最高に楽しいぼっち旅をしよう!台湾編

【真船佳奈】#0「そうだ、台湾行こう!」【ぼっち旅】

telling,の人気連載「“親指レディ”OLサム子」の作者にして現役テレビ局員の真船佳奈さん。前回、NYへ一人旅した珍道中をつづり大バズした「ぼっち旅」の第2弾です。今回、真船先生の餌食(?)となった土地は台湾。なんでも因縁があるそうで……。

●最高に楽しいぼっち旅をしよう! 台湾編

悪夢のNY編から… まさかの第2弾オファー

「大好きなCAさん達にちやほやされたいからビジネスクラスに乗りたい。行き先はどこでもいい」という変態的かつ謎の動機でスタートした#最高に楽しいぼっち旅をしよう!。

「自由の女神がいる場所やろ?」くらいのうっすい知識でたどり着いたNYでは、はちきれそうな衣装を着てGossip Girlになりきったり、

インスタ映えスイーツを腹がはちきれんばかりに食いまくったり、

ハローしか聞き取れない英語力で英語ツアーに参加して胸が張り裂けそうになったり、

なんというかもう、はちきれそうな体験をたくさんした。

原稿を書くより何より腹隠しの画像加工に時間がかかったが、ネット上で「腹が放送事故」と批判されて帰国後も胸が張り裂けそうだった。デブって言ったやつ全員末代まで呪う。

そんなぼっち旅NY編から早6カ月。
telling,編集部から「最近どうですか」と連絡をいただいた。

私は5カ月ほど前にいい感じになった男性に対し、何を思ったのか自撮り棒を差し出し、「こんなにも長い自撮り棒で自撮りをしている女なんですけど、そんな私でいいですか」という世にも奇妙な愛の告白をし、ドン引きされて逃げられたという日本一どうでもいい近況をお話した。

そんな悲しいエピソードはそこそこに、「ぼっち旅の第2弾、行きませんか」というありがたいお話を切り出された。

「世界一参考にならないロクでもない旅行記で、ヤフコメでも完膚無きまでぶっ叩かれてたのに、2回目のチャンスをくださるなんて本当に朝日新聞さんには足を向けて寝られませんよ!今後絶対逆らえないですよ〜!」と適当な返事をしながら、しめしめ次はどこに行こうかなと妄想。真っ先に思いついたのが、台湾だった。

思い出深き初ぼっち旅の地・台湾

思い起こせば、これまで色々な場所を旅行してきた。
最初からぼっちで旅行をしていたわけではない。
一番最初の旅行は女友達と行ったタイだった。
当時は「初海外だからビビってると友人に思われたくない」という謎のプライドがあり、もう明らかにヤバい犬を触ったり、明らかにヤバい人について行こうとしたり、明らかにヤバい飯ばかり食いたがったり……と、お門違いロックンロールを見せつけて友人に泣かれた。

タクシーで「モンキーパークに行きたい」と言ったのに民族舞踊に連れて行かれた時の写真
協調性のなさが一目でわかる写真

海外ロックンロールを反省した後も、私の旅にはトラブルがつきまとった。オーストリアのホテルで暴漢に襲撃されたり、財布を落としたり、サンフランシスコでは到着早々携帯を便器に落としたり、ロンドンの公園で遭難しかけたり……何かと不幸に見舞われていたのだ。

その上、足もくさいしイビキもうるさいので、段々と一緒に海外旅行に行く人が限られていった。

トルコにて。すぐに動物触る。でもぬこさんは仕方ない。
グアムにて。「足くさい」と言われて完全に開き直る図


大学3年生にもなると、「もう自分は集団行動にほとほと向いていない」という実感が確固たるものになっていた。ならば一人旅をしてみよう、と思い立って旅立ったのが台湾だった。

当時は就活期間真っ只中(就活しろ)。
お金もなかった私は、窓のない独房のようなホテルに泊まっていた。
完全にノープラン。何をしたらいいかわからないので、ほぐすコリもなくなるレベルにマッサージ店をハシゴし、軟体動物状態で酒を飲み、泥のようになって独房に帰り朝までゆっくり眠る。
「揉みほぐし・酒・寝る」という根源的な欲をだいたい解消した旅であった。

轟音イビキをかいても寝坊してもくさい足を投げ出しても、誰にも怒られたり泣かれたりしない。そもそも、朝早起きしてスケジュールを詰め込む旅行も、ショッピングばかりの旅行も好きじゃなかった。観光名所の一つくらい見られなくたって寝たい時に寝て、とにかくゆったり過ごす。(なんなの、ぼっち旅って最高に楽しいやんけ……!)。台湾は私のパンドラの箱を開いた地なのだ。

そんなにも楽しかった台湾旅行だったが、恐ろしいことに、このネギ饅頭の写真しか残っていなかった。

その後色々な場所をぼっち旅したが、あの時ほどの開放感は味わえていない。初彼氏が忘れられない、というようにやっぱり初めては特別ということか。忘れてたけども。

そうだ、今再び、あの台湾に行こう。原点に、帰ろう。

編集部の皆さんが「次は香港なんてどうでしょうか」と言っている声が遠くに聞こえたが、「あ、台湾にします」と即答した。速攻、朝日新聞社さんに逆らってしまったが、優しいから許してくれるだろう。

そんなわけで、ぼっち旅第2弾は思い出深き台湾。
ぜひ最後までお付き合いいただけたら嬉しい。

* * * * *
さぁ、今回も真船さんと一緒にユルくて激しい「ぼっち」の旅へ。
次回、早速超山場です!

続きはこちら

テレビ東京社員(現在BSテレ東 編成部出向中)。AD時代の経験談を『オンエアできない! 女ADまふねこ(23)、テレビ番組作ってます』(朝日新聞出版)にまとめ、2017年に漫画家デビュー。ツイッターアカウントは@mafune_kana
最高に楽しいぼっち旅をしよう!台湾編

Pick Up

ピックアップ
【パントビスコ】私35歳、8歳年下との結婚ってどう思いますか?
テリやきテリ世の甘辛LINE相談室
【パントビスコ】私35歳、8歳年下との結婚ってどう思いますか?
ヒント 恋愛
不妊治療を始める前に知っておきたい「特別養子縁組制度」 産むとは、育てるとは
産婦人科医・高尾美穂さん×アクロスジャパン・小川多鶴さん
不妊治療を始める前に知っておきたい「特別養子縁組制度」 産むとは、育てる
家族のかたち 妊活 子育て