最高に楽しいぼっち旅をしよう!台湾編

【真船佳奈】#11 短距離線でもビジネスクラスはお得なのか?徹底検証 <後編>【ぼっち旅】

telling,の人気連載「“親指レディ”OLサム子」の作者にして現役テレビ局員の真船佳奈さん。前回ニューヨークへの旅行でビジネスクラスのおもてなしをうけ味をしめた真船先生。短距離線でも満喫できるのか!?前編に引き続き、おもてなしをひたすら数値化して検証します。

●最高に楽しいぼっち旅をしよう! 台湾編

「搭乗時間の短い短距離線でも、ビジネスクラスの元は取れるのか」

さて、前回ANAへの限りない愛を語ってから、文字数がヤバいことに気づき急に畳み掛けるように査定を始めてしまった。

今回の目的は、「搭乗時間の短い短距離線でもビジネスクラスの元は取れるのか」という貧乏くさい徹底検証だ。
あらゆるサービスに無理やり評価価格をつけて、「エコノミーとの差額分ペイできるか」勝手に値づけしたいと思う。今回のエコノミーとの差額は6万円。果たして元は取れるのか。

<ファッパ制度>
ビジネスクラスの利点の一つは「時間短縮」。たいてい激混みしている手荷物検査も専用ゲートでスイスイ行けるし、搭乗のタイミングもエコノミーより少し早い。
某テーマパークで販売されている「ファストパス」制度になぞらえつつ、今回はこちらの得点を独断で1回1000円と換算することにした。
チェックイン、手荷物検査、搭乗の3回のタイミングで、3000円と評価。

機内サービスがやっぱすげえええええええ

今回の座席はこちら。前回の長距離路線の機体と比べると、少しゴージャスさには欠けるが、足元の広さやリクライニングの深さになんら問題なし。(何様)

フルフラット一歩手前までいける。簡単に言うと「ウォータースライダーの角度」くらいまではいける。(簡単に言えてない)

モニターと足下のスペースはこのくらい。
「足が長くてもうすぐギネスに載っちゃいそうで……赤い靴を履いて木こりの家に行って、切り落としてもらおうか悩んでるんです」っていう方以外は絶対大丈夫!足りる!余る!

スリッパもスケスケ生春巻き皮じゃなくて、憧れの上品ANAカラー。
搭乗直前、2000円で買った変な靴の変な飾りが取れてしまっており、「お客様、こんなヤバイ靴のままではご搭乗いただけません」と足を切り落とされないかヒヤヒヤしていたので、これ幸いと履き替える。

ビジネスクラス乗客とは思えない足元。こんな靴履いた女も暖かく迎えてくれる航空会社、それがANA

また、席に着いた瞬間、綺麗なCAさんが「コートをおかけします」と言って私のトレンチコートを預かってくれた。これは、乗客の大切なお上着がシワにならないように預かってくれるクロークサービス。ゴミ屋敷のような家でいつも床に投げ捨てられている3980円のコートが「え?!わ、私ごときが...そんな待遇を受けていいんですか?!床で大丈夫です!」と戸惑いながらクロークに収容されていく。いいんだよ、お前だってたまにはゆったりとフライトを楽しむ権利があるんだ。

機内食は航空会社の国のものをセレクトせよ

さて、ボロいコートを預けた後は、早速機内食の希望を聞かれる。
やはり3時間半の短時間フライトともなると、生き急ぎ感が否めない。

洋食・和食と選べる。大体航空会社の国籍の料理が上手いと相場が決まっているので、和食をセレクト。
そして、お酒は日本酒と、シャンパンをオーダー。
何を生意気な、と思われるかもしれないが、普段3980円のコートと壊れた靴を身につけている女なのでこの時ばかりは許してあげてほしい。

食事を待っている間は、最新映画を見る。
前回の韓国系エアラインは日本語対応作品が数作品しかなく、「ムーラン」を往復で計4回見た。何度見てもいい作品だが、さすがに限度がある。最終的には変化を求めて中国語バージョンで見ていた。セリフを暗記してしまい、ムーランが口を開く前に次のセリフを言うことができるようになった。今度アフレコし直す機会があったら是非私を呼んでほしい。

その点、日系のエアラインは映画のラインナップが充実している。
往復で3本の最新映画を見ることができた。これは高得点。映画館代が浮くよヒャッホーイ!ついうっかりすでに1回観た「Bohemian Rhapsody」を見ちゃったから別に浮いてないけど、ヒャッホーイ!We are the championってこのことか?!

さて、そうこうしている間に、シャンパンが運ばれてきた。

わーーーーーーーーーーい!でももう文字数がない!

短距離線なのでワントレーで運ばれてくるが・・・

開けてびっくり玉手箱〜〜!!

結婚式で出てきたら「おっ!財力を感じる結婚だねえ!」と思ってしまいそうな高級前菜
ローストビーフさんも加工なしでこのお色味!べっぴんさん!

このメインのブリの柚子煮、脂がのって柔らかくて、そこに柚子の香りが効いていて最高だった。政治家が悪い話をする高級料亭ではこういう料理が出てくるんだろう。多分。

ちなみに帰りの便の機内食はこちら。

ハンブルグステーーーキ!

断面を切ってインサート的な絵を撮るとかいう余裕もないままに腹へ消えていった。

短時間フライトでビジネスクラス、お得か否か!

という訳で駆け抜けていったビジネスクラスの旅だったが、査定をすると
<ラウンジ料>
5300円×往復=10600円
<ファッパ代>
1000円×3枚×往復=6000円
<機内サービス料>
・クローク代 300円×往復=600円
・ドリンク代 3000円×往復=6000円
日本酒1杯 600円
シャンパン 700円✕2杯=1400円
紅茶1杯 500円
ビール1缶 500円
・スリッパ代 400円×往復=800円
・映画代 1800円×3本=5400円
・リクライニングチェア使用料 7時間=4200円(10分100円計算)
・機内食 3500円×2食=7000円
計:2万4千円

全部合計:40600円
ビジネスクラスとエコノミーの差額は今回6万円だったので、元が取れているのかというと、うーんという感じではあるが、
今回も間違いなくCAさんが優しくしてくれたし、3時間半とはいえ、飛行機が一つのアトラクションに感じられたので、個人的には全然ペイできた。偏ったANA愛によりちょっと激甘採点な気がするけど、気にしない。

ちなみに、 ANAのCA風スーツは飛行機に乗った瞬間すごく恥ずかしくなって、機内のトイレで速攻着替えた。

* * * * *
ぼっち旅もいよいよフィナーレへ!!

テレビ東京社員(現在BSテレ東 編成部出向中)。AD時代の経験談を『オンエアできない! 女ADまふねこ(23)、テレビ番組作ってます』(朝日新聞出版)にまとめ、2017年に漫画家デビュー。ツイッターアカウントは@mafune_kana
最高に楽しいぼっち旅をしよう!台湾編