経営コンサルタント(34歳)

答えが見つからないときは、社内外の大勢とよく話します。

経営コンサルタント(34歳) 常駐しているクライアント先を抜け出して、インタビューに応じてくれた彼女は、どんな質問にも理路整然とした回答をくれる。これだけ賢かったら、仕事で迷うことなんてないんじゃないかとさえ思ったけれど、日々、難しいと感じることもあるそうだ。やっぱり、人が何を思っているのかは、聞いてみないと分からないものだ。

マネージメント、ひと言で言えば「すごく難しい!」

 今の会社に転職して少し経った頃から、部下2名のマネージメントもするようになりました。端的に言うと、すごく難しいです。単純に作業の指示をするのではなく、ちゃんと本人のことを思って、彼ら彼女らのキャリアプランに沿うように考えつつ、目の前の作業と合わせながら指示したり、指導していったりというのが難しいところでしょうか。

 ただ単に「タスクをやって」というのは本人のためにならないと思うんです。自分のなりたい姿になるために今どういうタスクをどうやって完了していくか、お客様との向き合い方を学んでいくなかで、どういうところでチャレンジの場を与えていくか、そういったことを臨機応変に考えていかないといけないので。

 一人ひとり接し方も変えています。ガツガツやるタイプの方には、ある程度お任せしてしまいますね。方向性がずれそうになったら、話をして軌道修正をして。

 女性と男性で仕事の仕方が違うということはないですけれど、今まで私の下についた方で言えば、女性はわりと一緒に考えていくスタイルが多かったように感じます。要所要所で進捗を確認するというよりは、一緒に考えながらやっていくという感じ。

 朝までの作業になっても、部下と一緒にやろうと

 部下をほっぽらかしにしないと言うか、最後まで一緒に悩むというのは絶対にやろうと思っています。彼らが最後までやるのをサポートする。悩むときは一緒に悩むし、悩まないならそのまま自走してもらえばいい。最終的にアウトプットが彼ら自身でちゃんと出るようにしてあげるというのは心がけています。

  どうしてもプロジェクトのリミットがあるので、部下の方が色々やっていても上手くいかないと、上の方が「この作業は私がやるね」って、どんどん巻き取っちゃうことは良くあるんです。でも、プロジェクト単位で見れば、そっちのほうが確かに効率はいいいんですけど、それでは部下の方は自分がなんで悪かったのかがなかなか分からないと思うんです。

 もちろん、上司のやったアウトプットと、自分の仕上げたものをあとから比較すれば違いが分かるんでしょうけど、「自分でやった感」があまりないのかなと思います。なので、絶対に最後まで苦労してもやりきってもらおうというのはすごく心がけています。効率が悪くて、このまま任せていたら自分が朝まで作業する、ということになっても一緒にやろうって。

 答えが見えないときは、いろんな方と話をします 

 今、一緒にプロジェクトをやっている部下の方は本当にすごく優秀です。入って3年目ぐらいの女性なんですけど、プロジェクトに入った時よりもすごく成長していて、一緒に悩むスタイルをとって良かったと思いますね。

 彼女が今、やっているのはお客様の新しいサービスを企画するというものです。彼女にとって初めての領域なので、新たな挑戦かなと思います。

 正直、一緒にやっている私自身も答えがあまり見えていないので、より難易度が高くなっているかもしれません。私が仮説というか、答えが分かっていたら、自分の見えている方向を意識しつつ、彼女が答えを出せるようにサポートできるんですけど、私もまだ答えがハッキリとは見えていないので……。

 答えがないときにどうしているか、ですか? とりあえず、本当にいろんな方と話をします。

 何かしら答えがあるときって、世の中にも事例として本が出ていたり、誰かが情報を出していたりすると思うんです。でも、そういうのが一切ない場合は、自分で道を開いていくしかないですよね。自分の知見だけでは到底できないので、社内でも同じ組織の方だけでなく、別の組織の方と話して協力したり、社内に知見がなかったら社外の方に話を聞いてアイディアをもらったり。そういうことはすごく心がけています。

  そうやって、ヒントをもらいながら、少しずつ進んでいくうちに……。答えは見えてくるのかな、って思っています。

 

茅場町にて

建材メーカーで6年間、企画・広報・宣伝を担当したのち、企業取材や家づくり・家具などの住にまつわる分野を中心に、各種WEB媒体で活動中。プライベートでは夫と2人暮らし。
フォトグラファー。岡山県出身。東京工芸大学工学部写真工学科卒業後スタジオエビス入社、稲越功一氏に師事。2003年フリーランスに。 ライフワークとして毎日写真を撮り続ける。
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