上白石萌音×玉森裕太「オー!マイ・ボス!恋は別冊で」最終話。結婚か仕事の二択ではない奈未と潤之介のハッピーエンド

上白石萌音主演「オー!マイ・ボス!恋は別冊で」。超安定志向の平凡女子、鈴木奈未(上白石萌音)がひょんなことから採用されたファッション雑誌の編集部を舞台に成長する“お仕事&ラブコメディ”。仕事を取るべきか、大好きな人との結婚か……。そんな状況に悩んでいる同世代女性にとって、幸せな選択肢とも言える最終話を振り返ります。

いつか笑うために夢を見る

奈未「私の彼氏になってください。フリでいいんで」
最終話は、第1話での潤之介(玉森裕太)と奈未(上白石萌音)の立場が逆転。
潤之介「夢ってさ、なきゃいけないのかな?夢に縛られたり夢を持つことにとらわれたりしたり、それで笑えなかったら意味なくない?」

潤之助のこの言葉に救われた奈未。夢を持ち、潤之介の気持ちがわかった。奈未が潤之介を連れて行ったのは、貸し倉庫。そこには尾芦(ミキ・亜生)がとっておいた潤之介の写真があった。今度は奈未の言葉が、潤之介の心を動かす。

奈未「夢にふたをしてそれで笑えなかったら、それも意味ないんじゃないかなって。もしかしたら、夢って、いつかいっぱいいっぱい笑いたいから、今つらくても、今困難でも、見てしまうものなんじゃないかなって。私は、あなたの笑った顔が大好きです」

潤之介は、父の後を継がず、写真の道に挑戦することを選んだ。

麗子(菜々緒)もまた、何にも縛られず、自分の道に進んだ。2人とも家を継がなかったのは意外で嬉しい展開だった。宇賀神(ユースケ・サンタマリア)に頼り、作りたい雑誌を作ることに。
おみかんを渡す不器用さも、悪魔の微笑みではない笑みも、いつもの「かっこいい」とは違う雰囲気。すごく可愛かった。

麗子の「うまくいかなくても、無駄じゃない」。宇賀神の「完璧じゃなくていいんです」。中沢(間宮祥太朗)の「あんたが分かってもらえる努力をしないと何も進まないんじゃないの?」。理緒(倉科カナ)の「夢に向かって頑張れたこと、後悔してないよ」。

優しく背中を押す言葉の数々で、ただの胸キュンドラマではなく、しっかりお仕事ドラマとしても締めくくられた。

結婚か仕事かの二択ではない

第9話では結婚か仕事かで悩んだ奈未。仕事を選び、潤之介とは別れる決意をした。

しかし、奈未も潤之介も自分の夢に向き合いながら、一緒に笑っていることを望んだ。結婚と仕事は、どちらか選ぶものではない。
潤之介は、カンボジアのNGOの広報カメラマンとして活動するため、旅立つ。奈未は編集者として頑張りながら、潤之介を待つ。それを2人の普通にした。

3年後、奈未と潤之介は、初めて会ったベンチで再会。そして、幸せすぎる抱っこキス。大切なものを諦めなかった、成長した2人だからこそ掴んだ最高のハッピーエンドだった。
純粋さは変わらずどんどん綺麗になる上白石萌音の奈未も、可愛く天然でありながら繊細な玉森裕太の潤之介も、本当にはまり役だった。2人の笑顔から溢れる幸せの余韻がまだ消えない。

イラスト、イラストレビュー、ときどき粘土をつくる人。京都府出身。
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