「天国と地獄」3話。高橋一生は綾瀬はるかを守ろうとしてる説浮上!ここまでの謎をまとめてみる

綾瀬はるか×高橋一生「天国と地獄 ~サイコな2人~」。思い込んだら一直線で失敗も多い刑事の望月彩子(綾瀬はるか)と創薬ベンチャー企業コ・アース社社長でサイコパスな殺人鬼の日高陽斗(高橋一生)が入れ替わり……。ところがさらに、黒幕がいる可能性が浮上。それは一体誰なのか。3話を振り返りつつ考察します。

視聴率14.1%の「天国と地獄~サイコな2人~」第3話は、ひたすら謎をバラ撒く回。ミステリー考察ファンがヨダレを垂らして見入るような内容だ。
ヒューマンドラマとしての山場も抜かりない。これから彩子(見た目は高橋一生)がどう動くか、そういうターニングポイントになりそうな展開だ。
このドラマは主人公2人の表記が非常にややこしいので、以後、彩子(見た目は高橋一生)は「彩子」、日高(見た目は綾瀬はるか)は「日高」と人格の方を優先する。

人格が入れ替わったふたり。左が彩子(見た目は高橋一生)右が日高(見た目は綾瀬はるか)

うっかり八巻が黒幕の可能性は?

今回は本当に気になるところだらけだ。逆に何かの伏線が回収されたり、前話でいう八巻(溝端淳平)が入れ替わりに気付くなどの救いもほとんどなかった。ちょっと気になった部分をまとめていきたい。

前回で株を急上昇させた八巻は、それを取り戻すかのように“うっかり八巻”っぷりを発揮した。彩子の指示を受けて指紋のついた革手袋入れ替え作戦を実行するも、まさかの逆の手袋を鑑識に回してしまう重大なミス。それを日高が気付いたような描写もあった。

また、日高が卵焼きの好みが変わったと言い出した際に「味覚は身体に引っ張られるから望月さん(彩子)の好みになる」と大失言。他にも、入れ替わりが前提となった発言を連発してしまい、目も当てられない。もはや入れ替わりに気付いているのをバラしているかのようなうっかりっぷりだ。

これはただ八巻が本当にうっかりものなだけなのか、それともわざと日高にバレるようにしているのか気になるところ。だが、日高が八巻を疑っている描写から2人が直接的に繋がっているということはなさそう。もし八巻が黒幕だとしたら、正体をバラさずに日高と彩子を操っているという形になる。

彩子が奄美大島で見つけた物

入れ替わりの鍵となる「月と太陽の伝説」を探るため、彩子はひとりで奄美大島へ。そこで見つけたのは、日高が殺しに使ったと思われる物と同じ形の丸い石の数々。地元の人いわく「持ってると呪われる」とのことだ。怪しさ満点。呪いとは、入れ替わりのことだろうか?

入れ替わる前の日高が、緋美という何もない集落を訪れていたことも発覚。さらに架空の花と言われているシヤカナローが、サガリバナという花の可能性も出てきた。作中では「夏に咲く花」とだけ説明されたが、これをGoogleにかけてみると年に一回しか咲かないという。ちなみに花言葉は、「幸福が訪れる」だそう。

サガリバナ、呪いの丸石。この2つが入れ替わりに関係してくるのは間違いないだろう。ただ、「2つ揃うと入れ替わりが起こるんです」と説明され、それで観ている側はピンとくるのかなとも思う。満月(入れ替わった日は満月だった)あたりも関係しそうだけど、どうなんだろう。

そして一番重要そうだったのは、丸石が落ちていた海岸が、入れ替わりが前日の夜に彩子が夢で見た海岸と同じだったことだ。実は彩子は奄美に来たことがあったのかも知れない。もともと日高と彩子が入れ替わっていて、それが戻ったという線も現実味を帯びてきた。

黒幕と数字

終盤で日高は、歩道橋の壁の落書きに「4」という数字を見つける。「し…」とつぶやいた後、何かがフラッシュバックしたかのような表情を浮かべ、「そうですか。終わりじゃなかったんですか」と月のない夜空を見上げた。この後、ゴルフ場経営者の四方忠良という人物を撲殺する。

ここでほぼ確実になったのは、日高が何者かから指示を受けているということ。「終わり」という言葉から推測するに、連続殺人には何か意図があり、ただの快楽ではないということだ。また、入れ替わりは満月だったが、殺しがある日は新月だというのも意味ありげだ。

