対されたまま事後報告で半年後に籍を入れました。結婚して5年位経過した頃ようやく理解してくれました。その頃には、双子が生まれて家族としても安定していましたね。

10年経っても妻にドキドキする毎日

―――色々な困難を乗り越えての今、10年経ってもなお夫婦仲良しでいらっしゃる。今でも妻にドキドキすることがあると?夫婦仲の秘訣はあるのですか?

shin5: 1日2,3時間は妻と会話していますね。とは言え、お互いすべてをオープンにし過ぎないようにもしています。着替えは別の部屋だし、お風呂も一緒に入らない。Twitterと日常の世界は少し別で、いつもお互い好き好き言い合っているわけではなく…。まぁ僕は好き好き言いたい方ですが(笑)妻がそういうタイプではない。僕が愛情を10呟いても返事は1つ返ってくるかどうか。でも、それでもいいと思っています。結婚して10年経ってもまだまだ発見があるんですよ。新しい服を着て綺麗だなと思ったり、定期的に二人でデートするときだけ手を繋いだり、映画を観て涙を流していたり、サプライズのプレゼントにハッとしたり、子どもたちの成長に頬を緩めたり。そんな瞬間の表情はずっと覚えておきたいなと思っています。僕も思っていることすべてを口に出しているわけではなく、感謝や愛情、忘れたくない思いをTwitterで呟いているし、いつでも妻に感謝の気持ちで接しています。

結婚して10年が経ったいまでも、素直に気持ちを伝えられるような関係のまま、これからも一緒に手を繋いで歩んでいきたいです。

●shin5(しんご)さん
1986年1月生まれ。沖縄県出身。都内で会社員をしながら、なにげなく始めた妻と3人の子どもとの日常を綴ったTwitterのつぶやきが人気。幸せあふれる日々の様子は、妻への恋心と子どもたちへ愛情いっぱいの結婚生活ラブコメディとして2016年にコミック「結婚しても恋してる」(KADOKAWA)にまとめられた。現在は第4子が誕生し6人家族。

東京生まれ。千葉育ち。理学療法士として医療現場で10数年以上働いたのち、フリーライターとして活動。WEBメディアを中心に、医療、ライフスタイル、恋愛婚活、エンタメ記事を執筆。
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