【開発者に聞いてみた】こんな生理用ナプキンは作れないんですか?
●あの日のお悩み「せいりせいとん」ー05
これまで、男女ともにさまざまな角度で“生理”について話してみました。
生理用品について、私たちはこんなに知らない…女性のギモン編を読む
今回は、そんな生の声をメーカーの開発者にお届け。思いも寄らない回答がたくさん飛び出しています!
- ●お話ししてくれた方
- 花王株式会社 サニタリー事業部
小西 真砂子 さん
「ロリエ」開発歴は20年目!
不織布タイプは音が目立ちにくい
――まずは、外装のシールについて「剝がすときにペリッと音が鳴るのがイヤ」という意見がありました。解決策はありますか?
音は、これでもかなり軽減されてきているんです。大きな進歩だったのは、不織布の外装が登場したこと。それまで主流だったフィルムより、音が目立たなくなりました。もちろん、いまも音を鳴らさないための研究は続いています。
――なるほど。でも、すべての外装が不織布にはならないんですね。
そうですね、お客様それぞれにお好みもあるので。
また、ナプキンは各シリーズのコンセプトに合わせて、素材や柄を決めています。たとえば「スリムガード」は、「薄くて快適だから、お洋服を選ばない!」というイメージ。だからスマートな雰囲気のフィルムで、明るい色や柄をそろえています。反対に、肌への優しさを訴求する「しあわせ素肌」は不織布で、おだやかなデザインにしているんです。
ナプキン本体は白、と法律で決まっている
――たとえば「marimekkoのようにモダンな柄がほしい」という要望は、実現の可能性はありますか?
製品シリーズのイメージに合うブランドなら、コラボの可能性はゼロではありません。ですが、生理用品は“機能”が優先される実用品。まずは「漏れない」「快適」という部分をアピールすべきだと考えているんです。だから、marimekkoのデザインを見たお客様に「漏れなさそう」「肌に優しそう」と感じていただけるか、というところが論点なんですね。
――それは確かに難しそう。特徴的すぎるデザインは、ナプキンの機能性アピールに向かない、というわけですね。
はい。とはいえ、楽しんで使っていただけるデザインは、これからどんどん考えたいと思っています。
――「黒いナプキンがほしい」という要望も多かったのですが、いかがでしょう。
外装を黒くするのは可能ですが、デザインと同じで、そのシリーズのイメージに合うかという問題がありますね。肌に当たる表面材のほうは、白しかNG。これは、厚生労働省の定める「医薬品医療機器法」で決められているんです。
――えっ、そうなんですね……!
漏れにくい付け方&正しい捨て方を教わる
――オーガニックコットンなど、オール天然素材のナプキンは開発されないのでしょうか?
ニーズの高まりは感じていますが、たとえば綿100%の肌着は、汗を吸うけど湿ったままになりがち。ナプキンにしても、経血を吸ったまま張りついている状態が、肌にいいとは思えません。なので、いちばん肌に負担をかけないナプキンを作るため、あえて天然素材を避ける場合もあるんです。その代わり、表面に細かな凸凹をつけて肌との接触面積を減らすといった、さまざまな工夫を凝らしています。
――なるほど、よくわかりました。では最後に、漏れにくいナプキンの付け方&正しい捨て方を教えてください! 毎月使っているのに、分からない人ばかりでした……。
まず、ナプキンで一番吸収力が高いのは、羽と羽のあいだです。そこを、自分の経血がよく出るポイントに当てること。ショーツのほうでベストな位置を決めるのは、デザインによって差があるので、なかなか難しいんです。先にナプキンを身体に当てて、あとからショーツを引き上げる、というのもいいですね。
ちなみにロリエの夜用のナプキンには、後ろ側の中心の位置がわかるサインが入っているものがあります。そこを触りながらつけると、うしろを見なくても、まっすぐ身体にあてられるんです。
正しい捨て方というのは、特にありません。一応、花王が全国で実施している「初経教育」では、ナプキン本体を先に巻いてから外装で包む、というやり方を紹介しています。外装の長さが足りなくなったりしないので、確実に包めるからです。迷ったときは参考にしてみてください。
知らないことだらけで、驚きが止まりませんでした。
次回は、さまざまなデータを通じて、これからの生理について考えてみます。
【大解剖します】時代に合わせて変わっていく“生理” を読む
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第5回お互いもっと話すべき?「生理を知ろう」男性座談会を開いてみたら
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第6回【開発者に聞いてみた】こんな生理用ナプキンは作れないんですか?
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第7回【大解剖します】時代に合わせて変わっていく“生理”
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第8回男性は生理を理解できるか。インドの「パッドマン」に学ぶ