今夜最終回「天国と地獄」9話。元に戻った綾瀬はるかと高橋一生!本当にこのまま終わる?残された謎をまとめてみた

綾瀬はるか×高橋一生「天国と地獄 ~サイコな2人~」。思い込んだら一直線で失敗も多い刑事の望月彩子(綾瀬はるか)と創薬ベンチャー企業コ・アース社社長でサイコパスな殺人鬼と思われていた日高陽斗(高橋一生)が元に戻った9話。最終回のように伏線が回収され、東(迫田孝也)の過去も連続殺人の動機も明かされました。とはいえ残りあと1話、ここまま終わるとは思えず……。最終回に向けて、まだ残されている謎をまとめてみました。

まるで最終回みたいだった「天国と地獄~サイコな2人~」第9話。日高(高橋一生)と東(迫田孝也)の過去も連続殺人の動機も明かされ、物語の大筋は一気にまとまった。

だが、ミステリードラマとしては最終回前に伏線が回収されすぎた感もあり、このまま終わるとも思えない。そこで、まだ明かされていない謎や気になる点をまとめておきたい。もしかしたら、全てがひっくり返る最終回……なんてこともあるかもしれない。

 スピード!サスペンス!最終回っぽいぞ

前話のラストで試みた入れ替わりは成功し、久しぶりに彩子と日高が元の身体に戻った。しかし、日高は警察に追われる身。喜ぶ暇もなく執拗な刑事、河原(北村一輝)が現れる。2人はなんとかその場から逃走することに成功するも、警察は厳戒態勢を敷く。

「あ~これこれ、この体!」といった感じの2人の演技。2ヶ月ぶりの彩子と日高なわけだが、違和感がないことを逆に不思議に感じてしまう不思議。あっさりと入れ替わりを表現して話が展開したのに、スピード感があった。

2人は、八巻(溝端淳平)に日高のクレジットカードを持たせて北へ向かわせる。使用歴を追跡させる囮作戦だ。その間に2人は奄美を目指して南へ向かい、東と陸(柄本佑)との合流を狙う。しかし、北原と幅(谷恭輔)だけは、騙されず南へ。

ここら辺はハラハラさせるサスペンス成分多めだ。これまでの謎と不気味さに満ち満ちたダークミステリーとは違った雰囲気。敵かもしれない?という状態だった2人が手を組む展開で、のっけから最終回っぽさがすごい。

明かされた日高と東の過去

日高と東の出会いは、日高の会社「コ・アース」だった。清掃員として真面目に働く東に好感を持った日高は、東に商品のモニターを頼む。これをきっかけに2人の距離は接近し、飲みに行くまでの関係に。この時点で東は日高が弟だと気付いていたが、日高はそれを知らなかった。

疑問だったのが、東は弟の会社とわかっていたはずなのに、「コ・アース」を職場に選んだことだ。もともと近づくためだったのか、それとも仕事をクビになったばかりで選ぶことができなかっただけなのか。たまたま派遣された可能性も高いが、少し引っかかる。

兄として日高に良い格好をしたい東は、妻がいると嘘をつく。しかし実際は、認知症の父親との2人暮らしだった。日高と東は奄美旅行を予定していたが、父が階段から転落死して東は旅行を断念する。介護疲れ、間接的に父を死なせてしまったという心労、双子なのにあまりにも違う暮らしぶりに、東は壊れてしまう。

「久米に濡れ衣着せられて親父が呆けて途方に暮れていたとき、お前があの会社作ったって便所拭いてた新聞に書いてあったよ!」

生まれた時間が15分違っただけで、方や借金まみれの認知症の父、方や大企業の社長と結婚した母に引き取られた2人。まさに天国と地獄だ。さらに膵臓癌まで患ってしまった東に、日高は兄弟であることを知っていると告白する。「僕も一緒にするべき苦労だった」と自分を頼るように訴えた。

