telling, Diary ―私たちの心の中。

友達と靴は似てる ―telling, Diary

telling,世代のライター、クリエイターたちが日々の思いや本音を綴る「telling, Diary」。今回は、IT企業の会社員・hacoさんのダイアリーです。「同世代のミレニアル女性から、悩みや迷いを打ち明けられることが多い」というhacoさん。今回は、「友達」との付き合い方について、一つの考え方を書いてくれました。

●telling, Diary ―私たちの心の中。

ずっと友達でいるって本当にいいこと?

 30代の女性・ユウさん(仮名)から、友人関係について相談されました。長年の友人から心無いことを言われ続けてきたこと。ユウさんなら許してくれるだろう、と、きっと友人は思っているであろうこと。
 2人は長い付き合いということもあり、友だちがいなくなってしまう気がして、何も言えないというのです。

 そこで私は彼女に言いました。
「友だち、お休みしてはどうですか? きっと新しい友だちができますよ」と。

 彼女は不安そうに、「この歳になって、新しい友だちなんてできますかね?」と言っていましたが、それからしばらく経って、その子とは適度な距離を作れたそうで、別の気の合う友だちに囲まれて幸せそうに暮らしています。

 26歳に差し掛かった頃でしょうか。
 私自身も、友人関係に違和感を感じたことがありました。

   学生時代に出会ってきた友人たちと、話がうまく噛み合わず、違和感を感じたことがあったのです。
 くだらない笑い話はできるのですが、今悩んでいることや将来のことを、話しにくくなってしまいました。

 こんなことを言ったら否定されるのではないか、この話をするにはもっと前提から説明しなくちゃいけないなど、どんどん話すのが億劫になり、相手の話に興味も持てず、一緒にいるだけでなんだか気疲れしてしまうようになりました。

 一緒にいるけれど、一人ぼっちになった気持ち。
 話をしてもすり減るだけで、満たされません。

友だちでいることを、休む

 そこで私は「休む」ことにしました。
 相手に特に何か言うわけでもなく、自分の中でこっそり休むのです。

   その友だちに費やしていた時間を違う人やことに使ったり、一人で過ごす時間を心地よく過ごせるように工夫してみました。

 すると、新しい友だちができたのです。
 今の自分だからこそ出会える、新しい友だち。

 特に学生時代に出会った友人は、たまたま近くで過ごす時間が長かったり、行動範囲や出会えるチャンスが限られているので、気が合う友だちなのだと錯覚してしまうことが多いように感じます。

 当時は本当に気が合っていたとしても、卒業して大人になり、それぞれの環境で日々暮らしている。価値観がアップデートされてもおかしくありません。
 むしろ、進化している証のようでいいことのように感じます。

合わない靴をそっと箱にしまうように…

 合わない靴で歩き続けられないように、痛いと感じたら無理をしないで、その時にあった靴に履き替えましょう。合わない靴はそっと箱にしまって、またいつか開けばよいのです。

 新しい自分に合った靴は歩きやすい分、今よりもっと素敵なところに連れていってくれます。

 もちろん、いつまでも仲良しでいられる友だちがいるのは、素晴らしいことですし、理想的です。
 でも無理をしてまで一緒にいる必要はないはず。ずっと友だちでいることだけがいいことであるとは思いません。

 もしこれを読んでいるあなたが、誰かに違和感を感じていたら、それは自分がアップデートした合図かも。

渋谷で働く、ミレニアル世代の会社員。旦那さんと二人暮らしをしています。好きなことは文房具屋と本屋への寄り道。
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