物価の安いマレーシアでゆったり生活! ロングステイビザ取得のススメ

日本でのギスギスした生活はもううんざり。南の島に移住して一生楽しく暮らしたい――。そう思ったことはありませんか?実は、比較的簡単にビザを取れる国があるんです。それが、マレーシア。条件は?語学は?職業は?ロングステイビザを取得した方に話を聞いてみました。

つい1カ月ほど前にロングステイビザを取得したという東京都内在住の会社員Aさん(42)。
なぜマレーシアへの移住を考えたのか、という問いにAさんはこう答えてくれました。

「大学時代の研究対象がマレーシアで、現地に友達がいることに加え、温暖な気候や食べ物のおいしさに惹かれてビザを取ることを決意しました。日本の2分の1から3分の1といわれる物価の安さも魅力で、地元の屋台で食べれば日本円で100円程度で1食済ますこともできるんです」

マレーシアには旅行やビジネス目的の場合、90日間しか滞在できませんが、「マレーシア・マイ・セカンド・ホーム」(MM2H)というロングステイビザを取得すると、最大10年間滞在しても良い、という許可がもらえるそう。手続きさえすれば更新も可能。つまり、「永住権」に近い効力を得ることができるというわけです。

ビザ取得までに2つのステップと、必要なおカネ

ビザ取得についてごく簡単に説明をすると、必要なステップは二つ。
日本での書類申請で「仮承認」を得て、その後、マレーシアで「本申請」をする形となります。

「仮承認」を得るためにクリアすべき大きな条件は月収や、預貯金の額などの資産。現地通貨リンギット(RM)で1万RM(約30万円)以上の定期的な収入と、50歳以上ならば35万RM(約1050万円)、50歳未満ならば約50万RM(約1500万円)の資産があることが条件となります。

また、都道府県警察本部から犯罪経歴証明書をもらったり、マレーシア政府に提出するパスポートのコピーが本物であることを弁護士事務所で証明してもらったりと、いくつかの書類を集める必要があります。

「仮承認」を得たら、首都クアラルンプールで「本申請」をします。いわゆる「供託金」のようなかたちで、マレーシアの銀行に、50歳以上は15万RM(約450万円)、50歳未満は30万RM(約900万円)を預け、現地の病院で簡単な健康診断を受診。政府が推奨する医療保険に入れば、ビザがおります。

「一連の手続きを1人でこなすのはとても大変なので、ビザ関連の手続きに精通した代理店にお願いすると便利です。検索サイトで『MM2H』と打つと、いろいろな代理店のサイトが出てくるので、その中からピンと来たものを選びました。医療保険も、日本の保険会社の現地法人がMM2H申請向けの安価なものを用意しているので、代理店経由でそれを契約しました」(Aさん)

今後、ビザ取得の条件が厳しくなる可能性も

ただ、現在は注意点があることがわかりました。

このビザがあると、マレーシアで使うための車を輸入する際や、同国内に家を買う時などに優遇措置があったのですが、一部の国の取得者たちがその制度をビジネスのために使ったり、現地の土地を買いあさったりしていることから、今後、条件が厳しくなることが予想されているのです。

今後、審査を厳しくするための準備なのか、ビザの新規申請などが止まった時期もありました。なので、今、急いで必要な書類を集めて申請してみても、なかなか仮承認がおりない可能性があることは念頭に置かなくてはなりません。

Aさんは最初の書類提出から約7カ月後の10月中に仮承認がおりたため、11月中旬に本申請のためにクアラルンプールを訪れ、順調なことに入国から4日で無事にMM2Hビザを取ることができたといいます。

「しばらくは完全移住というよりは、日本で働いて収入を得て、長期休暇の際に同国を訪れて今後の拠点作りを進めようと思っています。友人のいる同国第2の都市ペナンに住もうかなと思っています」(Aさん)

ペナンは今、外国人向けの豪華できれいな高層マンションが建設ラッシュ。日本のイオンのような大規模商業施設もたくさんできていて、日本と変わらない便利な生活が低予算でできます。

マレーシアはイギリスの植民地だったので、英語が通じます。
ただ、MM2Hビザは、お金に余裕がある外国人にマレーシアに投資をしてもらおう、という性格の制度なので、基本的には現地で就労することは許されていません(50歳以上はマレーシア政府の許可を得れば、週20時間までは労働可能)。
日本である程度の蓄えを作るか、日本から何らかの収入を得られる手段を持っておいた方が良いでしょう。

移住をやめようと思ったら、預けたお金は返ってくる?

「日本で嫌なことがあっても、『いざとなったら、マレーシアで暮らせば良いや』と考えられるようになり、日々のストレスが減ったように感じます」と話すAさん。

もし、10年経った際にマレーシア移住はやめようと思ったら、どうするのでしょう?「供託金」としてマレーシア政府に預けたお金は戻ってくる……?

「更新は義務でないですし、供託金は手続きすれば返金されます。日本とペナンに拠点を複数持つ生活を続けるのか、それともいつかペナンに完全移住するのか。完全移住するとしたらいつごろにするのか、などはまだ決めていません。時間はたっぷりあるので、日本での収入とも相談しながら、ゆっくり決めたいと思います」(Aさん)

自分自身の生き方を見つめ直すきっかけとして、海外移住も考えてみてはいかがでしょうか。

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