最高に楽しいぼっち旅をしよう!灼熱のタイ編

【真船佳奈】#12 美容大国タイで最新…?脱毛をして泣いた話【ぼっち旅】

現役テレビ局員の真船佳奈さんによる「ぼっち旅・灼熱のタイ編」。今回は、美容大国・タイでしか味わえない秘伝(?)の脱毛法にチャレンジ。ツルツル肌を手に入れようと意気揚々と挑んだ真船さんですが、そこには思わぬ試練が……。

●最高に楽しいぼっち旅をしよう!灼熱のタイ編

突然ですが皆さん、ヒゲ、生えてます?
私はね、めっちゃ生えてる。
あれってなんで生えてくんの?「毛はその部位を防護するために生えてくる(キリッ)」って言われても納得いかない。ヒゲは何を守ってんの?私の中性的なキャラを守ってくれてんの?

最近彼氏と一緒に暮らし始めたワイは、最初のうちはこっそりと脇毛用カミソリでソーリーソーリーヒゲソーリってやってたわけですわ。しおらし〜!ノーベル髭剃り平和賞くれよ。

でもあいつら剃っても剃ってもすぐ生えてきて、それどころか日に日に濃くなってきやがる。ど根性魂出してんじゃないよ。
かといって永久脱毛って高いので、10万くらいの家庭用脱毛器買ったけど…めんどくさすぎてやらねえ〜!しかもびくともしね〜!即格安で先輩に売りつけたわ。

そんなこんなで最近は完全に開き直り、彼氏に「ヒゲ生えてるよ」と言われても「うるせえ!仕事で生やしてんだよ!」という謎の逆ギレをかまし、顔のムダ毛を1カ月間剃らなかった。

「仕事でヒゲ伸ばしてんだよ」という俳優の役作りみたいな言い訳で体毛を剃らなかった1カ月間

それもこれも、美容大国で知られるタイには「レーザーでもない、ワックスでもない最新かつ古典的な脱毛方法がある」と聞いたから。

さて、生まれたてのアザラシみたいな口元してやってきたのはバンコクの中華街・ヤワラート。
その脱毛術はお店ではなく露店でやっているらしい、という情報以外何も知らないまま炎天下の中歩くこと15分。

それらしき看板を出しているお店を発見!
こういう引きだけは強い真船、あっという間に店舗を突き止めた。
犬も歩けば棒に当たるし真船も歩けば脱毛露店にぶち当たっちゃうわけだよ。

早速どこまでが店なのか、誰が店員なのか、何もかも曖昧な敷地内に足を踏み込み、脱毛スタート!

早速、独特な布を巻きつけられ、ヘアバンドで前髪をたくし上げてもらう。
「これナンボ?ナンボなん、あんちゃん!勉強して〜や〜」とか言いそうなルックスに!
足元にはこれまた客なのか店員なのか曖昧な猫が寝そべっている。
何が始まるかドキドキしている私の顔に浴びせられたのは、大量のベビーパウダー。

「トンカツか何かと間違えられてるんじゃ……」ってレベルの量の粉を叩かれる。打ち粉である。

顔に粉をまぶされまくって、雪見だいふく状態になった私がこちらです。もしかしてここは、“注文の多い料理店”……?

さて、続いておばちゃんが満面の笑みで持ってきたのは、最新の脱毛機器!

持ってきたっつーか、口から垂れてる。
そう、これこそが今回の脱毛機器「糸」です。糸……!?

原理はこう、2本の糸をこよらせながら肌の上を滑らせ、糸と糸の間に毛を挟み込んで毛根から引き抜くという、めっちゃ原始的な方法。

お肌にダメージを与えず、安価に顔中の毛を根絶できるという方法だという。

早速やっていただこう!

いざスタート。おばちゃんが右手に糸を絡ませ、口からもう一本の糸を出して肌の上を滑らせていく。

い……

いってええええええ!痛い痛い助けてええええええ!
店内に私の絶叫と毛を抜く「ぶちぶち音」が響き渡る。

さっきまであんなに笑ってたおばちゃんが他人のような顔してら……

確かにすごい音がしているので大量のうぶ毛が抜けているのはわかるのだが、毛根からまっすぐ抜くというよりは糸に巻き込まれて無理やり抜かれているのでめちゃくちゃ痛い。

イメージでいうとこんな感じ。毛が生えている方向を無視して様々な方向に引き抜かれるのでめっちゃ痛い。

あらためて写真を見てみると、おばちゃんに捕食されているような絵面になっていて面白い。

熟練の腰使いでスムーズにおでこ・頰・ひげ・あごひげを抜いていくおばちゃん。
周りにも施術されている人が何人かいたのだが、皆涼しい顔をしていて(この人たちの毛穴虐待されすぎておかしくなっちゃったんじゃ…)と心配してしまう。

一方私の毛穴は予測できない体毛の喪失に完全にパニック状態。
私自身も痛みのあまり男梅みたいな顔になっている。

男梅「日本に帰りたいよお……」

さて、毛を一通り抜き終わった後は、急に優しい手つきで謎のクリームを小鼻・顎・頰に塗られる。もうまな板の上の豚ロース状態……好きにしてぇ

その上に紙を乗せられる。もうなんとなく、次に起こることが予想できる私は優秀な豚ロース

べりべりべり〜ッ(^0^)ノ
いってええええええええええええええ!

もう目に涙を堪えて可哀想さと苦笑いの間に生きてる感すごいが、おもむろにおばちゃんから獲れた角栓を見せてもらうと……

しゅ、しゅごいっ!角栓が剣山みたいになってるうー!クッソ汚い!

テンションが上がって「お母さん何吉だった〜?私は凶だった(><)」とおみくじを見せ合う仲の良い親子のごとく紙に付着した角栓チェックをする。

ほっぺもこんなに角栓が生えていたとは……「知らない角栓と知らず知らずのうちに生活していた」って、ホラーやんけ。

産毛も角栓も無くなった肌を触って驚き!
ツルツル……!あんなに私を苦しめていたヒゲが…もういないんだ……!
そう思うとちょっと寂しいなあ、と感慨にふけっていると

まさかの第2回戦が始まった。
30分ほどで全ての施術が終了!

どうです?この輝き!(そうでもない)

ビフォーが完全に中性的なおっさんの悪戯な唇だったのに対し、アフターがこちら。

ヒゲがないって素晴らしいし、角栓を取ったことにより頰のハリも全然違う!
それにしても私のビフォーの写真、汚すぎない?
月面着陸証拠写真かってレベルのクレーターあるんだけど大丈夫?

しかし無理やり毛を抜いたので、早速ブツブツができている箇所も。

(こっち見んな)
これだけやってもらって600円程度という超低価格なので、ぜひお試しを!
私は多分二度とやらない!

テレビ東京社員(現在BSテレ東 編成部出向中)。AD時代の経験談を『オンエアできない! 女ADまふねこ(23)、テレビ番組作ってます』(朝日新聞出版)にまとめ、2017年に漫画家デビュー。ツイッターアカウントは@mafune_kana
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