あの日のお悩み「せいりせいとん」【男性座談会・後編】

お互いもっと話すべき?「生理を知ろう」男性座談会を開いてみたら

前回の座談会で初めて生理用ナプキンを触った男性3人。「ナプキンとポケットティッシュを間違えた」「ナプキンの羽? 餃子の羽かと思った」などの迷言? とともに議論も盛り上がり、生理への理解も進んだはず。後半は男性にとって生理はどんな存在なのかを聞きました。

あの日のお悩み「せいりせいとん」ー04 男性座談会〈後編〉

●参加者
ケイスケ(32)妻と2人暮らし
マサル(38)彼女と同棲中
ヒロシ(43)妻と長男の3人暮らし

何も悪くないけど怒られる期間

――女性の生理ってどういうイメージですか?

ヒロシ なぜだか機嫌が悪い。そのキレ方は人によってクセがあって「もう会わない方がいい」って必ず言う女性、いたなあ。(遠い目をする)。

ケイスケ 僕は母親が重たかったみたいで、イライラしては「生理なのよ」って言っていた。「生理前だから父親とけんかしている」って。そのロジックがわからなくて、なんとなく嫌なものだなあと思っていました。

マサル 何も悪いことをしていなくても怒られる期間。冤罪事件に遭ったみたいなもんです。何もしていないけど、とにかく謝るしかないと思っている。勝てない戦い。

――PMS(月経前症候群)ですね。生理前のイライラの程度は人によるみたいですけど。

マサル PMSっていうんだ。初めて知りました。「PM2.5」みたいですね。

ヒロシ 僕の職場は、女性陣は「生理だからお腹痛い」「今日は生理前だから機嫌悪い」とか言っていますが、それって普通は言わないものなの?

――言いやすい上司だったら言うって感じですね。人によるけど、言えない上司の方が多いかも。

ヒロシ 一応、管理職の立場で言わせてもらうと、体調が悪かったり、機嫌が悪かったりしたまま仕事をしてもらっても、良いパフォーマンスは出せないと思う。だから、我慢しないで早めに帰ってもらって、また元気になったら働けばいいと思っている。

お互いもっと話すべきなんじゃないかな

――例えば女性の同僚が「今日は生理でおなかが痛いので、会議休みます」って言ったらどう思います?

ケイスケ 「わかった」としか言えないよね。

――その後、飲み屋とかで「こないだ○○さんに『生理だから会議休む』って言われたよ」とか陰口言わない……?

ケイスケ 絶対ない。ネタにするのはよくないと思っているし。

マサル 会議くらいならいいけど、例えば女性同士だって、取材の直前にカメラマンの女性から「生理だから休みます」って突然言われたら、実害はあるよね。「わかった」としか言えないけど、もっと事前に言ってくれたらなあと思うことはある。the earlier, the better(早いに越したことはない)ですよ。

ヒロシ 男女が働きやすくなるためには、生理のことをもっと普通に話すべきなんじゃないかな。それを避けると、「生理休暇を使って熱海に行ってるんじゃないか」とか「あの子の生理休暇、金曜日多くない?」とかなっちゃうのかも。

マサル ただ、この問題のデリケートな部分としては「きみ、来週生理の日だよね? 休んでもいいんだよ」とは言えないですよね。

ケイスケ そのうちエクセルで、女性社員の生理日を管理するようになったりして(笑)。

ヒロシ 「生理の日は申し出るように!」とか、ルールを決めるのは民度が低い証拠だと思う。生理っていうのは月に1回、命のことを考えるありがたい日、感謝すべき日だと思うんだよね。しんどい日があるなら、休めばいいよっていうだけの話。大事なことほど話さない日本のカルチャー、なんとかしないとね。

「生理」と「タンスに小指をぶつける」、どっちが痛いの?

マサル でも生理って、言い方悪いですけど、テレビに絶対映らない「動物の死骸(がい)」みたいに「ないもの」にされているように感じませんか。ドラマなんかでも、生理用品を買ったり、取り換えに行くようなシーンはないし。見えないもの、隠すべきものとして取り扱われている気がしますね。男の側から言うと。

ケイスケ 機嫌が悪くなる女性を見てきているけど、どうして機嫌が悪くなるのかを考える前に怒られて、部屋から出ていけ! って言われてる感じ。何かできることがあるなら、お互いのために知っておきたいです。生理になると、女性の体やメンタルがどうなるのか、具体的に知っていた方が男も暮らしやすいはずだけど。 

マサル 痛い、痛いとは聞くけど、どのくらい痛いのかもわからない。タンスに小指ぶつけるのとどっちが痛いんだろう?

ケイスケ ぼくは妻に漫画「ツキイチ! 生理ちゃん」を読め! と言われました。それによれば、腕をぐるぐる回して腹パンチするくらい痛いみたいです。

ヒロシ 学校で性教育とかしているんでしょ? その性教育の中で、生理ってどういうものなのか、血はどのくらいの量なのか、どのくらい痛いのかとか、避妊と同じくらい、男性も学校で教わるべきことなんだろうなあ。長い人生、ずっと女性と付き合っていくわけだし。

――「なぜか機嫌の悪い日」から、少しは理解が進んだでしょうか!

  • 後日、この座談会のことを妻に話したケイスケさん。「生理って大変なんだね。よく分かったよ。いやぁ、(妻が)生理が軽くて良かった~」と言ってしまい、「我慢してるのよ! 何もわかってない」と怒られたそうです。まだまだ男女理解の道は遠い……のかも。この機会に、自身のパートナーと生理について話してみてはいかがでしょうか。それによって、あなたとの間はもちろん、パートナーのまわりの女性にも男性にも良い変化、につながったらいいですよね。

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