『コントが始まる』9話。最終回に向けて大事になってきそうな7つの伏線

『コントが始まる』8話。解散が決まっている、春斗(菅田将暉)、瞬太(神木隆之介)、潤平(仲野太賀)からなる、お笑いトリオ「マクベス」。いよいよ最終回を迎えるにあたり、このドラマで大事になってくる、まだ回収されていない7つの伏線や布石をまとめました。

夢やぶれることは人生において負けなのか、そんなことが命題にもなった「コントが始まる」9話。
しかし、明確な答えは出さずに、共感と新しい考えを提供するのがこのドラマの魅力。特に大きな挫折を経験した人にとっては、考えさせられる内容だったのではないだろうか。

もちろん、ささいな伏線をさりげなく、時にくっきり鮮やかに回収する構成も魅力となっている。最終回に向けて回収されそうな伏線と、春斗の進路なんかも考えてみる。

すでにマネージャーメンタルなつむぎ

里穂子(有村架純)の就職を祝うため、マクベス結成の中華料理屋ポンペイを訪れた春斗(菅田将暉)、潤平(仲野太賀)、瞬太(神木隆之介)、つむぎ(古川琴音)、そして里穂子の5人。しかしそこで、瞬太から「解散したら世界をまたにかける冒険王に俺はなる」という驚きの発言が飛び出す。

バイト先の居酒屋で正社員登用という安全な道があったにもかかわらず、世界一人旅。一同は言葉をなくすが、瞬太らしいと言えば瞬太らしい。それぞれが必死で進路を探す中、この人だけは、これこれこういう理由があってこんな進路を選びました、という理屈がない方が似合ったりもする。

付き合いたてのつむぎからの「寂しくないって言ったら嘘になりますけど、この人がこの人らしく生きられないのが1番寂しいので」という言葉も彼女っぽい。すでにマネージャーとしてのメンタルが確立している。

1番のお調子者が1番真面目だった

潤平は、奈津美と結婚するにあたって2人の人物に会いに行く。1人は、奈津美の元カレ・勇馬(浅香航大)だ。勇馬との溝を埋める作業は自分なりのケジメであり、自分のせいで勇馬と距離ができてしまった春斗への償いでもあった。1番のお調子者である潤平、そんな奴が1番真面目だったりする。

2人目は、奈津美の父(でんでん)。冒頭のコントのテーマは「結婚の挨拶」だった、本日のメインとも言えるシーンだ。挨拶をプロレスの試合に見立てたコント同様、父はゴングのようにガンガン仏壇の鐘を鳴らす。「娘まで奪うつもりですか?」と愚痴を叫び、頑固のような、ただ駄々をこねているだけのような態度を見せる。しかし、潤平の真摯な態度に心を許すことに。真面目に芸人に取り組んできた潤平が、真面目に酒屋の後継ぎ、そして真面目に奈津美の夫になろうとしている。

解散は、負けなのか?

唯一進路の決まっていない春斗は、元引きこもりの兄・俊春(毎熊克哉)と喫茶店で会うことに。マルチにハマるも、唯一見捨てないでくれた友人の父親の会社に就職した俊春は、「友達が垂らしてくれた糸を一生懸命登ることしか考えてない」と働く意味を語る。

もしかしたら春斗は、俊春のように友人が差し伸べてくれた救いの手をきっかけに再就職するのかもしれない。そうだとしたら、その友人は会社を経営する勇馬しかいないだろう。プライドの高い春斗が、一度差し伸べてくれた手を振り払ってしまった勇馬の元で働けたとしたら、それは一つの成長と言える。

春斗は、瞬太と共に高校時代の恩師である真壁の自宅BBQパーティに招かれる。そこには、2人が出産に立ち会った真壁の息子・太一(伊藤駿太)がいた。マクベスというユニットと同い年の10歳の少年だ。太一は、解散する2人に「夢って追いかけない方がいい?」「失敗したあと大変そうだな~と思って」と尋ねる。この質問は、ある意味このドラマのメインテーマとも言える。

