会社員(33歳)

妊娠したことは、まだ会社には報告していません。

会社員(33歳) 大学卒業後、クレジットカード会社勤務。九州勤務4年のあと、関東に転勤して7年目。結婚して2年、最近妊娠がわかった。

 ついこの間、妊娠がわかりました。いま妊娠7週です。妊娠したことは、まだ職場には言っていません。

自分がモデルケースになる

 クレジットカード会社に勤めて11年目です。九州と関東で百貨店やスーパーなどのカウンターで個人のお客様をメインに接客していました。今年度から、神奈川県内の法人向けに担当が変わり、導入サービスをはじめとする営業を担当しています。

 学生時代のバイトは長くても1年くらいで慣れてしまったのですが、この仕事は11年目の今も自分への課題や目標、やりたいことがどんどん出てきます。それに挑戦させてもらえる会社で、面白いです。

 ただ、妊娠は仕事を中断しないといけない。個人と違って法人の場合、私についているお客様もいて、ちょっと影響力が変わってきます。私が大事に育ててきたお客様を誰が引き継いでくれるか、変わりなく厚く対応して欲しいな、という思いがあります。相手を不安にさせたくないので。法人様によって関わり方が違うので、上司と一緒に担当のジャッジにかかわりたいですね。

31歳で結婚して、すぐ妊活を始めました

 31歳で結婚して、すぐに妊活を始めました。仕事は不規則ですが、私は風邪も引かないくらい健康で、だからこそ、もしかして自分の弱い部分がここにあるかも?と思って。病院の検査で右の卵管が詰まっているのがわかって、「やっぱりそうだったか」と。

 最初は、治療してもマイペースで過ごせていたんです。タイミング法を繰り返して、それから人工授精をやってもダメだった頃は、気持ちが「妊娠」にいってしまった。私よりあとに結婚した芸能人が妊娠したり、望んでいないのに妊娠した人が周りに続いて、「もう〜なんなの、こっちは頑張っても来ないじゃない!」って。「そういう気持ちがダメなんだ」と思ったり。

 自分の中からうまく切り離そうと、「飲みたかったら飲みに行こう、遊びたかったから遊びに行けばいい」と切り替えました。

 人工授精を3回してダメだったあと、医師から「体外受精を考えては」と言われたんです。それから、体調やスケジュール、痛みやお金のことを考えて、一歩前に進めなくて、へこむだけへこみました。

まさかの妊娠。だんなに報告したら、「何? 誰の?」って

 病院も調べたけれど、「この治療をしよう、この病院に行こう!」という“ひらめき”が今はない。ひらめきがあったときが治療のタイミングだと思って、それまで好きなように仕事やボランティア活動をしようと思いました。

 その後クリニックに行ったら、今回は卵管が詰まっている右側の卵巣から排卵したとわかり、「これは無理だ、もういいや!」と諦めてのびのびやっていたら、まさかの妊娠。検査薬を使ったらブルーの2本線が出て、だんなにLINEで写真を送ったら、「何? 誰の?」って返事が(笑)。

父が「車を買い替えなくちゃな。スライドドアがいいかな」って。

 仕事と育児の両立には、職場のいろんな制度を駆使したいです。制度って会社が認知、理解しているシルシにもなるので、あとは職場がどう理解するか。自分がモデルケースになることで、若手にも推進できるようになるかな、と思っています。

 長崎の実家の母に電話で妊娠を報告したら、もう喜んじゃって、「いろいろ買っちゃうわ」って。父には「大事に過ごしなさい」とだけ言われて電話を切ったんです。そのあと、「孫ができるなら車を買い換えなくちゃな。スライドドアがいいかな」って母に言ったそうです。

 待ち望んでくれていた私の両親、福島の夫の両親、どちらにも直接会って報告したいな。体調をみて帰省したいです。

丸の内にて

 

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女性向け雑誌編集部、企画制作会社等を経て、フリーランスの編集者・ライター。広報誌、雑誌、書籍、ウェブサイトなどを担当。不妊体験者を支援するNPO法人Fineスタッフ。
フォトグラファー。岡山県出身。東京工芸大学工学部写真工学科卒業後スタジオエビス入社、稲越功一氏に師事。2003年フリーランスに。 ライフワークとして毎日写真を撮り続ける。
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