わかったことよりも、不可解な点の方が盛り沢山。まず、4という指示が書かれた場所だ。殺しの合図だとしたら、黒幕は確実に日高に伝えないといけないのに、誰に消されるかもわからない公共の場だった。「新月の夜の何時何分にあの歩道橋へ行く」という取り決めがあった可能性もあるが、日高はまるでたまたま発見したような表情をしていた。

黒幕が日高の行動を先読みして指示を残したのか、それともどこかに書かれる指示を探すために日高は日々夜の散歩をしているのか、どちらの可能性もあるが少し腑に落ちない。手紙を送るなど直接的な連絡を取らない理由はなんなのだろう。あんなところにでっかいメッセージ書くなんてリスクがデカすぎる。脚立も必要になってくるだろうし。

そして、1話から言われている名前についている数字問題。今回「4」の数字が登場し、殺されたのは、ゴルフ場経営者の四方忠良という名前に四がつく人物だった。このドラマには他にも、八巻英雄、河原三雄(北村一輝)、五木樹里(中村ゆり)、九十九聖(中尾明慶)、五十嵐公平(野間口徹)、十久川広明(吉見一豊)などなど多数登場する。2話に出てきた殺しのリストに掲載されていた名前も、数字がつく人名が多かった。

ミステリーで名前に共通点があるのは定番、見るからに怪しい演出なのだが、果たしてこの数字伏線は本物なのだろうか。これだけバラ撒かれた数字を綺麗に回収する展開は難しそうだし、そもそも名前の伏線は日高陽斗と望月彩子が「月と太陽の伝説」にかかっている時点で使ってしまっている。今回の4は、ボストン殺人、官僚殺人、パチンコ社長殺人につぐ4番目というだけでミスリードな気もする。

陸と師匠

現時点で視聴者に一番怪しまれているのは、彩子のルームメイトで掃除屋バイトの陸(柄本佑)だろう。登場シーンこそそれほど多くないが、ことあるごとに怪しげな効果音を使われるなど、演出的に裏があるのはもう間違い無いだろう。日雇い清掃業の他に、便利屋も個人でやっているのも何かありそうだ。

殺しが行われた日、陸の便利屋ホームページにとある依頼が舞い込んだ。おそらく黒幕からの依頼。このあと陸は4という数字を消しに行くのだが、そこに現れたのは陸の掃除屋の師匠の湯浅(迫田孝也)だ。かけた言葉は、「何やってんだよ、お前」。陸は戸惑いの表情を見せた。その理由はなんだ。

単に「4を消してください」という依頼を受けたのではなく、何かを知っていたから困惑したように見える。黒幕との繋がりがバレてしまうと恐れた時の顔ということだ。だが、ここについては「師匠に便利屋をやっていることがバレた」という焦りの可能性もあるので、なんとも言えない。

それよりも、あんな場所に突然現れた師匠の方が怪しい。それと、陸が4を消しに行くことを日高が知らなかったことも大事な描写だ。これで、陸に指示をしたのが日高ではない誰かだということ、その誰かが陸と繋がっていることを日高が知らないことが明らかになった。

日高の中にもう1人いる?

日高は、手袋問題で彩子を追い詰めるような立ち回りをしていた。しかし、最後の最後で日高が手袋についたDNAを分解した可能性が浮上する。
いくらサイコな人物だとしても、この二面性はおかしい。もしかしたら、日高と彩子が入れ替わった以降も、日高は誰か違う人物(黒幕)と入れ替わりを繰り返しているのかもしれない。

ややこしいが、彩子の身体(綾瀬はるか)を介して、その黒幕が彩子を追い詰め、日高がそれを守っているという図だ。だとしたら、殺しをしているのはその誰かで、日高はずっとその人物と戦っているということになる。日高は彩子と同じように、自分の身体で殺しをされた被害者なのだ。

じゃあその人物は誰なのか。それはもう本当にわからない。陸か、八巻か、師匠か。そこら辺が怪しいが、僕は第2話のレビューでも考察した五木樹里説を推したい。

次回はこちら:「天国と地獄」4話。綾瀬はるかと高橋一生のバディ展開へ。死体のΦが指す人物を大胆に考察してみました

企画、動画制作、ブサヘア、ライターなど活動はいろいろ。 趣味はいろいろあるけれど、子育てが一番面白い。
イラスト、イラストレビュー、ときどき粘土をつくる人。京都府出身。
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