教えて!弁護士センセイ 「法律未満の何でも相談」03

これってセクハラ? そのとき、私はどうすればいい?

仕事でモヤモヤ、夫にモヤモヤ、人間関係でモヤモヤ……もしかしたら、法律を味方にすれば少しだけ生きやすくできるかも! でも、法律用語は難しいし知識もない……。そこで、日々の困りごとを弁護士の澤井康生先生と一緒に、ミレニアル女子目線で考えます。 今回のテーマは、セクハラ。どこからがセクハラか、また、セクハラされたらど う訴えるべきか、最近の裁判例をもとに考えます。 A子:MM商事営業部営業1課で働いている。 B子:A子の同期。法務部で働いている。

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●教えて!弁護士センセイ telling,の「法律未満の何でも相談」03

職場の上司からセクハラを受けたら?

B子:A子、お久しぶり。

A子:あ、B子さん、お久しぶり……

B子:A子なんか元気ないけど、どうしたの?

A子:ちょっと会社で嫌なことがあって精神的に弱っているのよ。

B子:大丈夫? 一体何があったの?

A子:先週、うちの1課と隣の2課合同で飲み会があったんだけど、2次会で行ったスナックみたいなお店で、2課の課長からセクハラみたいなことをされたのよ……。

B子:ほんとに? 具体的にはどういうことをされたの?

お尻や胸を触られていなくても、セクハラになる?

A子:2課の課長が私の隣の席に座ってきて、私の背中や腰に手を回して背中全体をなでるように触ってきたのよ……。

B子:それってセクハラなんじゃないの?

A子:でもお尻や胸を触られたわけじゃないんだけど、こういうのもセクハラって言っていいのかな?

B子:A子の意思に反する不快な性的言動だから、セクハラにあたると思うよ。現にA子は、その課長にそういうことをされて精神的にも参っちゃったんでしょ。

A子:うん、いちおう病院で診てもらったら、情緒不安定で「不安障害」って診断されたわ。

B子:だったら、その課長をセクハラで訴えて慰謝料請求してやってもいいんじゃない? そのためには証拠を確保して、被害者としてしかるべき行動を取っておかないとだめよ。

A子:証拠と言ってもお店に防犯カメラなんかなかったし。

B子:誰かその課長のセクハラに気づいていた人はいないの?

A子:うちの課長が気づいてくれたみたいで、後で相談に乗ってくれて「大丈夫だったか」と聞かれたわ。

善は急げ、証拠を集めよ

B子:じゃあ、いざという時はその課長さんに証人になってもらおうよ。あとは誰かに相談した?

A子:自分ではセクハラなのかよくわからなかったから、まだよ。

B子:早めに弁護士さんにも相談して、警告書を内容証明郵便で出してもらったほうがいいわね。

A子:なんか、物騒だね……それに、そんなに急がなくても……

B子:こういうのはね、あまり時間をおいてはだめだよ。被害を受けたら早めに病院に行って、診断書をもらって早めに弁護士さんに相談して被害者としてしかるべき行動を取っておくべきなのよ。そうすれば、後で裁判になって相手が争ってきた場合でも、こっちの証言の信用性が認められやすくなるのよ。

A子:B子、よく知っているわね、さすが法務部ね。

B子:このあいだ、部内の勉強会で同じような裁判例を習ったのよ。その事件も、A子がされたようなセクハラが問題になってたよ。セクハラを見ていた人の証言があったことに加えて、被害者が被害にあった後にあまり間をおかずに誰かに相談したり、病院行ったり、弁護士さんに相談して内容証明を出してもらったりの行動を取っていたのよ。
そういう一連の経過が、被害者の取るべき行動として自然なので証言も信用できると判断されたのよ(宇都宮地裁平成29年10月25日判決をベースに簡略化しています)。

再び嫌な思いをしないために

A子:被害にあった後の行動って大事なんだね。

B子:確かその事件は判決で慰謝料30万円が認められたのよ。

A子:そうなんだ。お金はそんなに欲しくないけど、二度とああいう真似はして欲しくないから、私も行動してみる。
B子:「Me Too」って声をあげてみようよ! 必要があれば弁護士さんも紹介できるし。

A子:ありがとう、なんだか少し楽になったわ。

■澤井康生先生のプロフィールはこちら
元警察官僚、警視庁刑事を経て旧司法試験合格。弁護士でありながらMBAも取得し現在は企業法務、一般民事事件、家事事件、刑事事件などを手がける傍ら東京簡易裁判所非常勤裁判官、東京税理士会インハウスロイヤー(非常勤)も歴任。公認不正検査士の資格も有し企業不祥事が起きた場合の第三者委員会の経験も豊富、その他テレビ・ラジオ等の出演も多く幅広い分野で活躍。東京、大阪に拠点を有する弁護士法人海星事務所のパートナー。代表著書『捜査本部というすごい仕組み』(マイナビ新書)など。

元警察官僚、警視庁刑事を経て旧司法試験合格。MBAも取得し現在は企業法務、一般民事事件、家事事件、刑事事件などを手がける傍ら東京簡易裁判所非常勤裁判官、東京税理士会インハウスロイヤー(非常勤)も歴任。
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