編集部コラム

はじめての箱根駅伝取材 選手とともに駆け抜けた2日間!

東海大学の初優勝!という、大盛り上がりの結果で終わった第95回箱根駅伝。編集部員藤井は、きょうだいサイト「4years.」の取材でメディアの中の人として箱根駅伝に参戦してきました。ガチのカメラマンにも挑戦した、はじめての箱根駅伝取材の体験記をお送りします。

●編集部コラム

どこで取材するべきなんだ

telling,のきょうだいサイト、「4years.」の編集部のコアメンバーはわずか5人。箱根駅伝のコースは往復217.1km!まずどこに誰を配置するかの作戦会議を行いました。結果、私は往路(2日)はスタートから小田原中継所へ。復路(3日)は鶴見中継所からゴールへ。ということになりました。基本ミッションは写真撮影。望遠レンズをつけた一眼レフカメラと、近くを撮影する用のミラーレス、そしてPC、携帯の予備バッテリー、Wi-Fi、コード、箱根駅伝ガイドブック、資料もろもろを持ち歩くことに。装備が重すぎる……。

撮影ポイントにあたりをつけます(『あまりに細かすぎる箱根駅伝ガイド!2019』EKIDEN NEWS著〈ぴあMOOK〉より)

箱根駅伝のスタートは朝8時ですが、スタート地点には報道用のエリアがありません。ということは、どこかしら良いポイントを見つけて陣取らなければいけない。まずは、朝6時に行って場所取りから始めることにしました。

あまりの人の多さにびっくり

12日朝67分、大手町駅着。駅の中にはすでに人がウロウロと歩いていました。外に出ると、さらにたくさんの人がいて驚き。一体何時からいるんだ? 目星をつけていた、スタートから直線で見える場所にいくと、すでに複数のカメラマンが……。なんとか2列めを確保し、ただ待ちます。

まだ夜もあけてないのに、この人の多さ……わかります?(朝6時37分撮影)

朝の気温、たぶん4度ぐらい。そして一人が立つだけのスペースで、2時間弱ずっと待ちます。正直飽きてくる。そして足先から冷えてくる。Twitterで情報収集したり、陸上好き友達とLINEしたりしながら時間が経つのを待ちます。

選手が出てきたらやっと活動タイム。アップする選手を写真におさめたりしていたら、いつの間にか8時に。選手が走り出した!角を曲がった!この間10秒ほど!本当に一瞬で終わりました。

なんとか撮れました。しかし観衆の多いこと!

ダッシュで移動、駆け込み乗車ごめんなさい

撮り終わったらダッシュで次のポイントに移動します。大手町から東京駅まで1駅だけ丸ノ内線に乗車。東京駅についたら東海道線が遅れている表示!うわ、と思ってホームに向かうと、いままさに発車ベル。普段絶対やりませんが、ダッシュで駆け込み乗車して電車にすべりこみました。座って作業したかったのでグリーン車に乗りましたが、車内で買うとめちゃくちゃ高い…。(事前に買うと780円、車内で買うと1040円!)でも背に腹は変えられぬ。スタートの写真をPCに取り込み、編集長に送って、カメラのチェックをしていたら、あっという間に小田原に到着。そこから箱根登山鉄道で2駅、風祭駅が4区・5区の中継点となる小田原中継所の最寄り駅です。

ちなみに風祭駅はかまぼこの「鈴廣」と直結しています(写真左の建物)

選手がやってくるのは12時過ぎですが、私が到着した10時前にはすでに沿道にたくさんの人、人、人。みんな何時からいるの……(2回め)改めて箱根駅伝の人気を思い知ります。

緊張の一瞬、無心になる

今年からなんと、日テレの箱根駅伝特集サイトでは、テレビと全く同じ映像が見られるように。待ち時間はずっと映像を見て、レースの動向をチェックします。3区で青山学院大学の森田選手が区間新記録を出し、1位に躍り出ると、「また今年も青学が勝つのか」という空気が報道陣の間にも漂います。ところが、4区で東洋大学、東海大学が前に。ざわざわ。俄然盛り上がってまいりました。

タスキ渡しのシーンは何度も何度もテレビで見たし、写真も見ていましたが、果たして自分がうまく撮れるのか。どこに選手が来るんだ。と思っていたら、タスキを受け取る選手が立ったので、そこにピントを合わせて一瞬を狙います。

無我夢中でシャッターを切り、うまく撮れたかも!と思っていたら次の選手が来て、カメラが重いからおろそうとしたらまた次の選手が来て、20分ぐらいはもはや無心の境地。この日会心の一枚がこちらです。

4区区間新記録を出した東洋大学の相澤晃選手、笑顔のタスキリレー!

撮れてよかったよ本当に……。

このあと小田原中継所付近は人が多すぎて、電波が悪く、仕事もできず、電車も入場規制で乗れないという詰んでる状態。やっと電車に乗った頃には、すでに東洋大学が芦ノ湖のゴールにたどりついていました。やれやれ。

天気が良くてよかった

シートを敷いて待っている人も……

2日目は鶴見中継所へ。こちらも、選手が来るのは12時過ぎだというのに10時前にこの賑わいです。ひたすら待つ。どうやら、東海大学がトップになったみたい。小田原中継所よりもカメラエリアが狭く、とにかく撮りづらい中、頑張って撮影しました。しかし、本当に晴れてよかった。雨だったらどうしてたんだろう?

東海大学、キャプテンの湊谷春紀選手からタスキを受け取るアンカーの郡司陽大選手

その後はダッシュでゴール地点、大手町へ。京急線に乗っていたらちょうどコースに沿って走っていて、選手を何人も電車で追い越しました。車内で座って作業していたら、前の人と隣の人に「もしかして駅伝の仕事なんですか?」と話しかけられたりなど。「すごい荷物ですね!」って3回も言われてしまいました。はい、重いです……。

目線いただきましたー!

ゴールもとにかくすごい人!人をかき分けかき分け、取材証を出してなんとかプレスルームのある読売新聞社本社ビルにたどり着き、記者会見を待ちます。初優勝した東海大学の選手たち、みんないい顔してる。7区を走った阪口選手、8区を走った小松選手がカメラを構えている私の方を見てくれ、目線をいただきました。ありがとうございます!

阪口竜平選手(左)と小松陽平選手。いい笑顔です!

記者会見のあとは囲み取材。今までだったらたくさんの報道陣に囲まれていた青山学院大学の選手のところには、記者は少しだけ。まあそうなんだけど、残酷だなあ……これが勝負の世界か……なんて思ってしまいました。いろんな選手の話を聞いて、記事をまとめて、写真を選んでいたら、いつの間にか夜に。長い長い2日間でしたが、終わってみればあっという間だったなあ、と思いました。

しかし体力的というより、「失敗できない!」という精神的なプレッシャーがあったのか、翌日4日は家から1歩も出ず、ゆっくりしているのに扁桃腺が腫れてきたり、おお……これが気が抜けるってことか……なんて思いました。

こんな機会をもらえたことに感謝、感謝。反省点もたくさん見つかったので、来年も取材できるならもっといろいろやってみたいな、あそこで撮影しようかな、なんて今から考えています。

朝日新聞バーティカルメディアの編集者。撮影、分析などにも携わるなんでも屋。横浜DeNAベイスターズファン。旅行が大好物で、日本縦断2回、世界一周2回経験あり。特に好きな場所は横浜、沖縄、ハワイ、軽井沢。
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