綾瀬はるか×高橋一生「天国と地獄」2話。「月と太陽の伝説」から怪しむべき人物がもうひとり!

綾瀬はるか×高橋一生「天国と地獄 ~サイコな2人~」。思い込んだら一直線で失敗も多い刑事の望月彩子(綾瀬はるか)と創薬ベンチャー企業コ・アース社社長でサイコパスな殺人鬼の日高陽斗(高橋一生)が入れ替わり、いよいよ追い込まれる日高。2話から考察できる、もう一人の怪しい人物とは……。

「天国と地獄~サイコな2人~」第2話。大きな魅力の一つは、人格が入れ替わった綾瀬はるかと高橋一生の演技だ。ちょっと柔らかい演技が増えた綾瀬はるかと、ナヨナヨした高橋一生。不思議な結果だが、どっちも元より可愛くなっている。
主人公2人の表記が非常にややこしいので、以後、彩子(見た目は高橋一生)は「彩子」、日高(見た目は綾瀬はるか)は「日高」と人格の方を優先する。

人格が入れ替わったふたり。左が彩子(見た目は高橋一生)右が日高(見た目は綾瀬はるか)

どういう感覚でどう飲み込めばいいのか

第2話は、入れ替わりあるあるが盛りだくさんだった。彩子に取って入れ替わりは、私生活も仕事も全てうまく行かないストレスの溜まる日々だ。警察にまで追われてその心労は計り知れない。

一方の日高はそうでもなさそう。仕事場で雰囲気の違いを指摘されても「思うところがありまして、路線変更しました」の一点張り。下手に演技をするより効果的と判断したようだ。

驚いたのは性の入れ替わりへの対応だ。彩子は男性の身体に戸惑って1人でシャワーを浴びるのも一苦労なのに、日高はなんと彩子の同居人の陸(柄本佑)を襲ってしまう。体が入れ替わるとそこも変わるのか? それとも元からそうなのか? もしくは日高の異常な順応性を示す描写なのか? どういう感覚でどう飲み込めばいいのかわからないベッドシーンだ。

これらの入れ替わりあるあるが、ただのおもしろシーンでは終わらない。元の体がナッツアレルギーであることを利用して、日高は彩子にナッツを食べさせて追い込むなど、本筋にもしっかりと生きてくる。

今後も体質を利用した展開は出てくるだろう。コメディっぽく描かれたが、彩子の「手汗すごっ!」も何かの伏線になっていそうだ。後でもう少し触れるが、日高が陸を襲ったのも何か理由があるのかもしれない。

3つの重要な展開

日高「私と協力して容疑を晴らして無罪放免になる道を選びますか?」
彩子「あなたの殺したのよね?容疑を晴らすっていうのはやってない人の使う言葉よ。やってないの?ひょっとして…」

冒頭のやりとりは、製作陣から視聴者への「さぁ!黒幕は誰でしょう!?」というメッセージにも聞こえる。殺しの現場まで描写され、凶器も所持し、殺しのリストまで隠していた日高なだけに、事件となんの関係もないとは考えづらい。だが、これで元の身体に戻って日高を捕まえればいいだけの物語ではなくなった。まだまだこの真相にたどり着くには時間がかかりそうだが、大きな焦点になりそうだ。

入れ替わり失敗も重要なシーンだ。追い込まれた彩子は、階段から2人で転げ落ちて入れ替わった日の再現を試みるも失敗してしまう。しかし、その時の日高の口振りは、何かを知っている様子だった。

第1話で日高は、奄美大島に伝わる「月と太陽の伝説」という入れ替わりを描いた昔話について語っていたが、今回は奄美大島行きの航空チケットも出てきている。日高は入れ替わりの方法も戻る方法も知っているのかもしれない。また、この日が満月ではなかったこともキーになりそうだ。

第2話にして八巻(溝端淳平)が入れ替わりに気づいたのは衝撃的だった。いくら様子が変だったとしても、たったの数日間で入れ替わりという超常現象を見抜き、さらに勤務外で彩子の元へ訪問。ゆとり世代のお気楽刑事とは思えない行動力と洞察力を見せた。事前に日高から「月と太陽の伝説」を聞かされていたのも効いているのだろう。

ネガティブな考えで頭がいっぱいの彩子に、八巻は入れ替わりを疑う言葉の数々を投げかける。放心状態になりながら救われていく高橋一生の姿は、ヒロインそのものだ。

彩子、日高、樹里に隠された名前の秘密

このドラマのタイトルは、「天国と地獄~サイコな2人~」。副題の「サイコな2人」が気になる。2人が指すのは主演の綾瀬はるかと高橋一生だと考えがちだが、2話までを観るとサイコなのは高橋一生だけ。彩子(あやこ)を音読みするとサイコになので、そういう洒落を効かせただけなのかもしれない。だが、ちょっとややこしいしあまり効果的ではない気もする。

日高が犯人ではないと仮定するなら、もう1人サイコな人物が黒幕として登場することになる。そのもう1人は誰なのだろう?

今のところ怪しいのは、日高のアメリカ時代を知る九十九(中尾明慶)、時間だけはたっぷりある陸、なんだか意味ありげな陸の師匠・湯浅(迫田孝也)、日高をよく知る秘書の樹里(中村ゆり)らあたりだろうか。

この中で僕が注目しているのは、断トツで樹里だ。公式ページの人物紹介には「日高と樹里は大学の同級生」という一文がある。ただ有能なだけの秘書ならば、同級生の設定は必要だろうか? 樹里が一番日高を知っていることになるし、アメリカで容疑者になる前の日高に影響を与えることができた人物でもある。

怪しい理由は、もう一つある。それは五木樹里という名前だ。このドラマに奄美大島に伝わる「月と太陽の伝説」が関係しているのは前述した通りだ。月と太陽が入れ替わる昔話なのだが、それをなぞらえて望“月”彩子と、“日”高“陽”斗が入れ替わっている。そして2人以外で月と太陽が関係した名前を持っているのは、五木樹里(い“つき”じゅり)だけなのだ。

“日”と“陽”、日高の名前に太陽を表す漢字が2つ入っていること、そして樹里が月の名前を持っていることから、すでに日高と樹里が入れ替わっていると考えられる。入れ替わりの経験をしていたから、今回の入れ替わりにすぐに順応したのかもしれない。また、彩子の中身が樹里だとしたら、陸とのベッドシーンも不自然さが薄れる。

整理すると現在の3人は、彩子(見た目は高橋一生)、日高(見た目は中村ゆり)、樹里(見た目は綾瀬はるか)といった具合だ。グチャグチャになってきたので、考察は次週に持ち越しにする。第3話では、彩子が奄美大島で日高の足跡を見つけるらしい。そろそろ凛々しくてカッコいい女性を演じる高橋一生が見たい。

次回はこちら:「天国と地獄」3話。高橋一生は綾瀬はるかを守ろうとしてる説浮上!ここまでの謎をまとめてみる

企画、動画制作、ブサヘア、ライターなど活動はいろいろ。 趣味はいろいろあるけれど、子育てが一番面白い。
イラスト、イラストレビュー、ときどき粘土をつくる人。京都府出身。
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