最高に楽しいぼっち旅をしよう!灼熱のタイ編

【真船佳奈】#7 クセ強すぎィ!タイ通も唸る激ヤバ店を紹介する【ぼっち旅】

現役テレビ局員の真船佳奈さんによるNY、台湾に続く「ぼっち旅」の第3弾は、灼熱の地・タイへの訪問記。前回に引き続き、今回のテーマも「食」。タイでしか味わえそうもない、ぶっ飛んだ趣向の2軒のレストランをご紹介します!!

●最高に楽しいぼっち旅をしよう!灼熱のタイ編

タイと言えば何度でも言うが美食の地。日本にはタイのレストランを熟知している「タイ通」も多くいる。
「スクンビットの近くのあそこのタイカレーが絶品でさあ、5万回は行ったよね」とか言われるとスゲーかっこよくてうらやましい。

タイは2回目のど初心者の真船も通っぽく見えるレストランを見つけたい!
虫をおしゃれに食えるレストランじゃなくて、なんかこう、もっと「あそこの通りにある店でさ、とっておきの体験ができるんだよね」とドヤ顔で言える、オンリーワンなレストランを探したい!(虫も相当オンリーワンだけど)

ということで、最高に旬でオンリーワンなレストラン2件に行ってきたのでそのレポートをしようと思う。

〈1軒目・おしゃれすぎる飛行機レストラン・Na-Oh bangkok〉

まずご紹介する1軒目は、なんと飛行機がレストランになっちまったっつーエンタメ感あふれるお店「Na-Oh bangkok」。

実際の飛行機の搭乗席を使ったおしゃれテラス席。店員のお姉さんたちもみんなコムデギャルソンみたいな黒づくめの服着ていて可愛い。(コムデギャルソンよく知らないけど)

古いエレベータに乗ってレストラン階に上がる。
搭乗券のチェックはされない。

飛行機の搭乗口風の入り口から入ると…

じんましんが出るくらいおしゃれ空間が広がっているのだ。
一生懸命おしゃれっぽいポーズを撮る私。キンタマみたいな顔して。

気軽な気持ちで入ってしまったが、昔ゴミ袋みたいな服を着ておしゃれクラブに入ってしまった時のような気持ちになった。あの時は震えながら漫画喫茶に避難して、一睡もできずに夜を明かしたんだったよなあ…

今まで「ビジネスクラスに乗りたいよーーー!」と泣き叫んで借金して乗ってたけど、全然こっちのがラグジュアリー!何だったんだ今までの借金は!

太りすぎて魔女の宅急便のおソノさんみたいな風格出てきたな。

急におしゃれな世界に迷い込むと、人間はこのようなひきつった笑顔しかできなくなる。

億万長者の家の湯船みたいなカクテル出てきた。

そんなわけでとっても楽しいレストランなのでぜひ行ってみてほしい。

慣れないおしゃれな空間にいて頭がおかしくなってしまったのか、空中に浮かぶ謎の煙も見えた。慣れないことをしてまた目が腫れるといけないので早々におしゃれタウンを後にした。

〈2軒目・筋肉隆々の男性たちが下着姿で踊り狂う異色の貝料理〉

さて、場所は変わり、こちらはHUAMUMマーケットと呼ばれる夜市的なところ。

時刻は20時、もうすっかり日も暮れているが若い男女や家族連れで賑わっている。こんな平和な場所に一軒、異色な海鮮料理があるというので行ってみた。

とはいえ、様々な店が密集するこの巨大なマーケットでそんなお店を見つけられるのか?

一瞬で見つかった。

こちらのお店は筋肉隆々、心は女性の男性たちが下着姿で接客をしてくれるというサービスが売りの海鮮料理屋だ。なんだそのニッチな層に向けたサービスは。

カメラのシャッタースピードが追い付かないほどの高速で男性が腰を振っている

ところがそんな謎のコンセプトのこちらのお店、観光客にも地元の若者にも大ウケらしい。

とりあえず入店してみた。さっきのおしゃれ空間ではこんな笑顔できなかったよ…私の肌に合ってる、この店は。

虫よりもビジュアル的な力が強いが、地元の新鮮な蒸し貝の盛り合わせをオーダー。

結構な大きさだが、お値段も手頃。いくらか忘れたけど2人で飲み食いしておそらく千円以下。ビールもこの大ビンで百円程度だった。おそるべし…

びっくりするほど普通に接客をしている下着姿の男性たちの違和感が凄まじい。

そしておもむろに始まるダンスショー。
ダンススペースなどは特にないので、狭い客席の間で皆思い思いにダンスする。

サービスなのか。「アフウウウン!アフウウウン!」と絶叫しながら腰をカクカク振りながら客席を回る。

高島屋の包み紙みたいな下着で筋肉隆々の肢体を包んだ男性が寄ってきた。マジで「アフンアフン」しかいわない。ボギャブラリー!
タイには数多くのニューハーフショーがあれど、こんなに「アフンアフン」しかいわないショーはなかなかみられないだろう。

急に椅子を持ち上げて絶叫する店員。

曲に合わせて物欲しそうな顔をするだけの店員。「ショー」とは何かを考えさせられる演出である

そして店内に急に「ドラえ●ん」の曲が鳴り響き、たくさんの男性たちが私の周りに集まって、「アンアンアン!」の大合唱をしてくれた。

どうやら客の国籍によって、その国の有名な曲をかけてサービスしてくれる仕組みらしい。居酒屋でおもむろにハッピーバースデーが流れて、バースデーケーキが運ばれてくる、「気づいてたから全然サプライズじゃないけど喜ばなきゃいけないアレ」よりよっぽど嬉しい。

みんないい笑顔で働いている。このお店、何が素晴らしいかというとチップ禁止で、単純に飲食料金だけでこのショーを楽しめるところ。

あんなにアフンアフン言ってただけの男性たちがチップを渡している瞬間「あ、そういうの受け取れないんで」って急に凛々しく言ってたのかなり萌えた。

お客さんもみんな笑顔で、めちゃくちゃ優良店だった。

最後に記念写真も撮っていただき、とっても楽しかった。
天国かと思った。

地獄寺、アウト寺、ドラえ●ん寺、そしてこの癖の強すぎる3店舗に行った怒涛の1日。やろうと思えば真似できるスケジュールだけど、見たことない種類の悪夢をみたから全然オススメしない。

テレビ東京社員(現在BSテレ東 編成部出向中)。AD時代の経験談を『オンエアできない! 女ADまふねこ(23)、テレビ番組作ってます』(朝日新聞出版)にまとめ、2017年に漫画家デビュー。ツイッターアカウントは@mafune_kana
最高に楽しいぼっち旅をしよう!タイ編