介護職(31歳)

来週、彼氏の赴任先の青森に引っ越します。

愛知県尾張旭日市出身・介護職(31歳) 明るい笑いを絶やさない彼女は、いつもみんなの人気者。住み慣れて友人の多い東京・吉祥寺から、青森・八戸市へ引っ越すことにしたという。仕事のこと、家族のこと、これからのことを考えて、31歳で下した決断についてお聞きした。

 来週、彼氏の赴任先の青森に引っ越します。今の職場は先週、退職しました。遠距離恋愛じゃなくて、一緒にいたいから。

 彼氏は41歳。溶接工さん。下北沢の居酒屋で会いました。「私、ダイエットしたい」とか初対面で色気のないことを言っていたのに、「俺、手伝ってやるよ」って声をかけられて、連絡先を交換したんです。後日、向こうから連絡が来て、仲良くなって、付き合うことになりました。

 彼は姫路から1年半だけ東京に仕事をしに来ていました。建設の仕事なので、現場の場所によって引っ越すんですよね。

 半年くらい彼の家に転がり込んで半同棲していましたが、彼がまた姫路に戻ったので、遠距離恋愛になって。私が行ったり、彼が来たり、2カ月に1回くらいは会っています。

全然タイプじゃないけど、マメな彼に情が湧いてきた

 全然、タイプじゃないんです。ピンときて連絡先を渡したわけでもないですし。でも彼がマメで、よく連絡をくれたんです。付き合ってもいないのに「おはよう」ってメールがきたり。それでだんだん馴染んできたというか、情が湧いてきたというか。

 お互い自分勝手だから、一緒にいて、楽なんですよね。よく、彼の家で私がご飯作って、一緒にお酒を飲んでました。空き缶の捨て方とか、くだらないことで喧嘩もたくさんしました。

 私、おそらく情が湧きやすいんです。仕事でもそう。一緒の時間を過ごしていると、離れがたくなる性格なんだと思います。

ダンサー志望だったけれど、介護士になりました

 19歳の時に、ダンスの専門学校に入るために上京してきました。ダンスを踊れるようになって、着ぐるみを着て踊る仕事がしたかった。

 卒業後も親の仕送りで生活していて、しばらく地に足がついてなかったですね。それを脱却したかったんです。

 それで、資格でもあれば正社員の仕事に就けるかなあと考え、福祉施設でアルバイトしながら勉強して、ヘルパーの資格を取りました。

 職場はデイサービス。おじいちゃんおばあちゃんの昼間の憩いの場です。私たち介護士と一緒に歌を歌ったりパズルをして遊んだり、お風呂に入れたりトイレにお連れしたり、生活のお世話がメインです。

 夜勤はしたくないから、デイサービスを選びました。

 福祉の仕事は、好きです。ずっと続けていくと思います。施設に勤務すると、情が湧いてきて、簡単に投げ出せないです。おじいちゃんおばあちゃんにも、とても可愛がっていただいています。

母親に、「出歩かないで」と言われてた

 愛知の田舎って“ムラ”みたいな感じでした。私、一風変わってたから、目立っていたと思います。ふらふら歩いて誰にでも話しかけちゃったりするので、母親に、「出歩かないで」って言われていました。

 お母さんとは、お酒を飲んで本音でしゃべれるようになってから、仲良くなったかなあ。「行儀良くしろ」とか「外に出るな」とか世間体を気にするようなことが多くて、うるさいことしか言われなかったから。家での居心地は、よくはなかったです。

 でも、高校卒業後に東京のダンスの学校に進学することは許してくれましたね。高校のとき、ギターも買ってくれましたし。今思うと、親も実はダンスや音楽みたいなものも、好きだったのかもしれません。

“家族”をつくりたい

 今、新しい生活にワクワクしています。相手は離婚歴があったので、少し慎重になっていたみたいですが、私のことも色々考えてくれていて、去年の6月に親に会いに来てくれました。私の父親も現場仕事をしているので、男同士、なんだか仲良くなっていましたよ。

 彼の赴任先の青森から帰って来たら、彼の地元の関西に一緒に行く予定です。できればそのまま結婚したいなあ。子どもも2、3人ほしいです。

吉祥寺にて

東京都生まれ。桐朋女子高校、成蹊大学出身。三児の母。趣味は音楽、旅、お酒、ヨガ。当面の目標は家族でフジロックに行くこと。
フォトグラファー。岡山県出身。東京工芸大学工学部写真工学科卒業後スタジオエビス入社、稲越功一氏に師事。2003年フリーランスに。 ライフワークとして毎日写真を撮り続ける。