本という贅沢。14

ブスをやめることは自分を大事にするということ

毎週水曜日にお送りする、コラム「本という贅沢」。7月のテーマは「女を磨く」。ミレニアル世代におすすめの一冊を、書籍ライターの佐藤友美(さとゆみ)さんが紹介します。

●本という贅沢。14

『「美人は性格が悪いって本当!?」 ブスが美人に憧れて人生が変わった話』 (フジコ/大和出版)

本日ご紹介する本は、2018年上半期「勝手にさとゆみ大賞」です。

紹介前に個人的な怨念を吐き出すと、私はこれまでの人生のほとんどを「ブスキャラ」として生きてきました。小さい頃のあだ名が「ブス」で、大人になってからのあだ名は「おばちゃん」で、親戚には「お前は器量が悪いのだから、嫁に行けなくても生きていけるようにしっかり勉強なさい」と言われていた人生です。
「私みたいなブスが奇麗になろうと努力するなんておこがましい」
「残された道は女芸人として生きていくだけ」
と、誰のアドバイスも聞かずに、ブスをこじらせて屈折40年。
あるきっかけで、つい数年前になんとか「更生」した元ブスライターが断言します。

この本には、人生において最も重要なことが書かれている!!!!!!!!
なんなら中学校の教科書に採用して義務教育で教えた方がいい!!!!!!
それくらい大切なことが、この本には書かれています。

それは
① 「ブスでい続けるかどうかは、自分の意志で選択できる」
ということと
② 「ブスをやめることは、自分を大事にするということである」
ということ

言葉で書くとこれだけのことなのに、なぜこれまで誰もこれを教えてくれなかったんですか。

フジコさん、本当にありがとう。
ブスがなぜブスなのかを詳細に書いてくれてありがとう。
ブスがブスなのは、自分をないがしろにしているからだと教えてくれてありがとう。
ブスであり続ける人生は「自分を否定し続ける人生だ」と教えてくれてありがとう。
でもブスは、自分の意志次第でブスをやめられることを書いてくれてありがとう……。

できることならば20年前、いや10年前でもいいから、もっと早くこの本に出会いたかった……。
まだ間に合うブスのみなさんには、今すぐ読んでほしい。

私がこの本で一番泣いたところは、この本の元になった「ブスが美人に憧れた話」をツイッターで公開した時のフジコさんの話。
「調子に乗るな、ブス」
「お前なんか全然美人じゃないくせに」
と見ず知らずのネット民からひどい言葉が送られてきたことに対して、フジコさんが
「私は、知らない人からの攻撃的でネガティブな言葉より、自分がここまで積み重ねてきた頑張りと、こんな自分に頑張って変わってみようと思うきっかけを与えてくれた、友達の言葉を信じています。自信は強さになりました」
と書いているところ。

そう、自信は強さになるんですよね。

ブスでないほうの道を生きること選んだ自分と、それに向かって努力した自信。この自信がある人生は、決して他人の悪意で揺らがないんです。
そんな人生を手に入れたいと思いませんか。

できます。この本で。

  • 長年女性誌で読者取材をしてきた私が思うに、自分に自信がなく自分を大事にできない女子には三つのタイプがあります。今回のような「容姿コンプレックス」派と、「女性性こじらせ」派と、その混合派。後者二つの方は、以前この連載でも紹介した『女子をこじらせて』(雨宮まみさん)をどうぞ。

それではまた来週水曜日に。

年間10冊以上を担当する書籍のライターとして活動。ビジネス書から実用書まで幅広いジャンルを担当する。自著に『女の運命は髪で変わる』『道を継ぐ』など。