「自信がもてない」。その“ラスボス”に、私たちはどう挑むべき?
私は書籍ライターをしているので、いろんなタイプの書籍づくりに関わっています。中でも需要が高いのは、読者の「悩みを解決する本」。
世の中にはファッション、美容、料理、コミュニケーション、ビジネス・・・と、いろんな分野で読者の悩みにこたえる本が出ていますが、あるとき、その多くの書籍に、ひとつの共通点があることに気づいたんです。
それは、女性読者に向けて作られた本は、それがどんなジャンルの本でも、「自分に自信を持てるようになりたい」という悩みがラスボスだということ。
センス良く服を着こなしたいのは、自分に自信を持ちたいから。
料理が上手くなりたいのは、自分に自信を持ちたいから。
人間関係を円滑にしたいのは、自分に自信が持ちたいから。
プレゼンの方法をマスターしたいのは、自分に自信を持ちたいから。
……etc.etc.
そう、女性向けの書籍って、その根っこに流れる最終ミッションは「自分を好きになりたい」「自分に自信を持ちたい」といった切なる願いにこたえることなんですよね。
つまり、それだけ女性は、男性に比べて自信をもちにくい存在なのかもしれない。
これは、男性読者向けの書籍と女性読者向けの書籍の大きな違いだなあと感じています。
逆に言えば、自分に自信が持てるようになって、自己肯定感が高まれば、女性が抱えている悩みの多くは解決するのかも?
と、そんなことを考えていたときに、この本、ですよ。
『なぜ女は男のように自信をもてないのか』
この本は、まさにこのタイトルの疑問を持った2人の女性著者が、いろんな研究者のもとを訪れ、データを調べていく過程が描かれています。
といってもお堅い本では全然なくて、様々なデータに一喜一憂する2人の著者とともに物語が進むので、ミステリーの謎ときを読んでいるようなスリリングさで一気に読めてしまいます。
この本では脳科学、心理学、遺伝子検査などの研究データが次々紹介されているのだけれど、いずれの分野でも「男性に比べて女性は、自分に自信をもちにくい」という結果が示されているのだとか。
もちろん、その事実を突きつけられただけでは、私たちにとって救いがないのだけれど、この本のいいところは、そういった「自分に自信をもてない女性」たちが、これからの人生でどうやって自信を身につけていけばいいかまで教えてくれていること。
世の中には「知っている」だけで、楽になることがある。私は、そう思います。
「知っている」ことを増やすことが、読書の良い側面のひとつだなとも思います。
たとえば、この本の中に書かれている
・女性は男性よりも自信をもちにくいこと。
・でも、自信がある人のほうが幸福感や成功を手に入れやすいこと。
・後天的に自信をもてるようになる方法があること。
などは、知っているだけで絶対に人生が楽になる!はず。
おすすめの一冊です。
- この本を編集されたのは、吉野江里さん。この本が気に入った方なら、同じく吉野さんがご担当された翻訳モノで、『#GIRLBOSS 万引きやゴミあさりをしていたギャルがたった8年で100億円企業を作り上げた話』などもおすすめです。
では、また来週水曜日に。
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