重岡大毅のクシャッとした笑顔の意味は?『#家族募集します』スタート

重岡大毅(ジャニーズWEST)主演「♯家族募集します」1話。シングルファーザーになったばかりの赤城俊平(重岡大毅)は、偶然再会した幼なじみの小山内蒼介(仲野太賀)から、いっしょに子育てをする家族をSNSで募集することを提案されます。性格も価値観も違う男女4人と子ども3人が、ひとつ屋根の下で暮らしていく姿を描くホームドラマがスタート!

重岡大毅(ジャニーズWEST)、木村文乃、仲野太賀、岸井ゆきのが出演する『#家族募集します』が7月9日にスタート。なんだろう、この「良いドラマを撮るぞ」と決意が伝わるメンバーは。

主演を務める重岡は、NHK「これは経費で落ちません!」などでバイプレイヤー的な実力は証明済み。他の3人も「引き立てる」のがうまい印象の実力者そろいである。シェアハウスものということで週替わりで誰かがメインを務めていく形になるのだろうか。

また、「家族×SNS×脚本家・マギー」というと、2019年放送の内田理央主演の日テレ系『向かいのバズる家族』を思い出す。あちらはコメディと見せかけてSNS時代の人間の裏表を恐ろしげに描いて相当なインパクトを残した。第1話を見る限り『#家族募集します』は温かなホームドラマの方向性だが、どこかでエッジの効いた展開をぶちこんでくるかもしれない。そこら辺は、蒼介(仲野太賀)の過去がまるっと謎なので期待したい。

重岡の大袈裟な笑顔の理由

3ヶ月前に妻で絵本作家のみどり(山本美月)に先立たれた俊平(重岡大毅)は、5歳の息子・陽(佐藤遥灯)に真実を明かせぬまま2人暮らしをしていた。そんな中、学童で一緒だった幼馴染の蒼介と再会を果たす。ワンオペ育児に苦戦する俊平を見た蒼介は、住み込みで働くお好み焼き屋「にじや」の2階をシェアハウスにしようと提案する。忙しい俊平は乗り気になれないが、蒼介はグイグイと話を進めてSNSに「#家族募集します」「24時間対応」などと投稿した。

大きな目と大きな口をくしゃっとやって笑う俊平の表情が印象的だ。毎朝お弁当を作って節約し、15分以上もかけて陽を保育園に送り迎えする。食事中に眠ってしまうほど疲れているのに、陽の前では笑顔を絶やさない。

少しあざといくらいの大袈裟な笑顔、初めのうちはさすがはジャニーズのアイドルだな~くらいに感じていたのだが、笑顔のニュアンスは、少しずつ変わっていく。元気一杯で陽と歌をうたうときも、何かを飲み込んで耐えるときも、同じくくしゃっとする。子供との時間はもちろん幸せなのだろうが、100%楽しむ余裕はなく、いつもどこかで無理していた。だから大袈裟に笑っているように見えたのかもしれない。

トイレにだって満足に行けない!シングルの心労

一生懸命作ったご飯を食べてくれない息子、寝ている時に突然受ける頭突き、全てが子育てあるあるだ。一度や二度ならともかく、これらが重なると想像以上にくるものがある。僕も子育てが辛いと感じた時期があったが、限界がきたら妻と交代で隣の部屋に逃げたし、30分離れたところに住む実家の母にも頼りまくっている。

だが、一人きりだったらそうはいかない。トイレにすら満足に行けないし、風呂だってゆっくりできない。おかしなことに、平日より土日の方が大変だったりする。当然今まで趣味に使っていた時間なんて皆無だろう。愛する子供のためなのに辛いと感じる自分はおかしいのだろうか? なんていらない自己否定までしちゃったりして、心労は尽きず、ゴールすら見えない。

俊平は強い。そんな状態でも気を張り続けた。どれだけ大変でも、その苦労を同情されるのを嫌がった。気を張り続けたからこそ、子供の期待に応え続けたからこそ、俊平に救われる瞬間が訪れる。

仕事と育児の間で苦しむシングルマザーの礼(木村文乃)が蒼介のSNSを見つけ、5歳の娘の雫(宮崎莉里沙)を預けた。「お任せください!」と息巻いた蒼介だったが、子供の扱いに困り、俊平にSOSを送る。しかし、育児に追われる俊平はこれを拒否。すると陽は、俊平が考えた架空のヒーロー・トリプルファイブの信念の元、「ピンチなの?じゃあ助けなきゃ!」と俊平を後押しする。

疲れ切っている俊平。行きたくないが、子供の期待には答えてあげたい。またも無理して笑顔を作り、自転車に乗って「にじや」へと向かう。この無理がきっかけで心を休める場所を手に入れることになる。

なぜ、ママの死を子供に明かせないのか?

「にじや」の屋上。必死で陽と自分の笑顔を守る俊平に、蒼介は「俺には無理には笑わなくていい」と声をかける。同情されるのを俊平が嫌がっているなんて百も承知だが、蒼介は「苦しい気持ち吐き出して楽になれよ、俺いつでも聞くから」と続ける。そんな蒼介に、礼も「誰かに話せたら気持ちの整理もつく」と素直な言葉だ。

蒼介がキャッチボールに誘うと、心をほぐされた俊平は、妻が亡くなってからの3ヶ月を語り始める。日々の辛いできごと、陽に聞かれるママの行方。真実を伝えないといけないなんてわかっているが、どうしても無理矢理な嘘で誤魔化してしまう。きっと、俊平自身も妻が亡くなったことを受け止めきれていないのだろう。必死だった3ヶ月間に、妻の死を思う余裕なんてなかったのだ。

泣きながら、強がりながら思いを打ち明けると、蒼介は俊平を胸で受け止める。「お前偉いよ」「お前すげーよ」。シンプルでなんの工夫もない言葉は、蒼介の素直な気持ちの証だ。

蒼介の過去は?

現実と渡りあおうとするシングル(マザー、ファーザー)の2人に対して、蒼介はやや非現実的なキャラクター。俊平の職場にズケズケと上がり込むし、常識というものを知らなそうだ。だからと言って無神経なわけではなく、相手の気持ちを汲み取ろうとして、失敗したらしっかり謝る素直さは持っている。設定としては俊平と同じ28歳であるが、まるで子供のようだ。この純粋さが、2人を突き動かした。

また、「これが幸せって感じがするんだよ」「家族っていいよな」「お好み焼きを家族とシェアするのが幸せの象徴」などなど。蒼介はやけに家族や幸せという言葉に執着を持ったセリフが多いが、これは「ただ底抜けに良いやつだから」なのだろうか。

仕事を辞めて「にじや」に来たと言っていたが、何かしらの過去があるのかもしれない。順風満帆な人生を送ってきたわけではなさそうだ。蒼介が家族にこだわる理由次第で、このドラマの奥行きが決まっていくのではないだろうか。

第2話では、いかにもミュージシャンらしき風貌のめいく(岸井ゆきの)と6歳の息子・大地(三浦綺羅)が登場。予告では、「シングルマザーだって夢を捨てなくていいでしょ?」と語っていて、明らかに他2人のシングルとは考え方が異なるタイプだ。出来上がりつつある家族を、どういう風にかきまわしてくれるのだろう。めいくの非現実っぷりに、ちょっと現実のSNSも荒れそうな予感がする。

企画、動画制作、ブサヘア、ライターなど活動はいろいろ。 趣味はいろいろあるけれど、子育てが一番面白い。
イラスト、イラストレビュー、ときどき粘土をつくる人。京都府出身。
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