「失敗したわけじゃない。時間切れだよ」「失敗したってことが負けたってことじゃない」と揃う春斗と瞬太だが、太一がいなくなると、少しだけ食い違いを見せる。春斗は、「そうか、俺たちは負けたのか」と受け止めたのに対して、瞬太は「俺は勝ってると思ってる」と胸を張った。

瞬太はマクベスを続けたことで良い人間関係を築いたことに喜びを感じ、それを人生における勝利と考えていたのだ。だが、春斗は頷きつつも「別の競技な気がする」と納得の行かない表情を見せた。

例え売れたからと言って幸せになるとは限らない。反対に、売れなかったからと言って不幸になるとも限らない。瞬太の言う人間関係の話はもっともだが、春斗のように、それはそれ負けは負け、という考えもわからなくもない。きっと答えが出るのは何年も後のことで、その時に後悔したかどうかなのだろう。これからどうするかによって過去の価値は変わるのだ。

この日の夜、春斗は「お前らと冒険できてよかったよ。一生の思い出が出来たわ」と語っていた。春斗は、負けの悔しさを噛み締めながら、ちゃんとその経験を生かす準備ができているのではないだろうか。

最終回直前!気になる7つの伏線まとめ

いよいよ本日をもって最終回を迎える「コントが始まる」。まだまだ回収されていない伏線や布石はたくさんあるので、気になっている部分をいくつか紹介したい。

1・サッカーと時間切れと赤いストップウォッチ

春斗が真壁先生の子供・太一に向かって言った「時間切れ」という言葉。夢の終わりを示しているが、サッカーにはロスタイムというものがある。解散後も、ロスタイムとしてお笑いに再挑戦する可能性を示唆しているようにも取れる。その時は、里穂子がつむぎにプレゼントした赤いストップウォッチが関係してきそうだ。

2・瞬太の車

7話で売ってしまったマクベスの活動を支えた瞬太の車。これだけ最終回に向けて重要人物が再集合しているのに、あの車が登場しないとは思えない。街で偶然見かけるのか、それと里穂子あたりが購入するのか。

3・兄・俊春の印刷会社

俊春の再就職先は、老舗の印刷会社。てっきりマクベスのラストライブのチラシを作るのかと思ったが、それはすでに出来上がっている。春斗の再出発に必要となる何かに関わってきそうだ。もしかしたら、ピン芸人としての第一弾ライブのチラシを作るかもしれない。

4・顔掴む

マルチに嵌っていた時代に精神的に追い詰められ、春斗の顔を掴んでしまった俊春。今話で「やり返してくれ」と言っていたが、春斗は、「後で掴む」と冗談めかしている。最終回では、何かしらポジティブな意味合いで顔を掴みそうな気がする。

5・カルロス

メイクシラーズの恩田店長(明日海りお)の思い出話にたびたび登場するカルロス。このまま放っておかれるのはちょっと不自然だ。恩田はカルロスと世界各地を旅していることから、エピローグで冒険王を目指す瞬太が世界のどこかでカルロスと知り合いそうだ。

6・行ってらっしゃい

メイクシラーズで最後のネタ作りを終えたマクベスに、里穂子が言ったのが「ありがとうございました」ではなく、「行ってらっしゃい」だった。ラストライブがんばれという意味なのか、それともまた戻ってくる気がしての言葉なのか。マクベス3人の解散撤回はないと思うが、やっぱり春斗だけはお笑いを辞めない気もする。

7・1~9話で演じた全てのコント

ラストライブでマクベスは、1~9話までに登場したコントを演じる。1話のメロンソーダ、2話の屋上など、これまでのコントを伏線に最終話のストーリーは展開されるのではないだろうか。

ホームページによると、「このドラマならでは」のラストを迎えるらしい。最後に披露する新作コント「引っ越し」も気になる。心して鑑賞したい。

 

企画、動画制作、ブサヘア、ライターなど活動はいろいろ。 趣味はいろいろあるけれど、子育てが一番面白い。
フリーイラストレーター。ドラマ・バラエティなどテレビ番組のイラストレビューの他、和文化に関する記事制作・編集も行う。趣味はお笑いライブに行くこと(年間100本ほど)。金沢市出身、東京在住。
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