お金と女性、両思いなのにすれ違い。だから今の活動を始めました。

きんゆう女子。代表(32歳)

大手旅行会社から、2015年にベンチャーに転職。女子会スタイルで金融を勉強する「きんゆう女子。」を立ち上げ、2016年に(株)TOE THE LINE設立。転職・起業に至る経緯や、その間の不安や悩み、お金について学びはじめたきっかけや“お金と女性”について思うこと、をうかがいました。

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会社を飛び出したのは、もっと明るい未来があると思ったから

 もし、2年前の私が「会社をやめようと思うんです」と相談に来たら、全力で止めますね。深い溝があるとわかっていたら「ジャンプする」という決断はできなかった。怖いもの知らずだったんです。仕事への不満もありませんでした。ただ、もっと明るい未来があるんじゃないかと期待していたんですよね。

  独立して、旅行とファッションを結ぶ仕事をしたかったんです。辞めてすぐに、自分を見つめ直す意味もあって、ニューヨークに1週間行きました。靴職人のもとにインターンに行ったり、仕事でお会いしたことのある人に会ったりしました。色々な人生観を聞いて、一つのことをじっくりとやる、いわゆる手に職をつけるというより、自分が「急成長」できる場所で働きたいと思いました。

刺激的な日々から一転、名刺も受け取ってもらえない

 でも、会社を辞めてからは、ギャップに苦しんで落ち込みました。前職の大手旅行会社という大きな看板がないからか、興味を持ってもらえないことも。色んな意味で会社に守ってもらえていたんだなと思いました。

 過去の栄光じゃないですけど、昔を振り返ってしまう日もありました。3カ月に1度は海外に行ける刺激的な日々。なのに、今は名刺すら受け取ってもらえないなんて。

 偶然関わったベンチャーは、2カ月でチームが解散に。その後、偶然私を知ったフィンテックベンチャー企業の代表から声をかけてもらい、いきなり執行役員を任されました。そこで金融と出会うわけなんですが、全然わからない。たくさん本を読んで、ネットで調べて。毎晩のようにイベントや会食に顔を出して勉強しました。会食は1日に3軒はしごしたこともありましたね。とにかく試行錯誤した日々でした。

お金と女性が歩み寄る機会をつくれれば…

 それまでは、私も金融に対しては「こわい」「あやしい」っていうイメージが強かったんです。「FXのセミナー、30万円のところをあなただけ特別無料にするよ」など変な勧誘を受けたこともあります。断るとこわいメールが届きました(苦笑)。だけど、金融業界には、よりよい社会のために本気でサービスを作っている人がたくさんいることも知りました。

 お金と女性。両思いなのに、すれ違いなんですよね。お互い、歩み寄る機会をつくればいいのにな、と思ったのが「きんゆう女子。」が生まれたきっかけです。

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ひとりで始めた「きんゆう女子。」も今は1100人規模に

 お金の勉強を始めようかなと考えた結果、少人数でゲストとともにざっくばらんにお金の話をする「女子会」スタイルの勉強会を開くことにしました。始めたばかりの頃は私ひとりしかいない日もありました。ひとり勉強会(笑)。今では1015人はコンスタントに集まるようになりました。半分が初めてさん、半分がリピーターさんの風通しのよい感じになっています。

 東京証券取引所がある兜町の方々もすごく協力的でした。昨年のハロウィーンに東証で、ナイトツアーをしたのですが、案内をしてくれた方がわざわざマントとひげをつけて、コスプレをして迎えてくれました。町のお祭りの時に「最近若い女性が増えてくれてうれしい」と言ってくれた方もいました。とてもよくしていただいているので、町の人たちに恩返しをしたい、というのも原動力になっています。

 東京の中心で「町おこし」というのもおかしな話ですが、兜町も女性にもかかわりをもってもらいたいと思っているんですよね。そのためにお堅いイメージを打破しようと「きんゆう女子。」に力添えしてくれています。

 おかげさまで、昨年末に会員は1千人を突破。今年1月には「きんゆう女子。」の活動拠点である兜町・茅場町オフィスを構えることもできました。

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 楽しみは未来の私に託しています

 いつの間にか、不安や焦りはなくなりました。事業化していくことにも迷いはありませんでした。「お金のことはわからないけど、どうにかしなきゃ」という方が多いことをわかっていたからかもしれません。

 いや、結果論かな(笑)。たとえ、人が集まらなくて、またOLに戻ったとしても、「きんゆう女子。」の勉強会は続けようと思っていました。お金を知るということは、お金からの解放だと思います。人生もそれだけ自由にとらえられるようになります。

 目標は旅とファッションを軸にしたサービスを作ること。旅行企画と添乗の仕事は天職だと思っています。今やっていることと全然違う、と思われるかもしれませんが、楽しみをあとに回そうと考えています。貯金と同じ考え方ですね。やりたいことがたくさんある中で、気力・体力の元気のあるうちに起業などをやっておこうと思っているんです。万一、失敗してもまだなんとかなると思うので。なので、楽しみは、未来の私に託しています。

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茅場町にて

きんゆう女子。

未婚、既婚、子どもの有無、転職や独立の経験者。恋好き、旅好き、おいしいもの好き(缶チューハイ含む)。さまざまなstoryを持つ「telling,」編集部メンバー。
フォトグラファー。岡山県出身。東京工芸大学工学部写真工学科卒業後スタジオエビス入社、稲越功一氏に師事。2003年フリーランスに。 ライフワークとして毎日写真を撮り続ける。

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