28歳・歯科医院事務

年の差は19歳。私が、結婚を意識させるように仕向けました。

歯科医院事務(28歳) 山梨県北杜市出身。昨年元旦に入籍。父親が運営する歯科医院とレコーディングスタジオの事務などを手伝っている。

 旦那さんとは、19歳離れています。

 年の差、気になることほとんどないですね。旦那さんは私のわからない昔のギャグとかやってますけど。全部終わってから「今の何?」って聞いたりします。

 今は北杜市と東京の二重生活をしています。私は北杜市で仕事をしていて、彼は東京に住んでいるので、週に2日くらい私が東京に来て、残りは別々の生活なんです。

 旦那さんとは、「一人の時間も必要だよね」ってよく話してます。だから、二重生活自体はいいんですけど・・・移動時間をもったいなく感じています。

「指輪はほしいな」「結婚のためにお金貯めよう」って結婚を意識させました

 旦那さんは、どこか普通じゃない空気感をまとっている人です。出会った場所は、とあるライブハウス。「今年の目標は社会性を身につけること」とブツブツ言っていた、おしゃれなおじさんでした。連絡先を交換してから、すぐに仲良くなりました。

 彼の前では、それまで出てこなかった本当の自分みたいなのが、出てくるんです。変な声を出したくなったり、謎のキャラが憑依してきたり。

隠していた自分が自然に出せるようになって、今では他の人の前でも本来の自分が出てくるようになりました。

 極めつけは、彼の撮ってくれた私の写真。本当に空気感のある写真を撮ってくれて、今、それをfacebookのプロフィール写真にしています。この人とならうまくいく、そういう人は大切にしないとって、思いました。

だから、だんだんと結婚を意識させるように仕向けました。

「指輪はやっぱりほしいなあ」とか、「結婚とかになったらお金が必要だから、今から貯め始めたほうがいいんじゃない」とか。あの手この手で外堀を固めました。

母は、最初は結婚に反対でした

 「そんなに年が離れてて、病気とかになったらどうするの」って母は、最初は結婚に反対でしたね。口論になりました。「すぐ結婚しないなら、別れたら」とも言われて、ショックでした。

 でも、母も父と10歳離れているんです。しかも横浜育ちの一人娘が山男みたいな人と結婚することになったので、祖母に、「どうせ戻ってくるかもしれないんだから安いウェディングドレスでいいんじゃないの」って言われたとか。

 だから、「自分だって年の差婚じゃないですか。お父さんも相当自由な人だし。」と反論したら、母は「そうでした・・・」と言って冷静になってくれました。

東日本大震災で、私の価値観や生き方は変わりました。

 自分の価値感が大きく変わったのは、20113月の東日本大震災です。

 当時、美大でメディアアート(コンピューターを使って作品を作る研究)を学んでいたんですが、震災を経て、「電源や機械がないと作品を作れないというのはダサい」と思っちゃいました。

 それで、卒業制作は、紙と絵の具で絵本を描きました。「くもちゃん」っていうタイトルで、雲から生まれたくもちゃんが砂漠を旅する物語。砂漠を心の乾燥になぞらえました。

もちろん先生には良い評価はされませんでしたが、実は今年、メディアアートらしく仕上げたくて動画に仕立てました。youtubeに、載せてます。

東京は「遊びに来る場所」でちょうどいい

今は、編み物にはまっています。

 旦那さんが「何か編んで」と言ってきたので、このスヌードを編みました。旦那さんは帽子にしてるけど、結構、好評みたいですよ。

 お昼休みや夕食の後に編んでます。2週間に一つくらいの制作ペースですけど、可愛い毛糸を見てアイディアを思いつき、止まらなくなることも多々あります。

 東京にずっと住むのは無理です。東京は「遊びに来る場所」でちょうどいい。気候も合わないし、街の忙しさも、苦手です。

 子どもができたら、山梨を生活の拠点にしたくて、ずっと旦那さんを説得してきました。ようやくその気になってきて、山梨での仕事を調べたりしてるみたいです。

自然豊かな心地よい場所で、編み物の編み目のように、11日を積み重ねていきたいと思っています。

代官山にて

東京都生まれ。桐朋女子高校、成蹊大学出身。三児の母。趣味は音楽、旅、お酒、ヨガ。当面の目標は家族でフジロックに行くこと。
フォトグラファー。岡山県出身。東京工芸大学工学部写真工学科卒業後スタジオエビス入社、稲越功一氏に師事。2003年フリーランスに。 ライフワークとして毎日写真を撮り続ける。
街頭インタビュー