菅田将暉×仲野太賀×神木隆之介『コントが始まる』2話にびっくり。緻密なストーリーなのにドヤ感がない

鳴かず飛ばずの日々を過ごすお笑いトリオ『マクベス』の春斗(菅田将暉)、瞬太(神木隆之介)、潤平(仲野太賀)は、「解散」を宣言することで、動き出します。一方、彼らと巡り会うことで動き出した里穂子(有村架純)とつむぎ(古川琴音)姉妹。瞬太の誕生日を直前に控え、物語は急加速します。

1話放送時から絶賛の声しか聞こえてこなかった『コントが始まる』(日本テレビ系)。第2話も期待以上の出来だったのだが、一体このドラマはどの層に刺さっているのだろう?
菅田将暉、有村架純、仲野太賀、古川琴音、神木隆之介がメインを張っているのだから、当然若者からの指示を得ているのだろう。しかし、内容はあるていど年齢がいっている人間を狙い撃ちしているような気もする。

おじさんの青春を狙い撃ち

設定こそ現代であるものの、春斗(菅田将暉)たちの行動が少し前の若者っぽい。乗っている自転車は地元から持ってきたような完全なるママチャリだし、ファッションもオシャレではあるが20年以上前からあるようなデザインばかり。春斗が食べる具なしのお好み焼きや納豆トーストも、なんだか古い貧乏飯だ。今の若者は、金がなくてももうちょっと工夫したものを食べそうだ。

玄関横のキッチンも、少し古いタイプの安アパートの造りだ。もちろん「貧乏だから」という理由なのだが、それにしても懐かしすぎる。布団も家具も、新しく見えるものがひとつもない。そういえば有村架純のブレイクのきっかけは、『あまちゃん』で昭和のアイドルを演じたことだった。

瞬太(神木隆之介)の「お父さんが好きだったミュージシャンや詩人もみんな27で亡くなっていた」というセリフもそう。これは、カート・コバーン、ジム・モリソン、ジャニス・ジョップリン、ジミ・ヘンドリックスら大物ミュージシャンが27歳で亡くなった奇妙な偶然、「27クラブ」を指している。

若い視聴者の没入感の邪魔をせずに、おじさんたちの青春を狙い撃ちする。そんなさりげない演出であふれている。

前話を前フリにするような構成

2話の冒頭のコントは、「屋上」。引っ越してきたばかりの夫婦の向かいのマンションから、今まさに若者が飛び降りようとしている。若者の命を惜しむのではなく、自分たちの新しい生活にケチをつけたくない、という邪な理由で夫婦が自殺を止める喜劇だ。

だが、前回の「水のトラブル」と違って前フリの段階で終わってしまった感は否めなかった。なかなか難しいかも知れないが、一度くらいはマクベスのフル尺コントが観てみたい。

このコントのストーリーに沿うように、瞬太の自殺騒動と春斗と潤平(仲野太賀)の仲違いが描かれる。メインの目線は瞬太と潤平で、1話の内容の裏話のようなストーリーだ。春斗がコンビ結成を提案した感動のシーンでは、潤平がテーブルの下で奈津美(芳根京子)と下心あふれるラインをしていた。
瞬太は、ひょうひょうとマクベス入りを決めたように見えたのに、自分の人生をかける大きな決意を持っていたなんて全く想像していなかった。

自分が潤平にとって「1番面白い男」じゃなかったと知った春斗が「俺ピエロじゃねーか!」とブチギレていたが、まさにその通り。1話で完結したかに見えたストーリーの意味が全てひっくり返った。少し広く視点を広げると、1話自体が全て前フリになっているような構造だ。これだけ緻密なストーリーと、なのに「よくできてるっしょ?」というドヤ感がない演出。そんなの面白いに決まってる。

空白の時間、浅香航大の再登場はある

こうなってくると空白の時間が楽しみになってくる。瞬太の自殺未遂時はほぼしゃべったことなかったっぽいが、学園祭の時にはだいぶ3人組感が出ていた。その間にも潤平は奈津美にフラレまくっているわけで、どのタイミングでどういう理由で奈津美がバスケ部の小林(浅香航大)と別れたのかもわからない。

この先、奈津美(芳根京子)目線の青春時代が描かれるかはわからないが、その時はまた、マクベス結成秘話の意味がひっくり返りそうで楽しみだ。
また、結婚式の招待状を送ってきたことを考えると、小林は奈津美に若干の未練があるよう。高そうな車に乗りながら、マクベスの10年を小馬鹿にする若手起業家としての再登場もありそうだ。

「上等だよ。テメーより有名になってやるよ!」
そんなタンカを切る潤平が見たい。

里穂子のオタク気質の原因が明らかに?

里穂子(有村架純)のちょい暗なオタク気質が物語を展開させた。プロゲーマー時代の瞬太のインタビューを読み漁っていたことが自殺の心配に発展し、誰も知らない潤平のブログを発見していたことで、春斗と潤平の仲違いを止めることができた。瞬太には「それはさすがに気持ち悪いね」とツッコまれており、笑いどころとしてもストーリーを進める上でも重要なカギとなっていた。

今のところはただの面白に見える里穂子のストーカーキャラ。だが、今夜放送の第3話では、会社を辞めて廃人寸前になっていた過去が明かされる。これまでのオタク気質な行動のニュアンスが、全てひっくり返るかもしれない。

企画、動画制作、ブサヘア、ライターなど活動はいろいろ。 趣味はいろいろあるけれど、子育てが一番面白い。
フリーイラストレーター。ドラマ・バラエティなどテレビ番組のイラストレビューの他、和文化に関する記事制作・編集も行う。趣味はお笑いライブに行くこと(年間100本ほど)。金沢市出身、東京在住。
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