編集部コラム

1秒で美女になる方法が発見されました

お正月に見た映画の中でも一押しはこれ「アイ・フィール・プリティー! 人生最高のハプニング」。ちょっともう、人生観変わるくらい素っ晴らしい映画でした。

●編集部コラム

なんで映画を映画館でみなきゃいけないのか。
DVD出てからでよくない?金曜ロードショーでよくない?

その答えはというと、
「大スクリーンでぜひ見て欲しいの」
「観客と一緒に味わってほしいの」
っていうのに集約されるのかなと思っていました。

で、私はこの映画を映画館で見ることを勧めたい。
その理由は、とにかく、1日でも早く見てもらいたいから!!
そして、映画館を出たときに「新しい私こんにちは」体験をしてほしいから!!!!

なぜか初っ端から涙が止まらない

その映画は「アイ・フィール・プリティー! 人生最高のハプニング」。
映画の内容は、自分に自信のない女の子レネーが、事故で頭をぶつけ「自分がナイスバディの絶世の美女」だと錯覚してしまう。しかし、見た目は何一つ変わらないので、自信満々のレネーの態度に、まわりの女友達も戸惑いを隠せない。容姿に自信をもったレネーは、ぐいぐいナンパをしかけて彼氏をゲット。さらに、憧れの受付嬢にも応募して、実際になってしまう。容姿に自信があるから、発言や態度にも自信がみなぎる。

とにかく爽快。一方で、容姿に悩んでた頃の自分と重ねてしまうから、涙がとまらない。

感動しすぎてパンフレットまで買ってしまった。名言読んでまた号泣

日本人の女の子の67%が「容姿に自信がない」

容姿に自信のない女の子……つまり、ほぼ全ての女の子に見てほしい!なんなら中学・高校の必修科目にしてほしい!

なぜかというと、日本の多くの女の子が容姿に自信がないからだ。内閣府の意識調査では、13~29歳の女性66.7%が「容姿に誇りをもっていない」と答えている。その数、774万人。(「平成25年度 我が国と諸外国の若者の意識に関する調査」より)

現在32歳の私も、10~20代は悩みに悩んだ。悩んだっていうよりキレていた。

かわいいだけで得をする女が闊歩し、それにお墨付きを与える男も、「そういうもんだから」と諦める社会も大嫌いだ!!そんなの間違ってる!!
容姿で差をつけるなんておかしい!容れ物じゃなくて、中身を見ろよ!ふぁっきゅー!!と中指立てていた。

なので、私は社会を変えようと思った。容姿で判断されない社会にする。

それが私のジャーナリスト宣言で、新聞社に入った。

ここ10年で社会は変わった……けど

入社して10年。私の微々たるジャーナリスト宣言は響かずとも、渡辺直美さんのような「多様な美」を体現してくれる女性が現れ、テレビでは「ブス」という言葉がでると批判されるようになった。
10年前に比べたら、圧倒的に社会は変わった、と思う。

だけど、若い子たちの容姿の悩みは絶えない。
同世代でも「いまだに鏡を見られない」という女性もいる。

社会は変わっても、私をとりまく半径5メートルの世界は変わらない。

相変わらず、合コンでは顔のきれいな女の子がモテるし、美人しかできないことなんて腐るほどある。

半径5メートルを変える方が簡単じゃないか?

でも、映画を見て思ったんです。
実は、社会を変えることより、半径5㍍を変える方が楽勝ではないか?と。
「自分は最高」と思いさえすれば、1秒後には半径5㍍の世界は変わるのだから。

私はずっと「ブス自覚なきブス」が美人のマネをして歩くと火あぶりの刑に処されると思っていた。わき上がる嘲笑の中で恥ずかしくて燃え上がるイメージ。だけど、全然そんなことなかった。だいたい、私は一度でも火あぶりの刑に処されている女子を見たことあったか?いや、ない。自信を持って生きる女はめちゃめちゃかっこい。嘲笑されたとて、黙らせるパワーがある。

そしてもうひとつ。「美人しかできないこと」なんてあるのか。勝手に「美人しかやっちゃだめだ」「どうせ私は美人じゃないからできないに決まってる」と諦めていたのではないか? イエス。挑戦していない。その責任は社会か?私か? はい、私です。

友達からもらった年賀状。毎日唱えてます。よろしければ待ち受けにどうぞ

被害妄想をひとつずつ爆破する

とにかく、「社会のせいだ」「変わらない」と勝手に作り上げた被害妄想を、一つずつ爆破してくれる映画です。でも別にトリッキーなことも、ファンタジーでも何でもない。誰でも実現可能。あなたも、私も。

そんなことなくない?って思うのは頭をぶつけて勘違いが始まることくらい。それ、だけ。
なんならみなさん、今からすっころんで頭ぶつけてきましょう。ぶつけた気になって、シャバにでましょう。背筋を伸ばして、お気に入りの靴を履いてでかけたくなるから。なんなら鏡を見たくなるから。

新年を軽快に始めるのにふさわしい映画です。ぜひ。

telling,の妹媒体?「かがみよかがみ」編集長。telling,に立ち上げからかかわる初期メン。2009年朝日新聞入社。「全ての人を満足させようと思ったら、一人も熱狂させられない」という感じで生きていこうと思っています。
telling,Diary