婚活をナナメから見る

世界で1人の相手を見つけたい!50人以上と交流したD子の場合

「結婚、どうしよう!」と焦る前に、婚活についてちょっとナナメから俯瞰して見てみませんか? というこのシリーズ。前回は、婚活支援サービスを使って多くの女性と出会い、悩んだ末に、意外な決め手でゴールインした男性・C男を取材し、大きな反響を呼びました。今回は、婚活に励んだD子が登場。「絶対に結婚したい!」と心に決めたD子はどんな行動をとったのでしょう。

●婚活をナナメから見る 06

婚活をナナメからー世界で1人の相手を見つけたいD子の場合

「自分の人生において1人かもしれない結婚相手が、たまたま近くにいると思うなよ、ってのが私の人生訓ですね。」

 そう力説するD子は最近、婚活アプリで出会った男性と結婚を決めた。今年28歳になる彼女は、メーカーの正社員。営業職だけあってハキハキとした受け答えがたのもしく、明るくて爽やかな印象だ。

 学生時代から短い恋愛を繰り返していたそう。来るもの拒まずの受け身だったせいか、数カ月経つと納得がいかなくなり別れるというループ。最長3カ月の恋愛は結婚と結びつかなかった。

 転機となったのはある男性との恋愛だった。結婚するならこの人かな、という人に出会ったのだ。外見もかっこいい、仕事もできる。条件としては文句なしだった。

 ところが結婚には至らなかった。2人で温泉旅行をした時のこと。川を眺めながら男性が「3人でまたこの温泉に来たいね」とつぶやいた。子どもが産まれたら一緒に、という意味だと気づいた時、D子はすーっと自分の気持ちが引いていくのを感じた。

「結局、本当は好きじゃなかったんだなって思ったんです。思い返せば、映画を観たり何かしている時は良いけれど、会話自体は合わなかった。大事なのは顔じゃないって今は思いますね」。

納得できる相手を探し求めて

 そこからの彼女は行動が早かった。男性を説得して距離を置くことにした1カ月間、すべての休日を婚活パーティや街コンの予定で埋めたのだ。目標は距離を置いている男性と同レベルの相手を見つけること。「1街コン1出会い」と自分にノルマを課し、さまざまな男性とのデートを経験した。

 男性たちと2人で話して気づくことがあった。パーティでマッチングしても、話してみると違和感がある。「あのとき、別の人を選べば良かったのかな……」数時間前のパーティを思い返しては後悔することが続いた。街コンでは職業の違う人と会うことが多く、休日が合わない。お酒を飲んで話すのにもなんだか、疲れてきた。

婚活アプリで50人以上と連絡をとって

 そこで始めたのが婚活アプリだった。いくつかのアプリを使ったが、出会いのきっかけになったのは意外にも、利用者の少ないアプリ。D子いわく「アプリ慣れしていない、チャラくない人が多かった」。気になる男性には自分からメッセージを送った。相手の受けこたえが上手かどうかは気にしなかった。やりとりを通して相手の性格を知ることが大切だと考えた。

 連絡を取り合ったのは4、50人。会ったのは20人。婚活アプリを始めて半年後に出会った現在の彼と、1年半の交際の末に結婚を決めた。

「決め手は優しいところです。それから、共通の音楽が好きだったのも良かった」。

 彼女の婚活はとってもハードだ。活動的で前向きな彼女だからこそやりきれたのだろう。

 そんな彼女から意外な言葉を聞いた。

「来週、彼の二世帯住宅に引っ越すんです。」

 二世帯住宅! 都会的な彼女が希望しなさそうな条件だ。もともと彼が住んでいた持ち家なのだという。でも、義両親との同居、不安はない?

「不安はないわけじゃないです。でも、こんなにがんばって見つけた人だから、きっと大丈夫だって信じてます」。

会って相性がイマイチだったときに必ずしていたこと

 D子の婚活は長い道のりだったけれど、それは自分自身を納得させるために大切な過程でもあったのだろう。結婚を決めた今、彼女の返答は潔かった。

 彼女は婚活中、デートした男性との相性がイマイチだったときには、必ず割り勘にしていたのだという。あと腐れなくしたかったと彼女は言うが、そういう彼女の気遣いはきっと義両親にも伝わるだろうし、たぶん同居もうまくいくだろうな、と感じた。

 (次回に続く)

フリーランスライター。元国語教師。本や人をめぐるあれこれを記事にしています。
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