育休から復職後に、給料も等級も下げられた…どうすればいい?

仕事でモヤモヤ、夫にモヤモヤ、人間関係でモヤモヤ……日々起こる「これってちょっとおかしくない?」の問題をどう考え、どう振る舞えばよいんでしょう? もしかしたら、法律を味方にすれば少しだけ生きやすくできるかも! でも、法律用語は難しいし知識もない……。そこで、日々の困りごとを弁護士の澤井康生先生と一緒にミレニアル女子目線で考えます。

●教えて!弁護士センセイ telling,の「法律未満の何でも相談」01

育休から復職後に、給料も等級も下げられた…どうすればいい?

B子:久しぶり! 元気そうだね。

A子:うん、久しぶり!

B子:A子さんって産休と育休で1年くらい会社休んでたんだよね?

A子:そうなの。ようやく子どもを保育園に預けて、先週から会社に復帰したんだ。

B子:復帰して今はどこの部署にいるの? 前と同じ?

A子:それが、課は同じなんだけど前と少し違うことをやらされてるのよ。

B子:ふーん、A子さんは休む前は、海外ライセンス業務をやってたよね。

A子:うん、海外業務は時差の関係で残業とか結構あるから、復帰するときに時短勤務したいって会社にお願いしたんだよね。そしたら国内ライセンス業務に配置換えされて……。

B子:確かに国内ライセンス業務のほうが時間的には予定組みやすいからね、よかったじゃん。

A子:それがそうじゃないんだよ。配置換えと一緒に等級を下げられて給料まで下げられちゃったのよ。

B子:ええ~、給料まで下げられたの? それひどくない? いくら下がったの?

A子:年間で50万円くらいかな? これから子育てでお金かかるのにつらいのよ。

勤務配慮してもらったけれど、給与が下がって…

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B子:それって、会社に文句言ったほうがいいんじゃないの?

A子:でも、私の都合で国内ライセンス業務に配置換えしてもらったから、仕方ないかとも思ってるんだよね。

B子:でもA子は給料引き下げにはっきり同意してないんだよね。

A子:まあね。

B子:うちの会社の就業規則や規程にも、復職後に給与を下げるなんて書いてなかったよね?

A子:書いてないと思うよ。

B子:それなら、一方的に給与を下げるなんておかしいんじゃない? 単純に考えて、私たちって会社と労働契約を結んでるよね、契約ってことは、両方の同意が必要だから、片方の意思だけで勝手に変更なんてできないと思うよ。

A子:そうなのかな? さすがB子ちゃん法学部出身だね! ……そういえばB子ちゃんの旦那さんって弁護士だよね? ちょっと聞いてみてくれない?

B子:いいよ(その場で旦那に電話する)。旦那に聞いたけど、やっぱりそういうのはやっちゃいけないみたいだよ。裁判で訴えられて会社側が負けた事件があるんだって。

A子:え~、ホントに!

会社に交渉する方法って、あるの?

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B子:その事件では、復職後に担当職務を変更されて、等級も給与も引き下げられたんだって。なんかA子とよく似てるね。

A子:それでその事件はどうなったの?

B子:「担当職務の変更はOKだけど、等級と給与の引き下げを一方的にやるのは許されない」っていう判決が出たんだって。会社には人事権があるんだけど、一方的にそこまでやるのは人事権の濫用として許されないんだってさ。

A子:ジンジケンノランヨウ?

B子:会社がもっている「人事権」の「濫用」だよ。

A子:あっ、そういう意味なんだね。

B子:それに、育児介護休業法っていう法律があって、育休取ったことを理由に不利益なことを社員にしちゃいけないんだって。

A子:そうなんだ。じゃあ会社に言ってみようかな? どういうふうに交渉すればいいんだろう。

B子:その裁判例を引き合いに出しながら、「ご検討いただけますか」って言えばいいんじゃない?

A子:自分で交渉してみて埒が明かなかったら旦那さんに相談させてくれる?

B子:いいよ。ほかにも弁護士会とか市役所でも弁護士の法律相談を受けられるみたいだよ。

A子:今まで、会社が決めたことだし、育休ももらってるし、って思ってたけど、聞いてみるもんだねえ。

B子:育休をもらって申し訳なく思う必要はないと思うけどな。単純に考えて「おかしい」と思ったら、案外会社が間違っていることだってあるんだからね。これからは何でもかんでも会社の言うこと鵜呑みにしちゃだめよ。

A子:うん、ありがとう。元気出てきた!

 

監修:澤井康生(弁護士法人海星事務所弁護士)

  • ●監修者から

  • コナミデジタルエンタテインメント事件(東京高裁H23.12.27判決)を題材にしています。女性が産休と育児休暇を取って復職したときに担当職務を変更され、グレードを下げられ減給された事件について、会社の措置が違法とされ会社が敗訴しました。減給された女性社員をA子、その同僚をB子として、社内で会話しながら産休・育休を考えてみましたが、いかがでしたか?

元警察官僚、警視庁刑事を経て旧司法試験合格。MBAも取得し現在は企業法務、一般民事事件、家事事件、刑事事件などを手がける傍ら東京簡易裁判所非常勤裁判官、東京税理士会インハウスロイヤー(非常勤)も歴任。

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