ミレニアル女子のための新しいお金との付き合い方101のルール

宝くじで高額当選。『億男』みたいに3億円当たったら?

お金は貯めたいけれど、節約も貯金も苦手でお金がないナシコさん。40代までに投資と節約をバランスよく進めた億万長者のジョージ先生に、お金&時間との付き合い方を相談します。今回は、”宝くじから見るお金とのつき合い方”について考えます。 生徒のナシコさん:31歳、独身、女性、中小企業に勤める。現在、お金に困っているわけではないけど、結婚しないかもしれないため、将来マンションを購入することを考えている。 ジョージ先生: 元公務員。不動産投資で資産形成し、40代でアーリーリタイア。現在は日本の自宅と海外の別荘を行き来し、悠々自適の生活を送る。

●スタバが好き、お金も好き。投資家×お金ワカラナイ女子のQ&A  18

12月といえば、1等・前後賞合わせて10億円が当たる年末ジャンボ宝くじに行列ができる光景がおなじみ。映画『億男」を見たナシコさんは、主人公が宝くじで3憶円当てたという話に非常に興奮しているみたい。

宝くじを買って億万長者になる確率ってどのくらい? 投資家であるジョージ先生は宝くじって買うの? もしも本当に宝くじで高額当選したら、所得税や贈与税ってどうなるの? 宝くじで考える「お金の正体」についてジョージ先生に聞いてみました。

お金があったら何でもできる、と思っていたけれど

生徒: 映画『億男』を見てきました! 

先生: どうでした?

生徒: お金について考え直すいいキッカケになりました~。あ、映画はちゃんとレディースデーを使って1100円になる日を選んで買いましたよ。支払いも楽天カードだったからポイントも貯まったし。

先生: さすがですね。どんなストーリーだったんですか?

生徒: 親族のために肩代わりした3000万円の借金を返そうと、主人公の一男(かずお)は昼夜問わず働いるんです。そんな彼に宝くじで3憶円が当選しますが、突然入った大金の扱いに困って、起業して億万長者になった親友・九十九(つくも)に相談します。でも、信じていた親友にお金を持ち逃げされ、行方を捜すうちにいろんな億万長者に出会い、お金の本質について考える――という話です。

「お金があったらなんでもやりたいことができる。夢がかなうんじゃないか」と思っていたけど、そうでもないってことがわかり……。「お金の正体ってなんだろう」って、すごく考えさせられる映画でした。

先生: 興味深い映画ですね。私も機会があったら観てみます。

宝くじで1等が当たる確率は?

生徒: 宝くじを買って3億円かぁ。これまで宝くじを買おうと思ったことはないけど、私も買ってみようかな。買わないと絶対に当たることはないけど、買ったらもしかして映画の主人公みたいに高額当せんするかもしれないし。

先生: いいんじゃないですか。ところで、宝くじの1等が当たる当せん確率って知ってますか?

先生: 当せん確率? 知らないです。

先生: 小額の当せん金まで含めた宝くじの当選確率は約45%。意外と高いと思うかもしれませんが、その中で1等が当たる確率はおよそ0.0001%です。競馬やパチンコ、競輪、競艇などの公営ギャンブルは70~80%だから、宝くじで高額当せんする確率は相当低いということですよ。ついでに言うと、宝くじを買った時点で地方税として40%も払っているんです。つまり、宝くじ1000円を買った時点で400円は税金として支払っているんですよ。

生徒: えー! 知らなかった! 

先生: よく、「高額当せんしたら、翌年所得税がすごいんじゃないか」という話を聞きますが、それはない。なぜなら高額当せんした人から所得税を取るよりも、宝くじを買う人から広く税金を取ったほうが儲かるわけですからね。広く、浅く、高額な税金を取っているわけです。まあ、それを理解したうえで、買うならいいんじゃないですか?

生徒: うわー。それをいわれると、買う気が……。

高額当せんした場合の賢いお金の使い方と税金問題

先生: ところで、高額当せんをしたらどう使うつもりなんですか?

生徒: 不動産を買いますよ、不労所得を得るために。家や車を買ったら消費して終わり。お金は、お金を生むものに投資すべき。そうでしょ?

先生: 夢がないですね~(笑)。でも、まあその通りです。不動産を買っておけば、家賃収入が入ってきますからね。

先生: よく「宝くじが当たったら1000万円あげる」という人がいますが、1年間に110万円以上お金をあげたら、受け取った側に贈与税がかかりますよ。あなたはあげないでしょうが。

生徒: よくご存じで(笑)。

先生: 人は自分の持つ器以上のお金を手にすると、コントロールすることができなくて、結局は不幸な結末を迎えてしまうのが世の中の常なのです。宝くじを買う前に、自分の器を多少大きくしておくことを考えた方がいいいかもしれませんね。

結局のところ、お金の正体ってなに?

生徒: 映画『億男』の中で、「お金の正体」について話すシーンがあったんですけど、先生は、お金の正体ってなんだと思いますか?

先生: お金は自分の夢を叶えるために必要なものです。お金があれば物やサービスに替えられる他に、人の力を借りたり、情報を集めることで時間を短縮したりできる。それに、お金があったほうが人生の選択肢も広がります。

ランチ代として100円しかなければコンビニでパンを買うくらいでしょうが、1万円あればレストランでコース料理を注文することもできるし、今まで通りコンビニのパンを買う自由もある。だからみんな「お金がもっとあったらいいのに」と思うわけです。「もっとお金があったら、やりたいことが全部できるのに」って。

生徒: まさしくその通りです!

先生: ただ宝くじで高額当せんしたとしても、本当にやりたいことのためにお金を使う人はごく一部。大半の人は、目の前にある“今ほしいもの”に使って終わり。気づいたら一文無しどころか借金まみれ。ナシコさんも気をつけてくださいね~。当せんしたら、の話ですが(笑)。

【ジョージ先生のつぶやき】
「宝くじで夢を買う」。いい言葉ですね。宝くじは買わなきゃ当たらないわけですから、夢は買えます。私だったら宝くじで夢を買い続けている間に、夢を達成するためにはいくら必要なのかを計算して、月々確実にお金を貯めますけどね。まずは、自分が何をしたいのか、そのためにいくら必要なのか、明確にすること。それができたら、高額当せんしなくても自力で目標達成できるようになりますよ。

 ●今回のまとめ

  • 宝くじは、買った時点で40%の税金を納めていることを自覚すべし
  • 人は自分の持つ器以上のお金を手にすると、コントロールしきれず不幸な結末を迎える
  • 「お金がもっとあったらいいのに」と思うなら、必要な額のお金を貯める努力をするべし

監修:生方 正

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明治大学サービス創新研究所客員研究員。ミリオネアとの偶然の出会いをキッカケに、お金と時間、行動について真剣に考え直すことに。オンライン学習講座Schooにて『文章アレルギーのあなたに贈るライティングテクニック』講座を開講中。
明治大学サービス創新研究所客員研究員。就職当時から節約生活を送り投資で財を築く。早期退職した現在は海外の別荘と日本を行き来する日々。著書に「高卒自衛官が実現した40代で資産2億円をつくる方法」
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