日本は、歳をとることに対してネガティブで、息苦しかった。
32歳って日本にいたら微妙な年齢ですよね。転職できる最後のチャンス、みたいな言われ方をする。それに、私の田舎も留学先の台湾も、女性は20歳代半ばになると結婚を意識せざるを得ないような環境で、20歳代後半になると「結婚しないの?」ってメチャクチャ言われました。結婚したらしたで、今度は「子どもはいつ?」と聞かれる。「その歳でまだそんなことやってるの。みっともない」とか。
歳をとることに対してネガティブなんです。息苦しかった。
でも、ニューヨークでは年齢にとらわれないですみます。そういうところが、いいですね。
仲良くなれるのはいつもアジア系の人たちでした
ニューヨークに住むことになるなんて、考えてもいませんでした。大学は英文学部で、在学中にカナダに語学留学しましたが、仲良くなるのはいつもアジア系の人たちでした。台湾の友達ができて、会社勤めをしていたときに初めて台湾に行き、いいなと思ったのが台湾に興味を持ったきっかけ。海外に興味があったので英文学部に入ったものの、「なんか、違うな」と感じていたし、中国語が仕事に役立つと言われてもいたので、台湾に語学留学したんです。中国語で日常会話ができるようになり、そのあと1年間台湾の会社で働いて、結局3年半台湾にいました。
何がニューヨークの魅力なのか、わからなかった
台湾の留学先で知り合ったのが、ニューヨーク出身の現在の夫。アメリカ人は自分には合わないと思っていたのですが、彼はあまりアメリカ人っぽくありませんでした。日本語が堪能で沖縄に興味があり、私よりもよく沖縄のことを知っていた。アメリカ人に沖縄のことを教えてもらうなんて面白いと思いました。沖縄や長崎も一緒に旅行しましたが、私とは見る視点が違う。違う視点で意見交換するのっていいな、と。
彼は、留学後ニューヨークに戻ることになっていたので、2016年にニューヨークで結婚しました。でも、実は私、ニューヨークにはいい印象がなかったんです。何がニューヨークの魅力なのかわからなかった。
はじめのうちは、やっぱり、アメリカは合わないなあと思いました。ただ、大きなチャイナタウンがあって買い物のときなどに中国語を使えるのは楽しかったし、クイーンズには多くの移民が住んでいて、行くと世界旅行気分が味わえる。やっとニューヨークがおもしろいと思えるようになってきました。
台湾の人たちは困っていると何も言わなくても助けてくれる。それがありがたかった。ニューヨークの人はさっぱりしていて忙しそうで、どう付き合っていいかわからない。でも、次第に、さまざまなバックグラウンドを持ち、さまざまな生き方をしているニューヨークの人たちに刺激を受けるようになってきたんです。
やってみて合ってないと思ったら、変えればいい
私は先のことを考えて行動しないと不安になるタイプなんですが、夫は「そんな先のことを考えても仕方ないだろう」というタイプ。それでケンカになることもありますが、最近は私も、「考えてもしようがない。やってみて合ってないと思ったら変えればいいんだ」と考えるようになりました。
コーディングの仕事が自分に合っているか、本当はわからないけど
今、コーディングの勉強をしています。手に職を持ちたい。将来のことはわからないけど、ITの仕事ならどこにいても仕事が見つかると思って。これから数カ月間、コーディングのブートキャンプに参加して集中的に勉強する予定です。コーディングが自分に合っているかどうか、本当はわからないけれど、収入がないのは怖いから・・・。もともとはアートが好きなんですが、日本にいたとき、周囲にそういうことを仕事にしている人がいなかったので、アートで食べていけるなんて全く思っていなかった。
でも、やりたいことを諦める必要はないですよね。デザインも勉強したいし、ライフワークになるような趣味をたくさん持ちたい。それが仕事に繋がっていったらもっといいな。
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