鉄道マニアへの入り口 切符に書いてある記号ってなに?
●編集部コラム
もうあっという間に年末ですね。1年が早い!去年どうやって年越ししたかとか、去年箱根駅伝を見ながら過ごしてたなとか鮮明に思い出せるのに、もう新しい年が来てしまう。大人になると時間の過ぎていく速さに恐れおののきます。
みどりの窓口の駅員もがんばってるんです
年末年始は帰省する人も多いのではないでしょうか。私も夫の実家にご挨拶に行くので新幹線を予約しましたが、大した距離じゃなくてもほとんど席が埋まっていて、焦りました。毎年帰省する人などには常識ですが、JRのきっぷの発売日は1ヶ月前の同日(1月1日のきっぷなら、12月1日)です。
プロフィールにも書いているので特に隠してはいませんが、私のファーストキャリアはJRの駅員・車掌からはじまりました。そういえば年末年始やお盆前のみどりの窓口では、ずらりと並んだ人たちをなんとか各々のふるさとにお送りすべく、満席表示と戦ったりしていました。戦って空席ができるわけではありませんが。できるだけ快適に帰れるようになんとか空きのある列車を探したり、時間がかかっても座れる方法を考えたり、自由席を案内するにも早くから並んだほうがいいとひとこと添えるなど、それぐらいしかできないといえばできないんですけどね。
もともと電車が好きではありましたが、電車が仕事になると、もっともっと完璧に知識を覚えなければいけません。特に駅の窓口では複雑な運賃制度を会得。機械がある程度計算してくれるとはいえ、経路や割引制度などをちゃんと知らないと誤発(誤発券、間違って発売すること)にもなりかねないので、もりもりとマニア知識を増やしていきました。でも、どんどん制度が変わっちゃうんで、もう私の知識などカビが生えているに違いありませんが。
青いきっぷをよくみてみると
なにげなく使っているきっぷにも、実はいろんな情報が記載されています。マニアはそういうところを見逃さず楽しみます。今回は誰でもわかって、改定が(ほぼ間違いなく)なくて、「へえ」って思えるコネタをひとつ。
駅の窓口で買うきっぷは「マルス券」と呼ばれますが、これはきっぷを販売するシステムが「マルス」という名前で、転じて販売端末のことも「マルス」と呼ばれているからです。きっぷの下の方をよく見てみると、販売した駅名が記載してあります。あと、(2- )とあります。
そもそも、JRは1987年に国鉄が民営化してできた会社です。国鉄は北海道から九州までひとつの大組織でしたが、民営化によってJRは7つに分かれます。北海道、東日本、東海、西日本、四国、九州、そして貨物です。
で、今回のきっぷの話で何が関係するかというと、先ほどの(2- )について。これ、販売された会社ごとに数字が違います。
1 JR北海道
2 JR東日本
3 JR東海
4 JR西日本
5 JR四国
6 JR九州
になっています。上の写真のきっぷは渋谷駅で買ったので、JR東日本の管轄内で購入したということになりますね。
あと、(2-タ)というのもあったりします。これは、たとえばJR東日本エリア内で買ったきっぷだけど、有効区間が他社にまたがっているとき(たとえば、東京~大阪)。それから、たとえば東京で札幌~函館間など、別エリアのみのきっぷを買った時にもこの表示がつきます。
駅員や車掌をやっていた時はいろんなきっぷを見ましたが、やっぱり北海道、九州発行のきっぷは珍しくて、見つけると「おお!」などと盛り上がっていました。さらにレアなのが、(5-タ)、JR四国エリアで発行されたきっぷ。北関東の駅だったので、なかなかお目にかかれませんでした。見つけた時は「四国!四国!」なんていってマニアな同期と盛り上がったりしてました(たぶん、東京駅あたりではあんまり珍しくないんだと思いますが)。
きっぷをさらにじっと見つめてみると
ちなみにきっぷを印刷する紙のことを「ロール紙」と呼んでいましたが、これもじーっと見てみると……
JR東日本発行のきっぷには「E」が書いてあります。気づきました?同様に西日本は「W」、東海は「C(JR東海の英語名は Central Japan Railway Companyなので)」です。JR四国は「S」、JR九州は「K」ですが、JR北海道は「北」です。なぜなんだ……Hじゃなかったんだ……。
というわけで知っていても何の役にも立たないコネタでした。でも知ってしまうと、明日から見ずにはいられない。マニアへの入り口は思いがけないところに開いているのです。フフフ……。
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