【真船佳奈】#6 タイに行ったら虫を食おう【ぼっち旅】
●最高に楽しいぼっち旅をしよう!灼熱のタイ編
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この連載が始まってから実にいろんなものを食ってきた。
NYではインスタ映えどでかスイーツを食いまくり、台湾では「多分体にいいやつ」を食いまくってきた。
今回訪れたのは美食の地・タイランド。美味しいタイカレーや、大好物のカオソーイにトムヤムクン…美味しいものが目白押しだ。取材と銘打って死ぬほど食いまくろうかと思っていたが、きっとこの「世界一参考にならない旅行記」を読んでくれる奇特な読者さんはそれを求めていない。
「このお店のカオソーイ、こってりとしたスープにパリパリの麺のコンビネーションがたまりません!」とか書いても喜んでくれない。
「そうだ、虫を食おう。虫ならみんな喜んでくれよう」と思いたった。体当たり系ユーチューバーの発想である。
――というわけで、やってきました。バンコクから車で20分ほど、世界一おしゃれに虫が食べられると噂のレストラン「Insects in the Backyard」。
なんだよ、おしゃれに虫を食べられるって。
「わ~い★スタバだ♪フラペチーノ飲みいこ〜」って入っていってしまいそうな店構え。
よく見て!足!昆虫の足が生えてっから!
店内もモダンアートな感じでオシャレ。
ここまで来てもなお「フラペチーノください」って言ってしまいそうな雰囲気。「フラペチーノは置いてなくて…コオロギならございます」って言われても「じゃあそれで」ってなるわ。雰囲気に流されてしまう、人間とは弱い生き物よ…
テラス席なんかもいい雰囲気。
こんな所にデートに連れてこられて、彼氏が「ココ行きつけでさ、まじで美味いんだよ」なんて言いながらカマキリを頭からバリボリ食ってたらいろんな感情がごちゃまぜになって「この場で抱いてくれえええ!」っていってしまいそう。
席に通されてすぐに2種類のメニューを渡される。
「虫メニュー」か「普通のメニュー」である。
雰囲気に流されてホテルに入ったはいいが、いざ踏ん切りがつかない時にトランプだけして帰るみたいな選択肢が残されているのである。
私はもちろん、虫メニューをチョイス。
ミンナノコトスキダカラ、ワタシ、ムシ、タベルヨ…
写真入りメニューを開いてみてびっくり、見た目は”虫感”が全くない。
もっと「コオロギの燻製」とか「芋虫の素焼き」とか中世の民間療法みたいな料理を想像していたのに、一見虫入りとは全くわからない。
さすが世界一おしゃれに虫を食べられるレストラン…!そしてお値段も高い。
虫の原価とか考えたこともないけど、結構するんだろう。
まずはオリジナルカクテルを注文。「全然虫が入ってる感じしない!すごい〜!美味しい!」と絶賛してゴクゴク飲んでいたら、本当に虫が入っていなかった。絶対に許さない。
そうこうしている間に運ばれてきた一品目…「いろんな虫のサルサチップ風」(※日本語訳は適当です)
えー!私の普段の料理より全然うまそう!
こちらの料理には、アリ、芋虫、コオロギなど7種類の虫がたっぷりと含まれている。たくさんの虫を一皿で補給できる、忙しい朝にもってこいのスピードチャージ飯。
わーん、よくみたら全然フラペチーノじゃないよお!圧倒的虫だよお!
もう一品はこちら。揚げた芋虫がたっぷり乗ったジェノベーゼ。
なぜ乗せた。
恐る恐る、いただきます。
……
うまーーーーーーーーーー!!!!
(アヒル口やめろ)
サルサ風の方は、サクッと揚がった虫と、フレッシュなトマト、まろやかなチーズがあいまってめちゃくちゃ美味。パリパリのトルテーヤチップスと、虫の様々な感触が楽しい。
思ったよりも羽虫の味がなく、芋虫系は少し草の匂いがしてミルキーな感じがする。
チップスにお好みの虫をたっぷり乗せて、召し上がれ!
パスタの方はちょっとフィットチーネ麺が柔らかめだったのが残念。虫は外はサクサク、中はクリーミーに仕上がっており、大変美味しい。
お次はいよいよメイン!いやっほーーーーーーい!
もうこの「真船が皿持ってキメ顔してる写真いらないよ」という意見はわかってる、わかってるんだよ…!
フォアグラの上に、たっぷりかけたミルワームが印象的な一皿。
「なんで俺が…こんな…」とフォアグラの叫びが聞こえてくる。
この店ではどんな高級珍味より虫が主役。食物連鎖のヒエラルキー完全無視。虫だけに。
パクリ。
ポロリ。この部分だけ見るとミルワームを捕食するモンスターみたいに見える。不思議。
うまーーーー!当たり前なんだけどフォアグラがうめえ!
虫はもういい、フォアグラがやっぱりうめえ!
さて、デザートは2種類頼んでしまった。
「真船とデートなう」に使っていいよ。使わねえだろうけど。
1種類目はこちら!ガトーショコラ!ふう〜〜↑↑アゲアゲ↑
よく見るとなんか乗ってるう!ぜひ「たわしコロッケ」「財布ステーキ」に次ぐ”昼ドラ恐怖グルメ”に使って欲しい。
こちら言わずもがな、コオロギが乗ってるんですわ。
コオロギ供養!
……
うん、ガトーショコラ食いながら虫を食ってる感じですな。
もう一品目は、チーズケーキの上にナッツと見せかけて芋虫がゴロゴロ乗っている狂気のスイーツ!流行れ!流行れ!タピオカ女子に届け!
彼氏が浮気したらこれ作って、この笑顔で待機することに決めた。
「あなたのために…心を込めて作ったんだよ…(暗黒微笑)」
これは完全にダメだった。チーズケーキの匂いと、虫の草っぽさが合わず、二日酔いの日の口の中みたいな味になってしまった。
一応載せておくが、完食した。
お店のお兄さんと写真を撮っていただいたが、お兄さんにだけスポットライトが当たってて盛れてる。裏山〜
そんなわけで「かねがねオシャレに虫を食いたいと思っていたんだよね」という皆さまはぜひ行ってみて欲しい。
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