歯科衛生士(23歳)

30歳って、女性が一番キラキラする年齢だと思う。

歯科衛生士(23歳) 幼い頃の憧れの職。仕事は充実している。 子供の頃からの憧れの職業につき、毎日充実して働いている。私生活では彼氏とうまくいかないこともあるが、ずっと彼を支えていきたいから、将来は結婚したいと考えている。現在23歳の彼女にとって、30歳は「女性が一番輝いている時」に見えるという。

 仕事はお休みで、いとこと待ち合わせしているところです。いとこに会って、悩み相談をしたいなと思って。今、仕事も恋愛も大変なんですよ。仕事の方は、受付の子がバックレちゃって。恋愛の方は、彼氏と別れちゃいそうなんですよね。

「歯医者は嫌いだけど、あなたと話すのは楽しい」と言われます

 仕事は歯科衛生士で、働き始めて3年目です。人手が足りなくなって残業が増えて、家には寝に帰るだけになっていて。休日も、疲れてあまり遊びに行く元気が出なくて困っています。

 でも、仕事は好きです! 一番楽しいのは患者さんと話している時ですね。おじいちゃんやおばあちゃんの「この前ビールこぼして奥さんに怒られちゃったよー」なんていう、たわいない話を聞いたりしています。歯の話はほとんどしないですね(笑)。「歯医者は嫌いだけどあなたと話すのは楽しい」と言って私に会いに来てくれる人がいると思うと、とてもうれしいです。

 子どもにも好かれます。大泣きしていても、私が来たら安心してくれる子も多いです。たまに、すごく頑固な子もいますけどね。ひどい虫歯なのに、診察室にも入ろうとしないで、お母さんに抱っこされてやっと入ったと思ったら、口を開くのも断固拒否してきた子がいました。

 その時は、無理やり開けさせるんじゃなくて、「そうだよね、歯医者さん嫌だよね。私も歯医者さん嫌いだったんだよ」と話しかけたり、あとはそばにいて見つめ合ったり、じっとしていました。多分、1時間くらい。そうしたら「多分この人は大丈夫だな」と信頼してくれたのか、やっと口を開いてくれました。

中1からの夢に、ブレずに向かっていきました。

 私自身も、もともと歯医者嫌いの子だったんです。でも、歯医者さんにいる優しいお姉さんのお陰で、歯医者に通えるようになって。だから、「私のような歯医者嫌いの子どもにとっての、あのお姉さんみたいな存在になりたい」と思ったんです。

 歯科衛生士になるのは中1の頃からの夢で、そこまではブレずに進んできました。友達からは「子どもの頃からの夢がかなってすごいね」ってよく言われます。

彼の生活をサポートしたい。だから自然と「結婚したい」と思う。

 今の彼氏は、中学生の同級生です。中学1年生の時に付き合っていた、らしい、ことになっているのですが……(笑)あんまり記憶になくて。でも当時も「照れると顔が赤くなるところが可愛いな」と思って、好きだった記憶はあります。大人になってから、私が酔っ払って彼にLINEしたことがきっかけで、また付き合うことになりました。LINEをした記憶もないんですけど(笑)。

 彼の、頑固で自分で決めたことは絶対に曲げないところがいいな、と思います。そこが、けんかの原因にもなっているんです……。「会う頻度を落としたい」と一方的に言われてしまって、その後1週間以上連絡がとれていないんです。

 彼は建築の仕事をしていて多忙なので、普段から私が彼の家に行って家事を手伝っていたのですが、それすら要らないと思われてしまったみたいで。
前にもこんなことがあったけれど、また元に戻れたので、今回も戻れればいいんですけれど。

 彼のことが「好き」というより、「愛情をもっているから、生活をサポートしたい」という気持ちがあるので、自然と結婚したいと思っています。彼とは「まだお互い23歳で子どもだし、精神的に崩れやすい面もあるから、もう少し大人になって、お互い『結婚したい』と思っていたら、しよう」と話しています。

30代ってかっこいいよね?

 姉がもうすぐ30歳なのですが、「もう30だから」とネガティブな意味でたびたび言うんですね。でも私からすると、30歳って、お金にも仕事にも余裕が出来て、女性が一番キラキラしている時だと思うんです。

 私のはとこがそういう人なんです。今31歳なのですが、大学で介護の勉強をした後、全く別分野の、ソーシャルゲーム会社のイラストレーターになり、激務をくぐり抜けた後、突然「私は子育てに専念する」と言って、結婚、退職。子どもがある程度育った今は、生活のために公務員として働いています。こまめに人生の進路変更をするけれど、ポンポン決めてスムーズで、かっこいいんです。私もそんな凜とした女性になりたいです。30代ってかっこいいですよね?

 表参道にて

東京大学卒業後、大学職員となるが、「書くことを仕事にしたい」「自分の女性性への違和感を見つめたい」との思いから27歳で退職。水商売、レンタル彼女、作家のアシスタント等を経て、現在はライター・エッセイスト。
フォトグラファー。岡山県出身。東京工芸大学工学部写真工学科卒業後スタジオエビス入社、稲越功一氏に師事。2003年フリーランスに。 ライフワークとして毎日写真を撮り続ける。