【真船佳奈】#8 動物に嫌われすぎる私が虎さんにモッフモフにされたお話【ぼっち旅】
●最高に楽しいぼっち旅をしよう!灼熱のタイ編
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私は動物が大好きだ。
猫カフェには勿論、カワウソカフェにも行くし、子グマ抱っこイベントの列にも並ぶ。
もふもふの毛皮を撫でながらつぶらな瞳を見つめているだけで、自分の中に眠っていた母性本能が爆発するのを感じる。
ところが、想いとは裏腹にめちゃくちゃ動物に嫌われる。
「私は前世で子猫をいじめて鬱憤を晴らすような小物だったんじゃ…」ってレベルで猫たちに避けられる。
猫カフェのお姉さんに「おやつをあげたら近づいてくるかもしれません」と勧められ、鼻くそみたいな大きさの餌3粒を百円で購入し、手のひらに乗せてみたこともあった。秒で餌だけ奪われてそっぽを向かれた。
アイドル握手会で搾取された上に塩対応され、しょぼくれるおっさんみたいな背中で猫カフェを去るのが常だ。
珍しく動物が私のまたぐらに潜ってペロペロと戯れてくることがあり、「なんだ動物に好かれてるじゃん!」と思ったがその後ググったら動物は臭いものに興味を示すと書いてあって絶望したこともある。どうも動物たちに(またぐらも含め)舐められているのだ。
人生100年時代、順調にいけばあと70年くらい生きられる。できることなら大好きな動物たちと打ち解けて幸せな余生を送りたい。暖炉のそばでマフラーを編みながら、毛糸にじゃれついてくる子猫に「こらこらミケちゃん、ダメでしょ」とか言っちゃう人生後半生でありたい。
そのためには、猫にナメられていたらあかん。
ネコ科の中で最強のトラを手懐けて、主従関係をはっきりさせようじゃないの。
というわけでわざわざバンコクから移動して、バスに揺られること3時間。
ビーチリゾートとして名高いパタヤにある、世にも珍しいトラ専門ふれあい施設「パタヤタイガーパーク 」までやってきた。
なんとここは、猛獣のトラさんを撫でたり一緒に遊んだりできるという夢の施設!本当かな〜屏風に書いてあるトラを触るとか一休さんのとんち的な事じゃないのかな〜という斜め上の疑いを持ちながらいざ施設へ。
施設内には大中小様々な大きさのトラさんがおり、どの種類と戯れるかによって値段が変わってくる。プロカメラマンによる撮影が料金に含まれているので、私のようにぼっちで訪れても安心!
自撮りをしなくても素敵な写真を撮ってもらえる。
私は勿論大中小全てのトラと触れられる最高級のチケットを購入。日本に帰って猫にドヤ顔するときに「え…トラの赤ちゃんとしか戯れてない人と仲良くできないんですけど(笑)」とナメられたくないからね。
ちなみに当日私が着て行ったTシャツがこちら。
胸にトラの絵と「カモン!」の文字が書いてあるおしゃれTシャツ。
案内するスタッフも(やべえトラマニアが一人で乗り込んで来た…)みたいな顔してるけど気にしない。
入場してすぐ手を洗い、一番先に案内されたのが…
まだ生後間もないトラの赤ちゃんゾーン!!
ほぼ猫ちゃん!もふもふで激かわ〜〜〜〜〜〜〜〜!
とはいえ相手はトラ。気を抜いた瞬間に松島トモ子さん状態になる可能性もある。オロオロしていると、スタッフさんが「撫でてごらん」と言ってきたので(お前、その言葉の責任を取るんだろうな…?)と脳内責任転嫁ののち、触ってみた。
え…?もしかして、タンポポの綿毛さんですか…?
一生撫でていたいもふもふ加減。毛並みもツヤツヤ。
そして驚くことに、全く臭くない。
動物園のトラって、(ちょっと肉食い過ぎたかな)って時のトイレの後みたいな匂いがすることもあるんですが、ここのトラさんは無臭。
スタッフは続いて「横に寝ちゃいなよ」と言ってきた。
なにこの、「撮影会って聞いてたのに段々脱がされちゃうタイプのAV」みたいな展開…!
触り放題!!おっパブならぬトラッパブ!
動物園では絶対に触ることのできない肉球や尻尾も堪能させていただきました。
ちなみにトラの方は我関せずといった感じで、あくびをしたり、歩き回ったりリラックスしていました。
この日はとても空いており、スタッフ4人対私という圧倒的アウェイ状態。4人に「トラ戯れ」状態をじっとみられているという状況に耐えられず、早々次のコーナーへ。
続いては、スモール。
子供くらいのトラちゃんです。聞けば水浴び中だそう。(子供用プールでチャプチャプしてんのかな〜^^)と思いきや、
全然巨大プールでどぷどぷしてた。
触り方もめちゃくちゃおっかなびっくりになります。
やっぱ人間、強いものに巻かれちゃうよね。
お分かりの通り、トラは「赤ちゃん」から急速にでかくなるようで、その後「ミディアム」と「アダルト」を堪能したが、正直全部でかすぎて写真を見返してもどれがどれだかわからなかったので割愛する。スタバのサイズより分かりづらい。
大中小様々なトラさんに戯れていくうちに私も段々と慣れてきて、
腹を撫でながら「ここがいいのかい…?ここ気持ちいいのかい?」と囁くセクハラクソジジイみたいな表情になっていった。
というわけでトラさんを堪能し「これで日本に帰っても絶対に動物にナメられないぞ。なんてったってあのトラを手懐けたんだからな」と意気揚々だった私だが、その日の夜、野犬に追いかけ回されて泣いたことを報告して終わろうと思う。
命からがらコンビニに避難したが、入り口で野犬に待ち伏せされるというナメられっぷりだった。
日本時間にして5月1日の深夜0時。つまり私は、平成の間動物にナメられまくり、令和最初の瞬間もやっぱり動物にナメられまくって迎えたのであった。
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