「俺さ、こいつ殺した方が世の中のためなんじゃないかって奴知ってんだよね」

しかし東が要求したのは、これから始まる連続殺人の補助だった。断る日高だったが、暴走する東の尻拭いをするように殺人現場の清掃をし、結果的には連続殺人の手助けをしてしまう。

3年前、初めに起きた「横浜法務省官僚殺人事件」は自殺した十和田元(田口浩正)のものだった。十和田が書いた漫画「暗闇の清掃人」から思想を受け継ぎ、「パチンコグループ社長殺人」「ゴルフ場オーナー殺人」「警備会社御曹司殺人」と続いていった。

そんな回想を挟みつつ、舞台は奄美へ。しかし、先回りしていた河原に追い詰められる。「絶対に助けるから」と誓い日高を逮捕した彩子だったが、河原はそんな彩子さえも逮捕してしまう。

本当にこのまま終わり? 残された謎を整理する。

ミステリーとしては完結し、あとは「大ピンチの彩子は日高を救えるか?」という形になったこのドラマ。もちろんそれでも大満足なのだが、このままでは終わらない可能性も残されている。まだ明かされていない謎と、気になる部分をまとめておきたい。

 

●「ボストン連続強姦殺人」

日高がアメリカ留学時代に容疑者になった事件だ。序盤で出てきたこの事件は、その後一切触れられていない。強姦という罪も重ねていて、ちょっと他の事件とは毛色が違う。時期的に東である可能もはない。リークした九十九(中尾明慶)による嘘という可能性はあるが、この件の回収はあるのだろうか。

 

●口に詰められたパチンコ玉

「パチンコグループ社長殺人」で、遺体の口中にはパチンコ玉が詰められていた。ここにサイコ感があるのだが、今話の回想で日高が殺人現場を訪れたとき、パチンコ玉は詰められていなかった。さしたる意図はないのか、日高がやったのか、それとも日高の後に誰かがきたのか。

 

 ●もともと入れ替わりを知っていた日高

日高はこれまでに「入れ替わり」について知っていたような口ぶりを何度も見せている。しかし、今話の回想では入れ替わった過去もなく、入れ替わりを目撃したこともなかった。まだ知られざる過去が存在するのかもしれない。

 

 ●近所の評判の悪いおじいさんの死

学生時代の日高は、評判の悪い近所のおじいさんと仲良くしていた。ある日、このおじいさんは階段から転落死したのだが、その日に限って日高は体調を崩して部屋に閉じこもっていたらしい。単なる偶然なのかもしれないが、スッキリしたいところだ。

 

 ●東の「俺はどんな殺され方をされてもいい」発言

膵臓癌で死期が近い東は、彩子に説教をされて「俺はどういう殺され方をされてもいいから、こいつ(日高)だけは守ってくれ」と発言。「殺され方」とはどういう意味なのだろう。死刑とも取れるが、膵臓癌による病死の方がどう考えても早そうだ。東と日高の裏に、もう1人黒幕がいるのかもしれない。その黒幕が日高自身ということも。

 

 ●居酒屋の大将

5話の彩子と陸が行った焼き鳥屋の大将はなんだったのだろう。セリフが一言もないこの男は、物語的な事実としては怪しい面が一つもない。しかし、彩子と陸の会話の間に意味ありげなアップのカットが何度も差し込まれ、何かありげな演出がされていた。この男が黒幕という可能性はさすがにないと思うが、なんだったのかはすごく知りたい。

他にも八巻と八王子の繋がりだったり、突然放り込まれた五木の子持ち設定が全く生きてなかったり、挙げてみると意外と残された謎はある。最終回は75分スペシャル。日高にまだ隠された顔があって、そこにもう1人誰かが関わって……みたいな展開は十分にあり得そうだ。

次回はこちら:綾瀬はるか×高橋一生「天国と地獄」最終回。陸、なんなの?ナッツでサヨナラってどういうこと?

企画、動画制作、ブサヘア、ライターなど活動はいろいろ。 趣味はいろいろあるけれど、子育てが一番面白い。
イラスト、イラストレビュー、ときどき粘土をつくる人。京都府出身。
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