telling, Diary ―私たちの心の中。

特別を作る ー心躍るバーベキュー

なまめかしく妖艶な表現力で性別問わず見る者の目を釘づけにするポールダンスのダンサーであり、注目のブロガー、ライターでもある“まなつ”さん。彼女が問いかけるのは、「フツー」って、「アタリマエ」って、なに? ってこと。 telling,世代のライター、クリエイター、アーティストが綴る「telling, Diary」としてお届けします。

●telling, Diary ―私たちの心の中。

特別を作る

食欲の秋ですね。
最近すっかりバーベキューにハマっています。

先日妻と二人で旅行に行き、コテージに泊まった際に、なんとなく選んだバーベキュープラン。
バーベキューなんて何年ぶりだろう、と手順を思い出しながら炭を起こしました。
真っ赤に燃えていく炭、いい感じに焼けるお肉や野菜。
何より、外でできたてのものをどんどん食べられる手軽さと解放感。これは良い。
その日のうちにAmazonで手軽そうなコンロを購入しました。

購入したバーベキューコンロは折りたたみ式で、一枚の板状になるもの。
お家でも、車に乗せておいても、場所をとらず邪魔になりません。
めんどくさい炭起こしも、炭起こし機で簡単にできることがわかりました。
なぜだかバーベキューって超絶めんどくさいイメージがあったんですけど、久しぶりにやったら
「肉を外で焼く」ただそれだけのことでした。
便利な道具と、基本の手順を覚えたことで、バーベキューへの心理的ハードルが一気に下がりました。

外で焼く肉はなぜあんなに美味しいのでしょうか。
単純に肉の旨さってわけでもない。普通のスーパーで買ってきたお肉とタレだし。
秋なのでキノコのホイル焼きとかもいいですね。シンプルに塩コショウとバターで。
しめはお家で握っておいたおにぎりに、焼肉のタレをちょっとかけて焼きおにぎりにします。

毎週バーベキューに付き合ってくれる妻に「なんで外で肉焼くとこんなに美味いかな〜」と、聞いてみたら
人間は昔は外で肉焼いて食べてたから、それを思い出して美味しく感じるんだよ。
外で何かするのが楽しいのはそのせい。キャンプとかアウトドアにハマるのは原始時代を思い出すから。
という思いがけない答えが返ってきました。

外で食事をするという特別な感じ、そして炭火。夕日を見ながらゆっくりと肉を焼く。
シンプルな食材でも美味しく感じるのは、そういうスペシャルな要素もあると思います。
しかしそれ以上に、「外で肉を焼く」という単純な行為が、実はDNAレベルで心躍るものなのかもしれません。
なんだかクサクサしたら、時には原始時代を思い出してみる。
ガスじゃなくて炭で、部屋じゃなくて河原で。
ほんの少しの工夫と行動力で、同じ食事でも特別な瞬間に変えることができる。
そういう、なんでもないことを特別にすることの積み重ねのおかげで、私は楽しく生きています。


最近、栄養をとるためだけの食事ばかりだなあと思ったら、ちょっと外で何かを焼いて食べてみませんか。
大勢でバーベキューは疲れるよ、というあなたには、一人用のコンロがあることをお伝えしておきます。
何と炭がセットされている使い捨て。コンロを買って、肉を焼くだけ。
秋の行楽シーズン、一人でも二人でも大勢でも。

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ポールダンサー・文筆家。水商売をするレズビアンで機能不全家庭に生まれ育つ、 という数え役満みたいな人生を送りながらもどうにか生き延びて毎日飯を食っているアラサー。 この世はノールール・バーリトゥードで他人を気にせず楽しく生きるがモットー。
まなつ