離婚してどん底での就職の面接。社長の前で泣きました。
失うものは何もない、頑張るしかない
「離婚したい」と言われたのは1年半前です。夫が先にひとりで海外赴任をした半年後のことでした。私は残っていた仕事を終了させ、日本の家を引き払って後はフライトするだけの状況でした。家も仕事もない中、私は日本での基盤を全て失って、ひとりで生活しなくてはならなくなりました。
もちろん、もめましたよ。親も交えて家族会議です。「現地で起業したい。家族がいると負担になる」というのが夫の離婚理由でした。何を話しても彼の気持ちが変わらなくて、本当は何があったのか、今となってはもうわかりません。
猫を3匹飼っているし、一刻も早く稼がなくちゃと思ったんですが、すでに29歳で会社員の経験がなかったので焦りました。親戚の家に猫を預け、友だちの家を転々としながら未経験OKの仕事を探して、たまたま見つけたのが今の会社です。
面接を受けた頃は今よりももっとどん底の時期で、社長を前に「こういうことがあって」と全部話して面接で泣くという……。失うものは何もない、頑張るしかない、やるしかないから。そんな私を、社長は笑って迎えてくれました。
今が初めての自立。頼れるのは自分しかいない
以前は声優をしていたんです。2年間養成所に通い、大学在学中に20歳でプロデビューしています。24歳で結婚したのもあって、本格的な芸能活動は25歳過ぎで辞めましたが、声の仕事は続けていました。ナレーションやアプリのキャラクターボイスの仕事をフリーで受けていたり、また、声優事務所から司会事務所に移り、イベントや結婚式、株主総会の司会をやらせてもらったりしていました。
今の広報の仕事は、声優の仕事と共通するところがあると思っています。声優は作家さんやスタッフさんの思いを表現する仕事。広報は、クライアントさんの会社やサービスについてメッセージや届けたい思いを、どんなメディアさんに向けて表現するかという仕事。手段は違うけどやっていることは同じ。楽しいです。
学生時代から一人暮らしはしていましたが、まだ何かと親に頼れることも多かったですし、その後卒業してまもなく同棲、結婚したので、精神的には今が初めての自立だと思います。自分の力でまわりを幸せにすることへの覚悟が生まれました。自分が働けなくなったら、飼っている猫たちはどうなるんだろうって不安になりますし、親ももうすぐ定年なので。頼れるのは自分しかいない、この体と心が勝負だなって。
悩んだら筋トレ。心と体はつながっています
趣味は筋トレです。最近は週2回くらい。もともと運動が好きで、学生時代からジムに行っていました。以前結婚していた夫と出会ったのもジムでした。
これこれ、トレーニング中の写真です(スマホを取り出す)。肩の筋肉がすごいですよね。筋肉をキープするための特別な食事はしてないですけど、朝はプロテインだけを飲んでいます。その日の気分で、ジュースや牛乳で割って。チョコレート味やヨーグルト、ミックスベリーなんかもおいしいですよ。
何のためにやってるの? ってよく聞かれます。筋トレすると、気持ちもふっきれるし、健康になります。心と体はつながっていますね。どっちかがだめだとひっぱられる。ここは踏ん張ろうっていうとき、ジムに行くとすっきりします。運動ってそうですよね。悩んだら筋トレ。筋肉は裏切りません。
また結婚したい。仕事も子どもも、全部欲しい
司会の仕事は今も副業で続けています。土日に結婚式の司会をして、美しい花嫁さんの姿からパワーをもらっています。プライベートで戦っている時期は、とても司会の仕事ができる精神状況ではなかったけど、気持ちが回復して順調になると、人の幸せに触れて自分もうれしくなります。え、前向きですか? けっこうひねくれていると自分では思ってますよ(笑)。友だちには、強いよねと言われます。
この先、仕事だけに生きていくとは思っていません。仕事だけが充実していても、幸せとは思えません。また結婚もしたいし、家族がいて、パートナーがいて子どもがいて。広報の仕事も好きだし、司会の仕事もやりたい。全部欲しい。バランスを取りながら、誰かの役に立ちたいと思っています。それが夢です。
新宿御苑にて
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